『BEAUTIFUL DESOLATION』評価について:終末世界を舞台にしたアフリカンアドベンチャー【新作レビュー】
ポストアポカリプス的世界観に、アフリカの景色や文化をフューチャーしたアドベンチャーゲーム『BEAUTIFUL DESOLATION』。南アフリカのデベロッパーTHE BROTHERHOODによって、2020年2月27日にSteamで配信されました。
あることはありますけどね。PS3でも『AFRIKA』というそのものずばりのネーミングのゲームが2008年に発売されていましたし。対象は人間ではなく動物ですが。
今回は本作のレビューと感想、評価についてお届けします。前回のレビュー記事は以下のリンクから。
どんなゲーム?
本作は初期の「Fallout」シリーズのような見下ろし型のアドベンチャーゲームです。
ゲーム展開はRPG『Baldur’s Gate』に近く、フィールドを移動し、人と会話をしながらゲームを進めていきます。
どちらかといえばポイントクリック型のアドベンチャーゲームのほうが近いですね。パズルを解いたりしますし。『Baldur’s Gate』からRPG要素を抜き取った感じといったところでしょう。
そのためRPGを期待すると、全然違うものということになります。システム的には『Disco Elysium』に近い形ですね。
ゲームの舞台は、サイバーパンクなガジェットと、荒廃した世界が入り混じったアフリカです。アフリカ版「Fallout」といった感じですね。行方不明になった主人公の兄を、ロボット犬とともに探しに行くといったストーリーです。
ポストアポカリプス系や、一風変わったアドベンチャーゲームがプレイしたい人には適しているかと思います。
ユーザーの評価
本作のSteamでの評価ですが、「非常に好評(87%、109人)」となっています。
本作の良かった点については以下のとおりです。
・古き良きSFアドベンチャーゲームと美麗なアートワーク。
・素晴らしいBGM。
・冒険する価値のあるフィールド。
・ラヴクラフト、Fallout、Mad Maxの融合。
・引き込まれるストーリー。
・声優の演技が微妙。
・次なにをするのかがわかりづらい部分がある。
・あくまで未来の架空アフリカなので、アフリカ感が乏しい。
・クエストラインが煩雑すぎる。
良かった点としては、アートワークの良さやストーリーの面白さが挙げられていました。これはアドベンチャーゲームの要ともいえるポイントですね。
悪かった点としては、声優の演技の微妙さが多く挙げられています。全員が下手というわけではないのですが、正直、そのへんの人を使っているんじゃないかという感じのキャラクターもいますね。
あと謎解きの煩雑さもあります。これは『Disco Elysium』でもそうでしたが、クエストラインが煩雑で、つぎにどこへ行けばいいのかわからなくなるというのがあります。
海外のアドベンチャーゲームは難しいもの(というか解法が思いつかないもの)が多いのですが、本作もわかりづらい部分はあります。
ただ昔のアドベンチャーゲームほどはひどくないので、なんとかなるレベルだとは思います。
総評
本作はポストアポカリプス的世界観のアフリカを舞台にしたアドベンチャーゲームです。
独特なストーリー展開や、アフリカにインスパイアされた背景や文化など、一風変わった世界を楽しむことができます。
RPG的な要素はなく、基本的にはポイントクリック型のアドベンチャーなので、初期「Fallout」を期待すると違ったものになるかと思います。『Disco Elysium』が好きな人はハマるでしょう。
それと本作は日本語がサポートされていません。なんとなくでプレイできないこともないですが、テキストがけっこう多いので、ストーリーを把握しないと厳しいかもしれません。
エスニックなアドベンチャーゲームをプレイしたい人にはおすすめの作品です。