『ウイングスパン』デジタル版のレビューと評価・感想:オンライン対戦も可能な名作鳥集めボードゲーム【Steam新作】
人気ボードゲーム『ウイングスパン』のデジタル版が、Monster Couchによって2020年9月18日にSteamで配信されました。
ボードゲーム界でもめずらしいテーマですね。
ゲームデザイナーのエリザベス・ハーグレイヴ氏がいうには、「多くのボードゲームは城(ファンタジー)か宇宙(SF)で、自分の趣味にあったものがないため、自分で楽しめるものを作った」とのことです。氏は他にも「自然」に関するボードゲームをリリースしています。
今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。
どんなゲーム?
本作は自分の自然保護区に鳥カードを配置し、卵を産ませたり、ラウンドごとの目標を達成したりしながら、最後に一番勝利点を稼いだプレイヤーが勝ちという内容です。勝利点の稼ぎ方が多いのは、本作の特徴といえますね。
ゲーム開始時に、各プレイヤーは5枚の鳥カードと5種類の餌から合わせて5つを選択します。餌は鳥カードを出すためのコストになります(鳥カードに必要な餌の種類が書いている)。できれば鳥カードがすぐに出せるよう、必要な餌をそろえておくといいでしょう。
自分の番になったら、以下の4つのどれかをおこないます。
・鳥カードを3つのエリア(森・草原・湿地)のどこかに配置する(1つのエリアに最大5羽)。
・森エリアで餌を取る。
・草原エリアで卵を取る。
・湿地エリアで鳥カードを取る。
餌・卵・鳥カードの取れる数は、そのエリアに配置された鳥カードの数に依存します。つまりたくさん鳥カードを配置すれば、そのぶん多くのリターンを得られるということです。
ゲームは4ラウンドで構成されていて、
1ラウンドは8ターン
2ラウンドは7ターン
3ラウンドは6ターン
4ラウンドは5ターン
と1ターンずつ減っていきます。それぞれのラウンドにはランダムで目的があり、1位と2位のプレイヤーには勝利点が入ります(例えば「森エリアに一番鳥が多いプレイヤー」など)。これを狙っていくのもいいでしょう。
鳥カードを配置するだけでも、その鳥に応じた勝利点が得られます。また卵を獲得し、それを鳥カードの上に載せることで1個1勝利点が得られます。鳥ごとに保有できる卵の数は決まっています。
また各エリアで資源調達をおこなうと、そのエリアに配置されたすべての鳥カードが特殊能力を発動します(一番右のカードから処理)。これがコンボのように気持ちいい。
鳥カードには鳥に関するトリビアも書かれていて知識も身につくので、鳥に興味のない方でも楽しめるゲームです。
ユーザーの評価
本作のSteamでの評価ですが、「非常に好評(90%、428人中)」になっています。
本作の良かった点・悪かった点については以下のとおりです。
・鳥カードの鳥が動く。鳴き声も出る。
・心地よいBGM(心地よすぎて眠くなるかも)。
・オンライン対戦ができる。
・AI対戦以外にオートマとの対戦も実装されている。
・UIが使いづらい。
・チュートリアルが分かりづらい。
・日本語訳が分かりにくいところがある。
ボードゲーム版は、オートマデッキを利用した1人プレイがあり、本作でもそれが実装されています。もちろんAIとの対戦も可能です。
鳥カードの鳥が動くのはいいですね。カードクリックで鳴き声も出てくるのは、デジタル版ならではといったところです。
悪い点としては、チュートリアルの分かりにくさがとくにあげられています。正直なところ、一度プレイしたことのある方でないと理解しにくい気はしました。
総評
人気ボードゲームを気軽に楽しめるというのなかなかいいと思いました。大型ボードゲームな ので、実際にプレイしようとすると準備がけっこう大変ですし、一緒にプレイしてくれる人も探さなくてはなりませんしね。
またオンライン対戦もありますし、野良やフレンド相手に戦うこともできます。カードもきれいで、ギャラリーを見ているだけでも楽しめるでしょう。
UIはたしかにちょっと使いづらいところがありますね。パッドでも操作できますので、使いやすい方を使うといいでしょう。
全体的には良作に仕上がっているとは思います。