『サイコロ勇者と魔王の城』レビュー・評価・感想ーボードゲーム的なローグライトダイスバトル【Steam】
ダイスを振って敵を倒していくターン制ダンジョンローグライト『サイコロ勇者と魔王の城』。
Tinymice Entertainmentが開発し、Rogue Duck Interactive, Gamersky Gamesによって、2024年6月24日にSteamで配信されました。

ボードゲームっぽさがあっていい雰囲気が出ているイラストですね。実際、ボードゲームの『One Deck Dungeon』の変形型といった内容になっています。
今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。
どんなゲーム?
『One Deck Dungeon』スタイルのダイスバトル
本作は、振ったダイスを配置して敵を倒すゲームです。
一見するとデッキ構築ローグライトっぽく見えますが、実際のところカードは関係ありません。
似たゲームでいえば、前述したようにボードゲームの『One Deck Dungeon』ですね。
ルールは簡単で、敵にダイスを置けるスロットがあって、それをすべて埋めれば敵を倒せるというものです。
敵のスロットに「3」という数字が書いていれば、合計3以上のダイスを置けば倒せるということですね。
スロットにはそれ以外にも種類があって、ぴったりのダイス目じゃないとだめなものや、数字以上もしく以下のダイスを置かないといけないもの、奇数か偶数限定のもの、任意(なんでもいい)もあります。
またスロットの数も1つだけとはかぎらず、3つや4つもある敵もいます。
たとえば敵のスロットに「ぴったり3」「ぴったり5」「4」とあったら、それらを全部埋めるまでバトルは続きます。
埋めきれなければ敵のターンになり、ダメージを食らいます(ダメージ量は敵カードに書かれています)。HPが全部無くなればゲームオーバー(ランダムで出てくる赤色のダイスを使うことで、その数字分だけHPを回復させられます)。
耐えきれたら、またダイスロールで敵のスロットを埋めていくというのを繰り返します。

使わなかったダイスは、最大3個までストックしておくことができます。
また1~6までのダイスをすべて配置することで金貨1枚もらえるスロットもあります。
これらをうまくつかって、ダイスをむだにしないようにしましょう。
ちなみにローグライトゲームでよくある「次にどこへ進むか」のステージ分岐はありません。
ひたすらランダムに出てくる敵と戦っていくだけです。
ショップなどもありますが、自分で選んで進むわけではないですね。

筆者的には、ボードゲームにおけるルールのシンプル化はよいこととは思います。本作は『One Deck Dungeon』をシンプル化した内容といったところですね。
仲間と特技
ゲーム開始時には王様やクイーン、戦士など、プレイヤーキャラクターを選ぶことができます。これがけっこう種類が多いですね。20以上はあります。条件を満たすことで新キャラがアンロックされていきます。
それぞれのキャラクターには特技があり、敵を倒すときとおなじように、キャラクターのスロットをダイスで埋めることで特技が発動します。
特技の発動は任意のタイミングでおこなえるので、ダイスがあまったときにとりあえずストックしておくということができます。

冒険の途中では、最大1人までの仲間を加えることができます(新たに追加したい場合は入れ替えになる)。
仲間にも特技があり、敵を沈黙させてくれたり、レアアイテムをくれたりなどさまざまです。仲間にもHPがありますので、注意して戦っていくといいでしょう。
運用素は強め
本作はデッキ構築ローグライトとは違って、べつにデッキとかは存在しません。
アイテムを購入してパワーアップしていく程度なので、基本的にはダイスの目に左右されます。
「ぼくの考えた最強のデッキ」みたいなのは構築できないのですね。
ダイスの目がうまい具合に出てくれれば、ボス相手でもワンターンキルができたりしますが、そうでないと案外序盤からだらだらとした戦いになって、いつのまにかやられてしまったりします。

ランダム性は高いので、そういうのを受け入れられるかで評価は変わってくるとは思います。
総評
『One Deck Dungeon』が好きで、それにローグライト要素を加えたカジュアルなゲームが遊びたいという方にはよい作品とは思います。
べつに『One Deck Dungeon』を知らなくても、あまり細かいことを考えるよりも、運任せでどんどん進んでいけみたいな展開が好きな人にもいいでしょう。
逆に、『Slay the Spire』のように頭をつかってデッキ構築したいという方は、べつのゲームを選んだほうがいいとは思います。そもそもデッキ構築という概念がありませんしね。

手軽に遊べますし、使用できるキャラクターも多いので、筆者的にはおすすめの作品といえます。