『CIV7』『CIV6』『CIV5』でおすすめはどれ?比較検証|シヴィライゼーション7
『シヴィライゼーション7』(以下『CIV7』)が発売されましたが、定価が高いこともあり、「新作買うよりも過去作の『CIV6』や『CIV5』を買ったほうがいい」という意見も観られます。

ただ『CIV7』は過去作とゲームシステムが完全に違っていますし、どうせなら新作からはじめてしまったほうがいいという意見もあります。
今回は、『CIV7』『CIV6』『CIV5』のどれがおすすめなのかについて、比較検証していきます。
『CIV7』『CIV6』『CIV5』どれがおすすめ?
DLC2本で完成版となった『CIV6』『CIV5』
『CIV』シリーズは無印後に2本のDLCが出て完成版になるといわれています。
物足りない無印に対して、さまざまな拡張要素が追加されるのですね。
『CIV5』の無印が出たときは、遊んでみてあまりのシンプルさにおどろきました。それ以前に発売された『CIV4』の完成度が高かったこともあり、かなり酷評される結果となってしまいました。
ただその後に2本のDLCが出て、さまざまな追加要素が付いたことで評価が変わってきました。

『CIV6』もそんな感じで、無印のときはいろいろいわれましたが、2本のDLCが出たことで評価の高い作品となりました。『CIV6』の場合、『CIV5』ではなかった「New Frontier Pass」での「秘密結社」や「ゾンビ撃退」などの特殊なゲームモードの追加要素もありましたね。
そのため、現在無印である『CIV7』とこれらを比べること自体が、ちょっと不公平な部分もあります。

ただ『CIV7』は『CIV7』で独自のゲーム性を持っています。
『CIV6』は『CIV5』を複雑にしたマイナーバージョンアップ版という感じですが、『CIV7』は完全にこれら2作品とは切り離された存在になっているのですね。
AIがメタ的な『CIV5』
『CIV5』の特徴としては、インターネットの普及からプレイヤー同士の対戦を主軸に置こうとする試みが見られます。
ゲーム性をシンプルにして、人間どうしがボードゲームで戦うかのような内容になっています。
そのため、AIが人間のような嫌な挙動をとっていました。
たとえば同盟していた国家が、ひっそりとこちらの国境線に軍隊を集めて、同盟を切ると同時に攻め込むという人間のようなメタ的なムーブをしてくるのですね。

それ以外にも、いろいろとメタ的な動きをしてくるため、歴史ゲームを遊んでいるつもりでやるとかなり冷めてしまいます。
いくら仲良くしても、隙あらば裏切ってくるため、「ゲームを遊んでいる」という現実にいちいち引き戻されてしまうのですね。

AIには「たんに強いAI」と「強いけどプレイヤーを楽しませるAI」の2種類がいるといわれます。『CIV5』の場合はたんに最適解で進んでくる強いAIであって、遊んでいてあまり面白いものではありませんでした。
あと宗教要素で、AIだとひたすら伝道師を送り込む伝道師スパムができるのですが、これを人間がやると途中で面倒くさくなってしまうため、操作量の問題で、宗教でAIと張り合おうという気が失せるのですね。
筆者的には、ゲームシステムと相まって、メタ的なAIの挙動があまり楽しめなかったというのがあります。
オンライン対戦が楽しい『CIV6』
『CIV6』は『CIV5』からのマイナーチェンジバージョンという感じで、要素がいろいろと増えました。
とくに特徴的なのが区域ですね。区域は都心から3タイル以内に建設することができ、他のタイルとの隣接ボーナスがあったりで、パズルゲームをやらされているような感じでした。とくに区域は一度配置すると取り消せませんので、かなり慎重に置く必要があるのですね。

このあたりは慣れてしまえばそんなに問題はないのですが、最初のうちは覚えることが多くてけっこう厳しかったですね。
あと『CIV6』のよいところとしては、オンライン対戦のしやすさがあります。野良でもけっこうマッチングしますし、全員が同時に動かす形なので待ち時間も少なく、サクサクと遊べるのがいいですね。
『CIV7』はさらにオンライン対戦に力を入れた内容になっていますが、現時点だと『CIV6』のほうが楽しいとは思います(慣れているというのもありますが)。
独自路線を行く『CIV7』
『CIV7』になると、競技性をさらに高めようとすることから、ゲームの公平性にかなり力が入れられています。
これまでは文明を選ぶ形でしたが、『CIV7』では指導者と文明を組み合わせる形にしたことで、文明間の差が大きくなることを防げるようになりました。

それと最初から最後まで一気にプレイする形ではなく、古代・探検・近代の3つの独立した時代にわけて、時代が移るごとにいろいろリセットがかかるという形になりました。
時代が変わるたびに新たな文明を選ぶことができるので、不利な状態のまま最後までおなじ文明で戦う必要がなくなったのですね。
また技術ツリーも時代ごとに独立したものに変わり、一人のプレイヤーが独走しまくるのを防ぐことができるようになりました。
ただ競技性が上がった一方で、漢のナポレオンなど指導者と文明がチグハグになることで、歴史ゲーム的な整合性の面には問題があります。
マルチプレイで競技と割り切っているのであればよいのですが、シングルプレイでゲームの世界観に没頭するという意味では、ちょっとどうなのかという感じもあります。

文字の大きさについて
この手の情報量の多いシミュレーションゲームの問題点として、文字の大きさがあります。
多くの開発者は高解像度そのままで開発してしまうため、ディスプレイが十分に大きくないと文字がちっさくて読めないのですね。
昔のゲームである『CIV5』『CIV6』はこの点をあまり重視していないので15インチのノートPCでのプレイはかなり厳しい感じですが、『CIV7』ではオプションでフォントスケールやUIスケールの変更ができるようになっています。
筆者はゲームをノートPCでプレイすることが多いため、目の負担を考えると『CIV7』が現状一番プレイしやすいですね。
しかしいまだにこの高解像度問題に着手しないデベロッパーが多いのは本当になんとかしてほしいとは思います。

まとめ
現状は、ゲームとしての厚みを期待するのであれば『CIV6』を選んだほうがいいでしょう。
セールになったらDLC全部入りでかなり安く売られていますし、『CIV』シリーズ自体をあまりやったことがないというのであれば、あえて値段の高い『CIV7』を選ぶ必要性がないとは思います。
『CIV5』については、いまからやるのはちょっと厳しいかなという感じはあります。値段的にも『CIV6』を遊んだほうがいいとは思いますね。
文字が大きいほうがいいという理由や、やはり最新のもので遊びたいという方は、『CIV7』を選んだほうがいいとは思います。オンライン対戦目的だと、現状はまだ『CIV6』のほうがいいかなという感じですね。
