『犬鳴トンネル』評価は「非常に好評」:有名ホラースポットを題材にした短編ホラー【ゲームレビュー】

2020年5月25日ゲーム評価アドベンチャー, チラズアート, ホラー

inunaki

チラズアート全作品レビュー企画の第4弾。今回はじっさいに存在する有名ホラースポットを題材にしたホラーゲーム『犬鳴トンネル(Inunaki Tunnel)』です。前回の『おかえり』は以下のリンクから。

本作はチラズアートによって、2019年11月19日にSteamで配信されました。

犬鳴トンネル(旧犬鳴トンネル)ですが、福岡県に実在します。九州最凶の心霊スポットともいわれていて、昔はテレビでもよく放映されていました。現在は車で通過することはできなくなっています(新しいほうの犬鳴トンネルは普通に車で通れます)。

今回は本作のレビューと感想、評価についてお届けします。
 

どんなゲーム?

本作は旧犬鳴トンネルを探検するホラーアドベンチャーゲームです。

旧犬鳴トンネルが心霊スポットになった原因ですが、ここでさまざまな凶悪事件が起こったとされています。

1988年には5人の少年グループが、20歳の工員に車を借りようとして断られたため、手足を縛ってトンネル内でガソリンをかけて焼き殺したといわれています。

恐ろしいニャ。

また死体遺棄事件や交通事故なども起こっています。さらには、トンネルのそばに「犬鳴村」なる治外法権の村が存在するといった都市伝説もあります。「携帯電話の電波が届かない」「公衆電話は警察に通じない」「斧を持った村人が襲ってくる」などなど。これを題材にした映画「犬鳴村」も今年2月に放映されていますね。

なんか「グンマー」みたいな地方ディスにも聞こえるニャ。

旧犬鳴トンネルの都市伝説としては、「血の手形がつく」「ブレーキが利かなくなる」などといった話もあります。

ゲームのほうですが、主人公は心霊スポットの撮影でやってきたようで、ビデオカメラごしの一人称視点でのプレイになります。ただ普通のカメラではなく、強い霊力を感じると顔認識機能が働くといったものです。

そんなものを持っている主人公も普通じゃないニャ。

ゲーム中でも旧犬鳴トンネルはすでに閉鎖されてしまっています。まずはトンネルにどうやって入るかからですね。夜であるうえにトンネルなので、全体的に画面は暗いです。

それと本作も短編で、マルチエンディング方式です。1時間もあればコンプリートできると思います。

 

ユーザーの評価

本作のSteamでの評価ですが、「非常に好評(82%、96人中)」です。

良かった点を以下にまとめます。

良かった点

・じっさいに心霊スポットを探検しているような気分を味わえる。

・ビックリ系ではなく、心理的恐怖。

・なにが起こるかわからない雰囲気が良い。

正統派ホラーゲームというよりも、心霊スポットを探検するドキドキ感のようなものを感じられるゲームでしょう。じっさいの旧犬鳴トンネルと似たような作りになっているそうです(行ったことがないので本当にそうなのかは知りませんが)。

悪かった点としては以下のものがあります。

悪かった点

・ゲームが短い。

・移動に時間がかかって面倒。

・マップが暗くてわかりづらい。

・あくまで心霊スポットのウォーキングシミュレータ。

ゲームの短さは、チラズアートの全作品で指摘されている部分かと。

マップは他の作品に比べても暗いですね。物を探すときに苦戦するかもしれません。

 

総評

本作はじっさいの心霊スポットをPC上で体験できるホラーウォーキングシミュレータです。

内容的にはホラーよりも雰囲気重視になっています。ホラーを強く期待しすぎると肩透かしを食らわされる可能性もあります。

ただ心理的な怖さはありますので、そういうのを期待する人にはいい作品だと思います。

また昔テレビでよく心霊番組を見ていた人は、なつかしさを感じるかもしれません。

本作の楽しみ方ですが、犬鳴トンネルのことをあるていど調べてからプレイすると、より臨場感が出るかと思います。

次回は『雪女』を予定しています。