Steam版『ワイナリーの四季』レビューと感想・評価:ワイン造りボードゲーム【新作レビュー】日本語化対応|Viticulture Essential Edition

2020年8月17日ボードゲーム評価レビュー

Viticulture Essential Edition

ワイン造りをテーマにしたボードゲーム『ワイナリーの四季(Viticulture Essential Edition)』。 DIGIDICEDによって、2020年7月10日にSteamで配信されました。日本語対応しています。

ボードゲームのほうはけっこう有名ニャ。

中型ぐらいの規模のボードゲームですね。日本語版では拡張「トスカーナ(Amazonリンク)」も発売されています。Steam版は拡張はありませんね。あとでDLC販売されるかもしれません。

今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。

 

どんなゲーム?

動画名

本作では、プレイヤーはワイン農家となり、ぶどうを育ててワインを作り、それを出荷するという一連の作業をおこないます。

出荷することで勝利点が得られ、先に20点に到達したプレイヤーの勝利です。最大で6人までプレイすることができます。

具体的になにをするのニャ?

簡単にゲームの流れを説明すると、まずゲームスタート時に父と母がランダムに決められ、これによって初期の労働者やコイン、カード、建築物などが決まります。

ゲームは春・夏・秋・冬の4つのターンがあり、冬を過ぎた時点で誰かが20点に到達していれば終了(複数の人が20点越えなら一番点数の高い人が勝ち。それでも同点なら持っているコインの数などで決まります)。そうでなければまた春にもどって繰り返します。

春では、7つあるアクションからプレイヤーは1つを選ぶことができます。1番目のアクションはボーナスなしで、7番目のアクションは労働者を1得られます。うしろのアクションにいくほど効果が大きいのですが、そのぶん順番が遅くなります。

たとえばプレイヤー1が2番目のアクションを、プレイヤー2が6番目のアクションを選んだら、プレイヤー1が先になります。

順番を取るか、利益を取るかニャ。

それが終わると、次は夏になります。

早いニャ。

春と秋は選択だけで、具体的にコマを置いていくのは夏と冬です。

夏は、ボード上に労働者を置いていきます。

プレイヤーは最初、労働者を2つと、大労働者を1つ持っています。

大労働者はなんなのニャ?

自分のターンになったら、労働者を1つ、盤面の施設に置くのですが、それぞれの施設は置ける数が限られています。他のプレイヤーの労働者で埋まってしまうと、置くことができなくなります。

しかし大労働者はそれを無視して置くことが可能です。ただし1体しかありませんし、ゲーム中で増やすこともできません。労働者のほうは増やすことができます。役割自体は労働者とおなじです。

施設ですが、苗木カードを得られる場所と植える場所、設備を作る場所、訪問者カードを利用する場所、コインがもらえる場所などがあります。

カードを使うのにも、労働者を置かないといけないのニャ。

注意しないといけないのは、労働者を配置したら、冬が終わるまで回収できません

夏にぜんぶの労働者を使い切ってしまうと、冬にはなにもできなくなります。

冬のアクションのために、労働者を残しておかないといけないのニャ。

秋になると「訪問者カード」を引くことができます。強力な効果を持ったものが多いですが、使用するためには夏か冬に労働者を該当の施設に配置しないといけません。

冬にできることですが、ぶどうの収穫、収穫したぶどうを使ってのワイン造り、出荷などです。これが終わると、また春に戻ります。

 

デジタル版の長所・短所

じっさいにプレイしてみた感想ですが、AIが相手してくれるため、1人でも遊べるのはやはりデジタル版の良いところですね。AIもけっこう強いです。

オンライン対戦もできますので(まだしたことはありませんが)、フレンドがいたらいっしょに遊べるとは思います。細かい処理もCPUがぜんぶやってくれますし、プレイに集中できるのはいいですね。

問題点ですが、DIGIDICEDの開発したデジタルボードゲーム全般にいえることですが、チュートリアルがきわめてわかりづらいです。

たぶんこのチュートリアルを読んで、理解できる人はほとんどいないのではないかと思います。

ボードゲームの日本語マニュアルが公式ページ(「Japanese rules and visitor cards」のリンク)にあるので、これを読んだほうが早いでしょう。

またUIも使いづらく、直感的にわかりにくいです。Steamでの評価は、現在のところは「賛否両論」ですね。

もともとゲームのルールを知っている人ならプレイできるとは思いますが、まったくルールを知らない状態からだと手間取るとは思います。

 

総評

『ワイナリーの四季』を家で一人で遊ぶことができるという点においては、けっこう重宝するとは思います。

またプレイしたことのない方が「ちょっと触ってみよう」というのにも役立つでしょう。

ただ前述したように、チュートリアルがきわめてわかりづらいので、公式サイトからマニュアルをダウンロードするのがいいかと。

またUIもわかりづらいので、自分でいろいろと試してみて理解していくのがいいでしょう。

ゲーム自体は面白いのですが、個人的にはワインを出荷する過程が長すぎるとは思いました。

勝利点20点に到達するまでに、せいぜい3~4回ぐらいしか出荷できません。ぶどうを作る、収穫する、ワインを作る、受注する、出荷すると工程が多く、労働者の数もかぎられていることから、これらをこなすのに時間がかかります。

もとのボードゲームのルールの問題なのでどうにもならないことですが、もうちょっと単純化できたのではないかとも思いました。

ただゲーム自体は悪くないので、一度プレイしてみることをおすすめします。

また拡張「トスカーナ」が入ることでけっこう化けるので、今後の追加を期待しています。

紹介動画も作りました。