
『Europa Universalis V』(以下『EU5』)ですが、「前作と比べてつまらなくなった」という意見もちらほら見られます。
実際、筆者も初プレイ時はかなり微妙な印象を受けました。というか、正直前作に比べてテンポが悪くなったという感じです。

やることがかなり増えているのニャ。
やることが増えたというか、手間がかかるという言い方のほうが正しいかもしれません。
ただしばらくプレイして悪くはないかなとも思えてきましたので、今回は本作のレビューや感想、なぜつまらなく感じるのかとその対策について述べていきます。
『Europa Universalis V』はつまらない?
長すぎるタイムライン
本作をプレイしていて長いというかダルいと感じるのは、そのタイムラインの長さです。
1337年から1837年の500年間というかなりの長さをプレイすることになります。

かなり長いのニャ。
前作の『EU4』が1444年から1821年だったので、プレイ時間もけっこう伸びたことになります。
それで問題なのは、本作のスタート地点は1337年しかないことです。
過去作はそれこそ年単位や日単位でゲームをスタートすることができました。しかもスタート日時ごとに世界の勢力図が変わっていくという作り込みです。
たとえばフランス革命時は、それこそ日単位でフランス内の勢力図が変わっていくという凝りようです。筆者はこういう世界情勢の変化を観るのが好きなのですが、ただ多くのユーザーはそこまで見ていないとは思います。

ゲームもせずにそこまで見ているのは暇な人だけなのニャ。
本作ではそのあたりにリソースを割くことをせずに、『Victoria 3』のようにスタート地点を一か所(1337年)に定めました。ある意味合理的ともいえますが、おそらくほとんどの人は最後(1821年)までプレイすることがないとは思います。せいぜい1600年越えたあたりで力尽きるとは思います。
そもそも長すぎますし、途中で飽きてしまいます。それでべつの国でまた最初からみたいなプレイになりがちです。
そうなると、『Victoria 3』の産業革命時代に向かっていく後半をプレイする機会がほとんどなくなってしまうため、そのあたりの時代をプレイしたい人にはかなり苦行なゲームになっていきます。
前作だと案外最後までプレイしたりしますが、本作だとやることが多い分、リアルでの時間の進みが遅いので、ゲーム後半や自分の好きな年代をプレイしたいプレイヤーにとっては不便さがあります。

アメリカの独立戦争(1775年)とかプレイしたい人にはきびしいのニャ。
ただ今後のアップデートかDLCで、他の年代でのスタートができるようにかもしれません。このあたりは今後の展開を期待したいところです。
テンポの悪さとわかりづらさ
本作は『Victoria 3』の生産システムを取り入れ、さまざまな建造物をつくれるようになりました。
また交易に関しても、資源を仕入れて、加工品を売るというようなこともできるようになり、内政に深みが増しています。
これ自体はいいことなのですが、ただやはりどうしてもわかりにくさがありますね。
建造物の種類も多いので、なにをつくっていいのかという点でもわかりにくいとは思います。

多すぎて把握が大変なのニャ。
たとえば砲兵を生産するにしても、『Victoria 3』みたいに大砲を作るための工場が必要になるのですね。前作はそういうのがなかったので、簡単に生産することができていました。
また『CK3』のシステムも取り入れており、子供の教育や結婚の手配までやらなければいけなくなったため、いちいちゲームが中断されてテンポが悪くなった感じはあります。
前作はリリース後の状態はあまりに単純なシステムだったため、「手抜きじゃないか」という批判をうけましたが、本作はその逆になっていて、ベースゲームの状態でけっこうつくりこまれているのですね。
ただその複雑さが新規プレイヤーにとってはかなり高い障壁になってしまっているため、それにいちいち対処しなくてはならないので、ゲームがなかなか進まないという事態が発生してしまいます。
自動化もできるのである程度はAIにおまかせすることができますが、それでも対応することが多いです。
招集兵と常備兵
前作まではすべて常備兵だったのですが、本作だと『CK3』や『Victoria 3』のように招集兵がメインになっています。
冷静に考えれば、『Victoria 3』の時代でも招集兵がメインなのに、中世をひきついでいく「EU」シリーズが常備兵メインになっているのがおかしいので、ある意味妥当な変更とは思います。
ただ招集兵を出したりひっこめたりみたいな作業も多くなるため、面倒さも増しています。

リアルに寄せれば面倒は増えるのニャ。
それと戦争時の自動化も『CK3』にくらべて使いにくさはありますね。
『CK3』の場合は自動化ボタンを押せば、敵の攻撃や占領などをまとめてやってくれるのですが、本作だと「一斉包囲」など細かく指定しないといけないので、自動化にしては手間のかかる部分が多いです。
しかも招集兵は一か所にまとまって登場してくれるわけではなく、各地でバラバラに出現するので、まずそれをまとめる作業をするのも手間です。『CK3』や『Victoria 3』だと1カ所に出てきてくれるので、このあたりの手間が省略されていてプレイしやすいのですね。
このあたりも今後の改良に期待しています。
開戦事由の作成
開戦事由をつくるのも、前作にくらべると面倒になりました。
本作では「諜報網の構築」をして20ポイントを貯めてから、そのあとに開戦事由を作る必要があるので、直接つくることのできた前作に比べるとひと手間多くなっていますね。
あと外交にしてもポイントを貯めて消費する形になってしまったので、前作のように外交官を呼び戻して再利用みたいなこともできなくなっています。
全体的にとにかく時間がかかる形にはなっていますね。
字が小さい
筆者的に一番クリティカルなのが、字の小ささですね。
筆者は15インチのノートPCでプレイしていますが、文字が小さくて長時間プレイがかなり厳しいです。
『CK3』はMODで文字を大きくできますし、『Stellaris』はバニラ状態でも読みやすいように文字の大きさが考慮されているのですが、本作ではそういうのがいっさい無いので、目への負担が大きいです。
なぜ開発者が文字の大きさを考慮しないかといえば、彼らのつかっているモニタが大きいからです。高解像度ゲームの開発が陥りやすい罠ですね。

最近は考慮してくれるメーカーも多くなったけど、昔は本当に文字のちっこいゲームが多かったのニャ。
この手のゲームは情報量が多い分、どんどん文字が小さくなる傾向にあるので、どうにかしてほしいとは思いますね。
対処方法とまとめ
本作は前作に比べて複雑化したことで、日本語対応したとはいえ、新規ユーザーにはかなりハードルが高い内容にはなっていると思います。
あと文字もかなり小さいので、目が悪い方は大きなモニタが必要になるでしょう。
まだリリースして数か月なので今後いろいろと改善されていく可能性はあるとは思いますが、現時点での購入を迷っている方はもう少し待った方がいいかもしれません。
もしくは前作を持っていない方は、セールで前作をDLC全部込みで買ったほうがいいとは思います。
とくに15インチ以下のノートPCユーザーは、本作は文字がかなり小さくて読むのが困難なので、外付けモニタをつかうなどで対処していく必要があるとは思います。
正直、現時点では不満点が多いというのが感想です。一見やることが多そうなのですが、待ち時間も多いので、退屈な時間も多いのですね。
個人的には『Victoria 3』に寄せるような内容にするよりも、「EU」シリーズのテンポの良さを守ってほしかったとは思います。
今後も(いつものごとく)DLCもたくさん出てくるとは思いますので、どういうふうに展開していくかを見守っていくのがいいでしょう。



