【EU4】新実績と元ネタをわかりやすく解説【アップデート1.30】|Europa Universalis IV
配信日が2020年6月9日に決まった『Europa Universalis IV(EU4)』の新DLC「Emperor」ですが、それに伴って2020年5月19日の開発日記で新実績が発表されました。
やってみると案外実績取るの面白いですけどね。
今回は実績解除をしない人でも楽しめるよう、読んで楽しむ『Europa Universalis IV』シリーズと称して、今回は新実績のレビューと感想、名称の元ネタをお届けします。
アップデートで追加される新実績
無料アップデート1.30で追加される実績には以下のものがあります。
Mary of Lotharingia
Burgundy(ブルゴーニュ)でスタートして、Lotharingia(ロタリンギア)を形成する。さらに君主をMarie(マリー)という女性にする。
ロタリンギアは「ロタールの領土」という意味で、ロタール2世が父親であるローマ皇帝兼フランク王のロタール1世から受け継いだ領土です。ブルゴーニュ伯領を含む広い範囲でした。
ロタール2世の死後、分割統治されました。
最初ぱっと思い付いたのがマリー・アントワネットだったのですが、アイコンの絵からしてマリー・ド・ブルゴーニュですね。
ロタリンギアの一部はロレーヌ公国となり、これを統治したロレーヌ家出身のフランツ1世が、マリア・テレジアと結婚したことで、ハプスブルク=ロートリンゲン家が始まります。「ロートリンゲン」は「ロレーヌ」のドイツ語です。
そのマリア・テレジアの子がマリー・アントワネットなので、そういうネタなのかなと思いました。
ただ、実績のアイコンを見るとマリー・ド・ブルゴーニュですね。ブルゴーニュ公国の最後の君主です。
父がシャルル突進公で、子どもがマリーしかいなかったのです。父が戦死したのち、フランスの侵攻によって領土を大きく失います。
マリーは父の定めた婚約者マクシミリアン1世(のちの神聖ローマ皇帝)と結婚して救援を求めました。結婚生活は上手くいっていたのですが、5年後に落馬事故で命を失ってしまいました。享年25歳だったといいます。
On the Rhodes Again
The Knights(ロードス騎士団)でスタートして、Constantinople(コンスタンティノープル)、Jerusalem(エルサレム)、Antioch(アンティオキア)を征服してコア化する。
「敵を島に引き込んで迎撃」みたいなシステムを突くようなまねをしないと、厳しいとは思いますね。
それと「On the Rhodes Again」ですが、Morcheebaという90年代イギリスのエレクトロニックバンドの曲です。なかなか落ち着きがあって、作業しているときやドライブしているときに聞きたい曲ですね。
Spaghetti Western
Bologna(ボローニャ)でスタートして、Mexico(メキシコ)かTexas(テキサス)を形成する。
おそらくそういうことでしょうね。
ちなみに「スパゲティ・ウェスタン」とは、イタリアの制作した西部劇を指す言葉です。日本に映画『荒野の用心棒』が入ってきたときに、映画評論家の淀川長治氏が「マカロニ・ウェスタン」と呼んだことから、日本ではその名称で定着します。
「スパゲティ」では細くて弱そうだからというのが理由みたいですね。
ちなみに「子連れ狼」や「必殺シリーズ」「太陽に吠えろ!」などはマカロニ・ウェスタンの影響を受けて作られた作品です。
Stern des Südens
München(ミュンヘン)でスタートして、Bavaria(バイエルン)を形成する。Werder(エチオピアの「ワルデル」。ドイツの「ヴェルダー」とかけている)を所有するBremen (ブレーメン)を従属国にする。
ブンデスリーガの「FCバイエルン・ミュンヘン」と「ヴェルダー・ブレーメン」ですね。サッカーシミュレーションゲーム「Football Manager」シリーズおすすめです。
「Stern des Südens」はFCバイエルン・ミュンヘンの曲です。公式チャンネルでも聴くことができます。
Stiff Upper Lippe
Lippe(リッペ)として、イギリス諸島すべてを所有する。
