『WorldBox』レビュー・評価・感想ー神になって国家の繁栄と混乱を操ろう
村や国家の繁栄を見守っていくだけでなく、災害やモンスターを放り込んで混乱を引き起こしていく神様シミュレーター『WorldBox – God Simulator』。
Maxim Karpenkoによって、2021年12月3日にSteamで配信されました。

それら2作品とは、あくまで神の視点という部分はおなじですが、ゲームコンセプトは違いますね。どちらかといえば『シムアース』とか『ポピュラス』の類に近いとは思います。
今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。
どんなゲーム?
神になって地域をコントロール
以前紹介した『ファンタジーマップシミュレーター』『Ages of Conflict』は、国家の行く末を見守っていくシミュレーターでした。
あくまで国家対国家がメインになっているのですね。そこで暮らしている人たちがどうなっているか、どんなところに住んでいるのかまでは描写はされていません。
本作はその範囲を小さくし、地域に焦点を当てたシミュレーターになっています。
村づくりRTSのようにちゃんと人がちょこまか動き回り、家を建てたり、船に乗ったりと生活をしています。
動物や魔物なども(望むのであれば)世界に配置していくことが可能。
また雨を降らせたり、災害を起こしたりなど、天変地異を起こすこともできます。『ポピュラス』のように地形を変えたりも可能ですね。

ただあくまでシミュレーターなので、いわゆるマナの制約などはありません。
どれだけ天変地異を起こそうが、モンスターを投入しようが自由自在です。やりたい放題することができます。
4つの種族
ゲームスタート時には地形以外なにもないので、人間などを自分で配置していく必要があります。
人間・エルフ・ドワーフ・オークの4種族がいますので、適当にポチポチマップに配置していきましょう。
やがて、おなじ種族どうしで村や国家を形成していきます。またそれぞれの文化圏もできあがっていきます。家を建てたりなどしますので、このあたりは村づくりRTSを眺めているような感じですね。
国家が大きくなると、やがて近隣の国家との衝突が起きて、戦争に発展することもあります。国どうしが同盟を結んだりして戦うこともありますね。
ただ『ファンタジーマップシミュレーター』のように、特定の国どうしで同盟を組ませたりといったピンポイントの指定ができません(「和平同盟」しかない)。同盟対同盟みたいな大規模戦闘がしづらいので、このあたりが不満点ですね。やろうとするなら、「扇動」で戦争を一つひとつ指定していく必要があります。

天変地異や生物の配置
国家間の挙動に関しては『ファンタジーマップシミュレーター』に分があるものの、本作の大きな特徴は天変地異を起こしたり、動物や魔物を配置したりといった、神の力で地域に影響をあたえることです。
動物にはウサギやネコなどや、ハイエナやサイなどといったものまでいろいろ。水域にはカメやピラニアなども配置できます。ピラニアを陸に配置するとすぐに死んでしまうなど、遊び心もありますね。
ファンタジー生物には悪魔や黒魔導師、ネクロマンサー、ドラゴンなどもいます。昆虫類やネズミなども配置でき、地域に災厄をもたらします。
天変地異としては気温の上昇・下降や雨・地震・竜巻などといった一般的なものから、隕石や核爆弾などといった広範囲に破壊をもたらすものまであります。
さらに本作の目玉でもある巨大なカニ(クラブジラ)ですが、プレイヤーが自分で操作して動かし、ビームを撃って破壊をまき散らすこともできます。

たぶん知らないとは思います。
なんにしろ本作は国家間の戦いに重点が置かれているわけではなく、「このシチュエーションでドラゴンを投入したらどうなるか」みたいな実験観察的なシミュレーターになっていますね。
充実したワークショップ
本作はSteamのワークショップと連動しています。
自作マップをアップロードしたり、逆に自分で一からつくるのが面倒な場合、ワークショップにあるマップを利用するのもいいですね。
筆者のおすすめは「日本の戦国時代」マップです。国は育った状態ですし、すでに武将なども設定されていますので、手軽に行く末を見守ることができます。
総評
本作は『ポピュラス』や『シムアース』からゲーム性を無くして、シミュレーターに特化したような作品です。
国家間の戦いはありますが、『ファンタジーマップシミュレーター』のように国家の栄枯盛衰がメインに置かれているわけではありません。
あくまでそこで暮らす生物たちが主役であり、それらに神の力をつかってちょっかいをかけるというのが本作の正しい遊び方ともいえるでしょう。

そのため、『ファンタジーマップシミュレーター』とどちらがいいかという話になれば、方向性が違うのでどちらも買えばいいということになります。
本作はビジュアル的に生物の動きを見ることができるので、『シムアース』や『ポピュラス』的なものが好きな人には刺さる作品とは思います。