『太吾绘卷(the scroll of taiwu)』日本語化翻訳者にインタビュー【中国産ローグライク】
『太吾绘卷(The Scroll Of Taiwu)』は架空の武侠世界を舞台に、自由に人生を生きていくことのできる中国産ローグライクRPGです。
プレイヤーは世界を旅してさまざまな武芸を身に付けたり、他の人びととの交流を深めたりなど、オープンワールド的なゲーム展開を楽しめます。本作のプレイレポートについては「Game*Spark」で記事を書きましたのでそちらを参照してください。
本作は発売後に50万本を突破し、去年の12月には100万本を超えるという中国インディーゲームのヒット作になっています。
ただ問題なのは、ヒット作にもかかわらず中国語(簡体字)のサポートのみという現状。
今回は本作の日本語化をおこなっている有志翻訳者のとも氏にお話を伺いました。
ーなぜ『太吾绘卷』を日本語化しようと思ったのでしょうか。
とも氏 そもそも太吾絵巻のゲームのシステム自体が素晴らしく、「遊んでいていろいろ妄想が楽しい」という点がありますが、さらに中国の武侠の世界というあまり日本では知られてないテーマを知ってほしいという理由もあります。
ー中国語はもともと得意なのですか。
とも氏 中国語は、一般会話なら不自由なくできるぐらいの力はあります。ただ、本作をプレイすればわかると思いますが、ゲーム内の文章は古臭い文語調のものも多く、意味を理解するのに苦労しています。
ー日本語化作業にはどれぐらいの時間をかけていますか。
とも氏 日本語化の作業は、就業中のお昼休みとかにチョコチョコ翻訳しています。家庭を持っているとなかなか腰を落ち着けて家では作業できないので、お昼休み1時間が勝負です。
ー日本語化作業において困難だったことはなんでしょうか。
とも氏 世界観が独特なので、対応する言葉が日本語になかったりするのが大変です。また「授人以魚 不如授人以漁(老子)」みたいに中国人だったら常識的な言い回しが普通に出てきます。日本語になっているものならそのまま日本語にできますが、ないのも多いので苦労しています。
ーデベロッパー(開発者)とは連絡を取ったりしていますか。
とも氏 開発者は多分Discord内には居てるんじゃないかなと思いますが、特に此方から働きかけることはしてません。
ー現在の翻訳グループの人数や活動頻度はどのようなものでしょうか。またメンバーの募集などはしていますでしょうか。
とも氏 できれば手伝ってほしいとは思いますが、中国語から日本語への翻訳できるスキルとなると限られてるので、ボチボチ一人で進められるところまで進められたらと思います。
ー現在の日本語化完成度は何パーセントぐらいでしょうか。
とも氏 簡単な部分からすすめて20%ぐらいかなと思います。ゲーム内のパラメータとかも日本語に直さないと理解できないですが、「御気」とか概念は理解できるんですが、日本語にいざ直せと言われると「気の防御力」とかになって格好悪くなってしまうのでそのまま使ってたりします。
ー『太吾絵巻』の魅力はなんでしょうか。
とも氏 今のところ全くストーリーがないのでチュートリアル終わったら好き放題出来ちゃうんですが、中国のあちこちを巡って自分の得意な技を覚えて強くなったり、悪党退治して村人に感謝したり、嫁さんを見つけて旅の途中であんなことやこんなことして子供が生まれたり、波乱万丈なことができるのが面白いです。男の娘とか逆のキャラもつくれたりして、色んな遊び方ができると思います。
ー今後の方針や、他に日本語化したい作品がありましたらお教えください。
とも氏 今のところは本作で手一杯です。文章はともかく、画面内のステータスやボタン類が全部日本語になって、遊んでて不自由ないところまで頑張りたいです。今のところ日本語の実況プレイ動画が見当たらないので、自分が翻訳したゲームでYoutubeで実況プレイしてもらえるのを楽しみに翻訳を頑張ります。
ーありがとうございました。
中国インディーゲームの大ヒット作にもかかわらず、中国語以外の言語がサポートされていない本作。
配信当時に開発者が英語サポートをおこなうとの話をしていましたが、そちらのほうもまだ実現がされていません。やはりネックとなるのは中国独特の表現や固有名詞などでしょう。
本作の日本語化がおこなわれれば、日本でもプレイする人が増えるかと思います。今後の日本語化の進展に期待しています。
とも氏のツイッター(日本語化情報を発信しています)
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