『百英雄伝』評価は「やや好評」 レビューと感想ー良くも悪くもオーソドックスJRPG【Steam】
100人以上の英雄たちが織り成すドット絵調JRPG『百英雄伝』。
Rabbit & Bear Studiosが開発し、505 Gamesによって、2024年4月23日にSteamで配信されました。ニンテンドースイッチ/PS4/PS5/Xbox Series X|S/Xbox Oneでもリリースされています。
今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。
どんなゲーム?
本作は1995年にプレイステーションで発売されたコナミのRPG『幻想水滸伝』と、そのシリーズの精神的続編ともいえる作品です。
本作の特徴は、やはり主人公キャラクターの多さ。もとの『幻想水滸伝』は、中国の古典小説「水滸伝」に着想を得て、108人の仲間とともに冒険するというものでした。
当時からすると、「そんなに主人公多くてゲーム成り立つの?」と思っていましたが、べつに全員をフル活用しなければならないわけではないので、普通に成り立っていました。
クリアー後に、そのあと108人の仲間たちがどうなったかの話がずらずらと出てくるのが、「水滸伝」的な諸行無常さがあってよかったです。
「幻想水滸伝」シリーズは、ナンバリング作品はPS2の『幻想水滸伝V』まで出ましたが、その後もニンテンドーDSで『幻想水滸伝ティアクライス』がリリースされましたね。
本作はそんな「幻想水滸伝」シリーズを手掛けたスタッフが、精神的続編としてリリースした作品です。ストーリー自体は完全に独立したものになっています。
前日譚として『百英雄伝 Rising』というのが発売されていましたが、こちらは横スクロールのアクションゲームですね。
本作はオーソドックスなターン制バトルのRPGになっており、敵とはランダムエンカウント方式です。基本的にはレベルを上げてなんとかするという、あの時代のRPG的なスタイルを踏襲しています。
ただボス戦はギミックなどを使わなければならないので、ボタン連打だけだと勝てないような難易度になっています。難易度調整自体はできるので、自分の実力に合わせてプレイすればいいでしょう。
それとレースやら演劇やらカードゲームやらのミニゲームがけっこう多いので、本編関係なしに楽しめるとは思います。
不満点
ゲーム自体は本当に、良くも悪くもオールドスクールのJRPGといった感じですので、「レベル稼ぎが苦にならない。むしろ楽しい」みたいな人には向いているとは思います。仲間探しでノーヒントの部分も多いので、このあたりも昔のRPGといった感じですね。
逆に最近の高速戦闘RPGに慣れてしまった人には、戦闘のテンポも移動も遅いですし、ちょっときびしいかなという気はします。オート戦闘はあるのですが、ちょっと使いづらいですね。
移動については、アイテムやサポートキャラクターを使って移動速度があげられますが、そのために装備枠を埋めてしまうため、
あとプレイアブルな仲間はタイトル通り100人いますが、使えないやつもけっこういます。
最初のほうで、仲間に女性の侍がいるのですが、びっくりするぐらい弱いです。
ゲーム中だと発言が多くて強キャラ感を出してくるのですが、戦闘だと攻撃力が低いうえに防御力も低いのであまり役に立ちません。
本作は攻撃力の低いキャラ、防御力の低いキャラクターは、基本的には戦えないと思ったほうがいいでしょう。
魔法はコストが高すぎるため、通常戦闘にはほぼ使えません。使ってたらすぐにMPが切れます。脳筋戦士有利の世界観です。
そんなわけで昔のRPGという感じで、あまり過大な期待はしないほうがいいとは思います。
ユーザーの評価
本作のSteamでの評価ですが、「やや好評(76%、591人中)」になっています。
本作の良かった点・悪かった点については以下のとおりです。
・『幻想水滸伝』の精神的続編がPCで遊べる。
・キャラクターが個性的で良い。
・ストーリーが面白い。
・フルボイスでいろいろしゃべってくれる。
・戦闘が遅く、テンポが悪い。
・ランダムエンカウント方式なので、探索時に何度も足止めを食らってイライラする。
・音量のバランスが悪い。
・つまらないわけではないが、全体的に目新しさがない。
悪くはないけど、システム周りが昔のJRPGという感じで、最近のゲームをやり慣れているユーザーにとっては不満を感じてしまっているようですね。
総評
『幻想水滸伝』の新作というか精神的続編を、いままたPCで遊べるという点はすばらしいとは思います。
ただシステム自体も回顧主義的なものになってしまっているので、そこに不便を感じるかどうかで評価が分かれてくるでしょう。
昔のRPGが好きで、レベル稼ぎや探索が苦にならない人には、むしろ楽しめるゲームとは思います。ボス戦はそこそこ難しいです。
ただ新規ユーザーにすすめられるかといえば、ちょっと難しいところがあるでしょう。思い入れがあるかどうかが重要になってくるとは思います。