『添丁の伝説』レビューと評価・感想ーコンボが楽しい横スクロールカンフーアクション
台湾・日本統治時代の、実在の抗日義賊を主人公にした横スクロール格闘アクションゲーム『添丁の伝説』。
Creative Games Computer Graphics Corporation(創遊遊戯股份有限公司)が開発し、Neon Doctrineによって2021年11月2日Steamとニンテンドースイッチで配信されました。
台湾の新北市には、廖添丁を祭った「廖添丁廟(漢民廟)」もありますね。
一般的には鼠小僧のように、強き者から富を盗み、貧しい人に配っているというイメージがありますが、実際のところは後世につくられた伝説のようですね。
窃盗犯としての犯罪歴以外にも、日本の警官相手に大立ち回りをしたという話もあるので、これらから背びれ尾びれがついて、いまの廖添丁伝説ができたのでしょう。
今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。
どんなゲーム?
本作は横スクロールの格闘アクションゲームです。
街で情報収集をするパートと、敵の本拠地などに乗り込んで戦うパートがあり、メトロイドヴァニア的な内容になっていますね。
攻撃方法ですが、通常攻撃以外に腰布をつかって相手を拘束し、武器をドロップさせることができます。ドロップした武器を拾って使用することも可能(使用回数制限有り)。
垂直方向に敵を浮かせて空中コンボにつなげる「昇竜蹴り」や、横方向への跳び蹴りなど、さまざまなカンフーアクションが用意されており、組み合わせることで多彩なコンボが繰り出せます。
ゲーム背景は平面ではなく、ポリゴンで描かれているので、キャラが動くと背景も立体的に動くのがよいですね。
台湾の歴史にまつわるアイテムも多く、トリビアもあるので、勉強にもなるでしょう。
ゲーム中に挿入されるムービーは、昔の漫画を意識したコミックスタイルでの展開になっています。
アクションゲームとしてもよくできているので、台湾好きな人以外にもプレイしてほしいゲームです。
ユーザーの評価
本作のSteamでの評価ですが、「非常に好評(95%、302人中)」になっています。
しっかり作り込んでいるゲームですしね。日本語ローカライズはきちんとされています。
本作の良かった点・悪かった点については以下のとおりです。
・昔の台湾を伝えるグラフィックが良い。
・キャラクターが立っている。
・アクションが多彩で、操作していて楽しい。難度もちょうどいい。
・コミックスタイルの演出が凝っている。
・台湾に対する蘊蓄が身に付く。
・地下道などマップがわかりづらい。通過したところのマップがほしい。
・地形の罠がけっこうイヤらしい。場所によっては連続でダメージを食らって死んでしまう。
・ミニゲームの「四色牌」は運要素が強すぎる。
・乞食にいちいち施しするのが面倒。
全体的には高評価で、大きな欠点も見当たらないといったところですね。
「四色牌」はもともと運ゲーみたいなものなので、ルール通りといったところでしょう。
総評
アクションゲームとしての完成度も高く、日本語ローカライズもしっかりされています。
台湾に興味のある方や、メトロイドヴァニア的なアクションゲームが好きな方はプレイして損はないでしょう。
クオリティはだいぶ上がってきていますね。今後の展開にも注目したいところです。