AI搭載版『ポートピア連続殺人事件』評価は「非常に不評」 レビューと感想ーそもそもAIチャットできない【Steam】SQUARE ENIX AI Tech Preview: THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE
前人気がけっこう高かった話題のチャットAI搭載版『ポートピア連続殺人事件』こと『SQUARE ENIX AI Tech Preview: THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE』。
スクウェア・エニックスによって、2023年4月23日にSteamで配信されました。
ただふたを開けてみると、思ったものと違った感じになっていました。
今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。
どんなゲーム?
本作はエニックスから1983年にPC-8801版が、1985年にファミコン版が発売された『ポートピア連続殺人事件』をリメイクした作品です。
当時のアドベンチャーゲームは、決まった形式のコマンドを入力する形でゲームを進めていくため、そもそもコマンドがわからないとゲーム自体を進めることができませんでした。
本作では自然言語処理(Natural Language Processing)や自然言語生成(Natural Language Generation)を利用し、チャットGPTのように相棒のヤスに自然言語で命令や相談をすることができるというふれこみでした。
しかしリリースされたものは、そもそもの自然言語生成機能が削除されており、ヤスとの自由な会話ができない状態になっています。
一つの問題としては、AIの非倫理的発言を考慮してのことでしょう。
企業イメージもありますし、変なことを答えられると困るというのもありますしね。
それとゲームの場合、ゲームの枠内での回答が求められるので、ゲームの外の世界の話をされても困るとは思います。ゲームの雰囲気もぶちこわしてしまいますし、このあたりをどうするかも一つのネックになってくるでしょう。
現時点では、けっきょくのところ昔ながらの「コマンドをさがすゲーム」になってしまっています。
ユーザーの評価
本作のSteamでの評価ですが、「非常に不評(8%、137人中)」になっています。
本作の良かった点・悪かった点については以下のとおりです。
・『ポートピア連続殺人事件』を現代によみがえらせただけでもうれしい。
・Steamで遊べる。
・まったりとしたグラフィックは悪くない。
・コマンドさがしのつらさがレトロPCを思い出させる。
・ヤスに日本語が通じない。
・コマンドさがしで難度が高い。
・ちょっとしたことでも実行できない。ファミコン版のほうがまし。
・とにかくヤスが捜査してくれない。
ゲームの不自由さは過去のコマンド入力式アドベンチャーゲームとどっこいどっこいみたいな意見が多く見られ、ある意味レトロゲームマニアは楽しめるかもしれません。
総評
本作はAI搭載で捜査がしやすくなったと思いきや、レトロなアドベンチャーゲームのようにコマンドをさがしていく内容でした。
「これをやってほしい」と思ってもなかなかやってくれない(理解してくれない)ため、まじめにプレイしようとするとけっこうストレスがたまるかもしれません。
一方で、「昔のアドベンチャーゲームってこんなものじゃない?」とリメイクとわりきって、コマンド探しに精を出せる方なら楽しめるとは思います。
無料ですし、興味のある方はちょっと触ってみるのがいいとは思います。