『ARIA CHRONICLE』レビューと評価・感想:ローグライク要素のあるJRPG【Steam新作レビュー】
初心者からマニアまで楽しめる、ローグライク要素のあるJRPG『ARIA CHRONICLE』。韓国のデベロッパーSTUDIO N9が開発し、CRESTによって2020年7月12日にSteamで配信されました。
ダンジョン探索部分やパラメータ管理は似ていますが、あくまでこちらはローグライクではなく「RPG」であることへのこだわりが見えますね。ゲーム自体もストーリーを追う形のものとなっています。
今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。
どんなゲーム?
本作は、システム自体は『Darkest Dungeon』に近い形になっています。
拠点となる町があり、そこからダンジョン探索へと向かう形です。
プレイヤーはまず酒場で傭兵を雇い、パーティを編成します。いろいろなジョブが用意されており、自分の好きなようにパーティが組めます。
ちなみに主人公のアリア姫も戦えますし強いです。このあたりは、しっかり主人公の存在するRPGということができるでしょう。物語をリードする固定キャラクターがいるあたりは、やはりJRPGといったところですね。開発者のコンセプトは、「ゲーム自体の面白さと、ストーリーの面白さを両立させたゲーム」だそうです。
ローグライク系のゲームは、ストーリーはあってないようなものが多いですしね。あくまでゲームシステムのほうが主体になっています。
本作はそのあたりを打開するため、ストーリーにも力を入れています。
ゲームのメインとなるダンジョンですが、『Darkest Dungeon』のように横スクロールで、「部屋」の区切りで進んでいく形になっています。
次、どの「部屋」に進むかをプレイヤーは選択していき、そこでさまざまなイベントが起こります。また敵とエンカウントしたらバトルがはじまります。
ダンジョンはランダム生成によって作られますので、プレイするたびに状況は変わっていきます。
ストレスなども用意されていますが、『Darkest Dungeon』ほどの厳しさはありませんね。
それに他のローグライク系のゲームとの違いは、「レベルを上げて対処できる」という点でしょう。
あくまでRPGなので、マップ周回でレベル上げもできます。そのため「詰んだ」みたいな状況にはなりにくいかと思います。
ゲームの難度ですが、序盤のレベル上げや金策がけっこう大変ですね。このあたりは作業的になってしまう感じがあります。
あとゲーム操作にもクセがあるので、慣れるまでちょっと手間取るかもしれません。
たとえばマップをどの方向に移動するかについては、選択時にボタン長押しをしないといけません。
またマウスで操作したばあい、戦闘のときにいちいち画面下の攻撃を選んだあとに敵を選択しないといけないのは面倒に思えました。このあたりは敵を直接クリックで攻撃させて欲しかったです。
しかし『Darkest Dungeon』や『ウィザードリィ』系のゲームが好きな人にはマッチするのではないかと思います。
ユーザーの評価
本作のSteamでの評価ですが、「非常に好評(80%、67人中)」になっています。
クセのあるゲームなので賛否両論でも不思議ではないのですが、評価は悪くないですね。
本作の良かった点・悪かった点については以下のとおりです。
・ライトユーザーでも対応できる『Darkest Dungeon』。
・個性的なキャラクターたち。
・アートワークが良い。
・ボイスもしっかり入っていて、きちんとJRPGをやっている。
・値段が適切。コストパフォーマンスが良い。
・配信と同時にDLC「召喚士」を販売するのはどうなんだろう。本体に入れておけなかったのか。
・操作性にクセがある。とくに長押しでの決定。
・パッド以外での操作がつらい。
・ジョブキャラのグラフィックにバリエーションがない。
全体的には好評な内容となっていますが、操作性に不満があるユーザーも見られました。パッドに最適化されたものとなっているので、前述したようにマウスでは操作がひと手間増える場合もあります。
DLCについては「ARIA CHRONICLE・Invoker DLC Package」を買えば、現在は+30円ぐらいの差です。こちらを一気に買ってしまったほうがいいかと思います。
総評
『Darkest Dungeon』のシステムをベースにして、JRPGを作ってみたというふうの内容の本作。ただ本家ほどの厳しさはなく、じっくりレベル上げもできるので、時間をかければなんとかなるとは思います。
ストーリーがきちんと用意されていたり、固定キャラクターがいたり、キャラクターがボイス入りでしゃべったりしてくれるあたりは、やはりJRPGをプレイしているという感じにはなりますね。
値段もそれほど高くはありませんし、この手のゲームが好きな方はプレイしてみることをおすすめします。