Steam版『東亰ザナドゥ eX+』クリア!レビューと感想・評価:『ペルソナ4』似のJRPG?
ライトノベル風味の学園RPG『東亰ザナドゥ eX+』。日本ファルコムが開発し、Aksys GamesによってSteamで配信されました。ちなみに「東京」ではなくて「東亰」です。
ぶっちゃけあまり関係ありませんでした。普通にJRPGですね。それと本作はマルチエンディング方式です。1周目でトゥルーエンドにたどり着くのは厳しく、2周は必要になるとは思います。日本ファルコムのゲームらしく、クリアまでがけっこう長いです。
今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。
どんなゲーム?
1985年に、日本ファルコムのファンタジーアクションRPG『ザナドゥ』が発売されました。大ヒット作品となり、当時で40万本を売り上げたということです。
ファミコンでは『ファザナドゥ』というのがハドソンから1987年に発売されましたが、筆者がこの「ファ」がファミコンのファだと知ったのはだいぶ後になってからのことです。
『ザナドゥ』は派生ゲームがいくつか出ていますが、その最新版が本作です。初出は2015年のPSVITA版です。
ただ、もとの『ザナドゥ』とはまったくといっていいほど関係がなかったりします。ゲーム中の部活の名前に「ザナドゥ」が入っているというぐらいでしょうか。とりあえず『ザナドゥ』ブランドをつけてみたという感じです。
『東亰の軌跡』『東亰イース』のほうがわかりやすかったかもしれませんね。
ちなみに本作の内容ですが、ひとことで表現すると、「日本ファルコムの作った『ペルソナ4』」です。
登場キャラクターも『ペルソナ4』の登場人物に被りそうな人たちが出てきます。なんか日常のBGMもペルソナっぽいのが流れていたりします。
ゲームも日常パートとダンジョンパートに分かれています。
このダンジョンパートですが、ここは『ペルソナ4』のコマンド入力式とは違って3Dアクションになっています。戦闘をアクションにするというのは、やはり『ザナドゥ』リスペクトだからなのでしょう。
ただこのアクションなのですが、キャラクターの動作が硬いというか、ぎこちなさがあります。もとがPSVITAのゲームだからということもあり、グラフィックもそれほどよくはありません。いまの3Dアクションゲームに慣れてしまっている人にとっては、このあたりでプレイが厳しくなってくるかもしれません。
ダンジョン内では、味方3人をスイッチさせて戦っていく形になります。
敵には属性が設定されていて、その属性に強い仲間に切り替えることで、効率よくダメージをあたえることができます。ダンジョンスタート時に、どういう属性の敵がいるかを教えてくれますので、それに合わせて仲間を編成しておけばいいでしょう。
ゲームのキャラクターですが、基本的には典型的なライトノベルのキャラクターといった感じの人物ばかりです。
なんかダルそうな主人公、お調子者の友人、世話焼きの幼馴染、おっとりした生徒会長などなど、いわゆる記号化された人物たちで、『ペルソナ4』のような人物の作り込み(じつはこういう一面もあるという部分)は感じられませんでした。
それとマルチエンディング方式なのですが、その条件がちょっと面倒くさいです。ただでさえ長いので、2周目やろうという気はあまり起こりません。
内容的には、とくに可もなく不可もなくといった感じで、典型的なJRPGといったところでした。
ユーザーの評価
本作のSteamでの評価ですが、「非常に好評(87%、798人中)」になっています。
極端に悪い部分があるわけでもありませんし、JRPG好きの人は普通に楽しめるんじゃないかと思います。
本作の良かった点・悪かった点については以下のとおりです。
・典型的なファルコムゲーム。
・ラノベ要素てんこ盛り。ラノベが好きな人には気軽に楽しめる。
・日本ファルコムらしくBGMが良い。
・アクションはそこそこ難しい。
・マップ移動など、UIは使いやすい。
・戦闘が単調でスピード感・爽快感がない。
・序盤がだるい。
・『ザナドゥ』の名前は必要だったのだろうか。
・グラフィックがひと昔前。
・ストーリー展開や登場人物など、すべてが典型的。
・劣化『ペルソナ4』。
粗をさがせばいくらでも見つかるという感じですが、「遊べないことはない」ということで全体的にはサムズアップが多かったです。ただサムズアップでもかならずといっていいほど不満が書かれていますね。まあ、たしかになにか言いたくはなりますが。
総評
日本ファルコム製『ペルソナ4』といってもいいとは思いますが、ただもとの作品を超えられず、劣化版の印象があるのは否めません。
とくにダンジョン探索が単調なうえに、アクションもぎこちないため、動かす楽しさみたいなのはあまりありませんでした。
あとゲームがかなり長く、サブクエストをこなさず早送りを多用しても最初のクリアまで25時間ぐらいはかかりました。トゥルーエンドを目指すなら、もっと時間はかかるでしょう。
ストーリーは本当に典型的なライトノベルで、しかもこれでもかと要素を盛り込んでくるため、突っ込みながらプレイするのがいいとは思います。
ただやはり長さがけっこうネックで、その上にマルチエンディングなので、ゲームに時間をあまりかけられない人にはおすすめできません。
それと『ペルソナ4』を遊んだことのない方は、さきに『ペルソナ4』を遊ぶことをおすすめします。