リッペはおそらくリッペ侯国かと。神聖ローマ帝国の構成国家で、ナポレオン戦争時に離脱してドイツ連邦に加盟します。イギリス相手なのでかなり厳しいとは思います。
ちなみに「Stiff Upper Lippe」は「Stiff Upper Lip」をもじったもので、「苦難に耐える」ことを意味します。苦難に耐える典型的なイギリス人の性格を表す言葉としても使われています。
Czechs and Balances
Bohemia(ボヘミア)でスタートして、王冠領(Crown Land)を50%以上所有し、各階級に特権を2つ以上あたえる。
チェコの作家ベンジャミン・キュラスの著書「Czechs and Balances : A Nation’s Survival Kit」が元ネタと思われます。
筆者もよく知りませんけど、チェコでは著名人で、2018年の上院選挙にも出馬しています。選挙では5位に終わったようですね。
本のタイトルは「checks and balances(抑制と均衡)」にかけたもので、権力が一部に集中することを避けてバランスを取ることです。
Don’t be Cilli
ツェリェはスロベニアにある都市で、ナポレオン戦争中はオーストリア帝国の一部に、普墺戦争時はオーストリア=ハンガリー帝国の一部になっています。
Holiest Roman Empire
教皇か皇帝として、神聖ローマ帝国の公式宗教がカトリックのときに、教皇領を選帝侯にする。
Inner Turmoil
アイルズ(The Isles)でプレイして、1500年までに20のプロヴィンスを支配する(島の上にあるプロヴィンス以外)。
題名の元ネタはよくわかりません。知っている人がいたら教えてください。
Kingdom of God
アイコンのポーズは開発者のDuplo氏によるものだそうです。
DLC「Emperor」の新実績
DLC「Emperor」を導入したばあいに追加される新実績です。
Everything’s Coming Up Mulhouse
ミュルーズ(Mulhouse)でスタートして、神聖ローマ皇帝になり、分権化を完了させる。
ミュルーズはスイスの国境近くにあるフランスの都市です。
「Everything’s Coming Up Mulhouse」はシンプソンズに登場するミルハウス(Milhouse)といういじめられっ子が「Everything’s coming up Milhouse!(すべて(の幸運)はミルハウスにやってくる)」といったことに由来しています。不幸のあと、ちょっとした幸運があったときに、自分を励ますために発する言葉です。
元ネタはミュージカル『ジプシー』の「Everything’s Coming Up Roses」からですね。「すべてはうまくいく」というニュアンスの意味です。
God Tier
そのまんまですね。
Napoleon’s Ambition
革命フランス(Revolutionary France)として、革命を10国に広げる。
EU3の拡張パック第1弾のタイトルでもありますね。
ちなみに「信長の野望」の海外タイトルは「NOBUNAGA’S AMBITION」(大文字表記)です。
AEIOU
ちなみに「AEIOU」は神聖ローマ皇帝でもありオーストリア大公でもあるフリードリヒ3世の好きな言葉です。一説では「Alles Erdreich ist Österreich untertan」(世界はオーストリアに属する)の略といわれています。
Global Hegemony
「覇権」は本DLCの新機能ですね。「経済」「軍事」「海軍」の3種類があり、それぞれボーナスを得ることができます。ただし取るためにはそれ相応の条件を満たさなければなりません。現在のところ、覇権の最大化までは約20年かかるそうです。
まとめ
新DLC「Emperor」によってさらに実績が増えてしまった『EU4』。
実績解除が好きな人は好きでしょうけど、やらない人はまったくやってないというのが現状ですね。
やり直しがきついですしね。何百時間遊んでも、実績解除まったく無しみたいなユーザーも少なくはないとは思います。
ただ実績は元ネタなどがあって、見ているだけでもけっこう面白かったりします。
今後も新実績が追加されるたびに記事を書こうと思います。