Steam版『VenusBlood FRONTIER International』評価は「非常に好評」ー北欧神話をテーマにした戦略RPG【新作レビュー】

2020年5月27日ゲーム評価シミュレーション, 美少女

VBF

Steamの新作ゲームをレビュー・評価する「Steam新作レビュー」シリーズ。今回は北欧神話をテーマにした地域占領型の戦略ゲーム『VenusBlood FRONTIER International』(全年齢版)です。前回の記事は以下のリンクを参照してください。

本作はNinetail, Dualtailが開発し、JAST USAによってSteamで2020年2月8日に配信されました。

もととなるのは、2012年4月27日にdualtailより発売された「VenusBlood」シリーズの6作目『VenusBlood FRONTIER』です。アダルトゲームなのですが、戦略ゲームとしても面白く作られているため、根強いファンの多い作品となっています。

開発元は英語版を発売するため、2018年にクラウドファンディングをおこない、総額で約26万ドル(約2800万円)の調達に成功しました。

すごい金額ニャ。

それだけ海外でも人気のある作品ということなのでしょう。

このことにより、2019年12月20日にはバランス調整もされたインターナショナル版である『VenusBlood FRONTIER International』が発売されることになりました(パッケージ版/ダウンロード版)。バランス調整や新イベントも追加され、全年齢版(ダウンロード版のみ)も登場しました。

今回はそのSteam移植版のレビューと感想、評価などについてお届けします。

 

どんなゲーム?

VenusBlood_FRONTIER_International

北欧神話をベースにしたアドベンチャー&戦略ゲームです。Steam版は英語と中国語(簡体字)のみで、日本語サポートはありません(日本語音声のみ)。

主人公は魔王の座を狙うロキで、5人の女神たちが治める国を占領するといった内容です。女神に勝利すると仲間にすることができます。ゲームでは主人公以外にも魔王候補がいるので、その者たちとも争うことになります。

ゲームでは複数の部隊(1部隊6人まで)を編成して、敵の領土へと攻め込みます。戦闘はRPGのように、ユニットどうしが戦う形になります。ユニットには装備をさせたり経験値を積ませたりなどの育成要素もあります。

また奪った領土を発展させるなどの内政要素もあり、戦略ゲームとしてしっかり作られたものになっています。アダルトゲームだと「アダルト部分がメインでゲームはおまけ」みたいなのも多いのですからね。Steamでもパズルにイラストを組み合わせただけの小遣い稼ぎのような「Hentai」ゲームが氾濫している状況ですし。

ゲームはマルチエンディング方式で、ゲーム中に主人公の取った行動によって善に傾いたり悪に傾いたりします。仲間にした女神を悪属性などにすることも可能です。女神は善悪でユニットとしての特性も変わってきますし、使えるスキルも違ってきます。戦闘にも影響してきますので、どうするかはよく考えたほうがいいかもしれません。

 

Steamでの評価

配信後のSteamでの評価は「非常に好評(95%、224人中)」となっています。海外での評判は良いようですね。

以下にユーザー評価での良かった点、悪かった点をまとめます。

良かった点

・ユニークなゲームプレイ。戦略ゲームとして面白い。

・イージーモードからハードモードまで、どんなプレイヤーでも楽しめるようになっている。

・リプレイ性が高く、100時間は遊べる。

・インターナショナル版により多くのコンテンツが追加された。

・アダルト部分には興味がないが、ゲーム部分は本当に楽しい。

・十分に練られたプロット。ストーリーが後付けで作られたものではない。

悪かった点

・UIが古くさくて貧弱。

・システムが煩雑で、直感的にプレイすることができない。習得までに時間がかかる。

・ゲーム中での説明が少ない。ゲーム外部で情報を得る必要がある。

全体的にはあまり不満がなく、おおむね好評です。作品のボリュームや戦略ゲームとしての面白さがとくに多く挙げられていました。

一方で、直感的にわかりづらいシステムや使いづらいUI、ゲーム中の説明不足に不満を漏らす声もありました。このあたりは自分で情報を収集したりするしかないかもしれません。

 

まとめ

本作はアダルトゲームですが、ゲームの部分がしっかり作り込まれた作品になっています。アダルト部分なしでも戦略ゲームとして十分に楽しめます。

またゲームのボリュームもあり、通常プレイでも数十時間はかかるでしょう。インターナショナル版でさらに多くの要素が追加されたために、やり込もうとするとかなりの時間が必要になるものと思われます。

不満点としては、システムが直感的にわかりづらい、UIが使いづらいといった点が指摘されています。このあたりは個人差もあるのでなんともいえないところですが、戦略ゲーム自体が苦手な人には厳しいかもしれません。

ちなみにSteam版は前述したように日本語音声のみで字幕サポートはありません。日本語のダウンロード版はDLSiteからの購入になります。Steamでも日本語サポートを入れてほしいところですが難しそうですね。