『マルコと銀河竜』クリアした感想：笑いと感動のハイスピードノベル
アニメのように目まぐるしくイラストが展開されるノベルゲーム『マルコと銀河竜（MARCO & GALAXY DRAGON）』。前回はユーザー評価の記事を書きましたが、クリア＆コンプリートしたので感想と評価をお届けします。レビューとユーザー評価記事は以下のリンクから。
https://minorgame.syowp.com/archives/marco-galaxy-dragon.htm...
ストーリーについて
ゲームは全年齢向けです。
ストーリーですが、幼いころ宇宙人にさらわれ、奴隷として売り飛ばされたマルコが、盗賊ギャングのボス・ドスゴロに買われます。それからはトレジャーハンターとして鍛え上げられ、銀河竜のアルコとともにお宝を求めて宇宙を旅します。
マルコが幼いころにさらわれたことや、ドスゴロに買い取られ、それからトレジャーハンターとして生きていくといったプロットは、映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」と類似しています。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」においては、母親を亡くした幼いピーター・クイルが、ヨンドゥ率いる宇宙海賊団に拉致されます。
それから26年後、成長したクイルがオーブを盗み、ヨンドゥからオーブをよこすようせまられるという内容です。
本作もおなじように、マルコが「トカゲ石」という秘宝を盗み、ヨンドゥからよこすよういわれます。
ただそれ以外についてはオリジナルの設定で、とくに中盤以降からのラブな星人たちとの戦いはなかなか面白いです。「愛」が敵になるというシチュエーションがいいですね。
ストーリーは基本的にギャグがかなり多めで展開されていきます。
シリアスなところでもギャグが入ってきたりで、内容をあまり重くしないようにしている感じです。
ただストーリー自体は銀河竜であるアルコの悩みや、アルコとマルコの関係など、エンディングに向かっていく過程において、なかなか感動できるものがあります。
ほかのノベルゲームに比べればプレイ時間は短めで、選択肢も1つしかありませんが（どちらを選んでもストーリーに影響のないものです）、プレイ後には十分な満足感が得られるでしょう。
ゲームシステムについて
ゲームシステム自体は一般的なノベルゲームとだいたいおなじです。
クイックセーブ・クイックロードもついていて、選択肢まで一気に飛ばせる早送りもあります（選択肢は一つだけですが）。
特筆すべきなのは、やはり惜しげなくつぎつぎに切り替わるイラストですね。ぜんぶで1000枚以上あるとのことです。
それとゲーム中に流れるムービーですが、画面右下にマウスを移動させるとサーチバーが出てきてコントロール可能です。
遊んでいて不便と思うことはまったくなく、スムーズなプレイができました。
キャラクターについて
本作のキャラクターですが、おもに以下の「マルコ、アルコ、ハクア、シーラ」の4人が中心になります。またそれ以外にも魅力的なキャラクターが多数登場します。気になったキャラクター6人の感想を簡単に。
マルコ
つねにダルそうな感じで、「～っす」のような言葉づかいをする、ヤンキー崩れのような少女。
「これはこれ、それはそれ」での善悪二元論にならない考えと、合理的な判断をすることができます。
アルコ
マルコの相棒の銀河竜。普段は人間の姿をしています。
ときおり見せる「怖さ」がいいですね。
ハクア
銀河支配を目指すアスタロトの娘。クールな少女です。
物語の終盤に近付くにつれ、マルコとの関係など、謎が解き明かされていきます。
シーラ
故郷「惑星ガル」をアスタロトによって滅ぼされた剣士の少女。
アスタロトに処刑されそうになったところを、ハクアに助けられます。
シリアスキャラかと思ったのですが、途中から熱血おバカキャラだということがわかります。
瑠璃
ソバ屋でバイトしている、勢いだけの少女。
ギャグ担当で、おバカキャラ。物語を盛り上げてくれます。声がいいですね。
テラ・イセザキ
伊勢崎学園高等部の生徒会長。お金持ちの娘で、ギャグ担当その2。
高飛車ですが、瑠璃同様おバカキャラです。このキャラの声もいいですね。
総評
ギャグが多く、ストーリーもテンポよく進んでいくため、最後まで飽きずにプレイすることができました。
しかしイラストがすぐに切り替わるので、「もったいない」とか思いながらプレイしていましたね。本当に惜しげなくどんどん切り替わっていきますので。
独特なイラストのアニメも動きがあっていいものですが、シリアスシーンでのアニメには違和感を覚えたり覚えなかったり。
とにかくよくできた、そしてよく作ったという分量のイラストのノベルゲームです。ぜひともプレイしてみることをおすすめします。