「Talisman」+拡張のレビューと感想・評価:ファンタジーボードゲームの古典作品
前回「Talisman: The Horus Heresy」について記事を書きましたが、そのもととなる「Talisman」についても紹介しておきます。
ファンタジーボードゲームの古典的作品で、SteamでもPC版「Talisman: Digital Edition」が販売されています。
実際のボードゲームのほうは昔よく遊んでいたのですが、準備がけっこう大変なので(とくに拡張もつけようものならかなり時間がかかるので)、いまはPCゲームオンリーになっています。
この記事ではPC版を例にして紹介していきます。
ゲームはこんな感じで、ボードは「①外周、②内周、③中央の王冠の間」の3つの領域に分かれています。
基本的には外周から始まります(キャラによっては内周から始まるのもいますが)。
プレイ人数は4~6人ぐらいですが、4人ぐらいがちょうどいいかと思います。
サイコロを振って好きな方向に移動し、止まったところでカードを引いてイベントをこなしていきます。敵が出てきたり、ショップだったり、能力が上がったりと、いろいろあって楽しいです。このゲームの肝の部分ですね。
ボードの四隅には村、街、教会、宿屋が設置されていて、ここで体力を回復したり武器などを買ったりができます。
ゲームの目的は中央の王冠の間にたどりつくことですが、途中に強い門番などがいるため、まず自分のキャラクターの能力を高めないとそもそもたどりつけません。
またハウスルールとしてゲームの終了条件を変えることもできます。
けっこう1ゲームが長いので、さくっと終わらせたいときはルールを変えるのがいいかと。
王冠の間に行くには、ゲームタイトルでもある「タリスマン(お守り)」が必要になります。
入手はけっこう簡単です。イベントカードからも出てくるので、開始1ターン目からタリスマンが手に入ったりもします。
アイテムが最初は4個までしか持てないので、序盤で取っても邪魔なだけなのですが。
使用できるキャラクターは実に多種多様。
拡張(PC版ではDLC)をつけていくことでさらに増やせます。
それぞれのキャラクターには近接攻撃(Strength)とサイキック攻撃(Craft)の2つのパラメータがあります。戦闘になるとサイコロを1個ふり、このうちのどちらかを足して攻撃力とします。
相手も同じことをして、数値が高いほうが勝ちという単純明快なシステム。
他のプレイヤーに襲い掛かって勝利することで、お金やアイテム、ライフを奪うこともできます。
このゲームには数多くの拡張が販売されています。
画像はSteamで販売されているDLCをすべて入れた状態です(リアルでこれを準備するのは本当に大変です)。
コアゲームだけだとすぐ物足りなくなるので、何か拡張は入れておいたほうがいいでしょう。
Steam版は今後もDLCの発売が継続されるので、欲しい人はシーズンパスを買ってしまったほうがいいと思います。
拡張はぜんぶを入れてやるよりかは、1~3個ぐらいを組み合わせてやったほうがいいかと。
拡張での個人的なおすすめの組み合わせは、街を拡張する「The City Expansion」、高原地帯を拡張する「The Highland Expansion」。
「The Highland Expansion」はお金稼ぎがしやすいので、これとショップが多くなる「The City Expansion」の相性はかなりいいです。
ついでに「お金を20集めて王冠の間に入れ」のクリア条件を設定しておくといいでしょう。
あといつまでたっても終わらないのを防ぐためにサドンデスルール(一定のターン数経過したら強制的に終了。そのときの持ち物や能力の合計で勝者を決める)も設定するといいかと。
「The Blood Moon Expansion」では朝と夜の概念が入ってきて、NPCとして狼男が登場します。
これには全員で協力するCOOPルールがありますが、PC版だと対戦のときと同じように相手の足をひっぱるような動きをCPUがするので、フレンドと遊んだほうがいいかと。
「Talisman」は古典的作品であるがゆえに調整ができないという問題も抱えています。
とくに別の場所に飛ばされるイベントが多く、これがゲームテンポを悪くしています。
なかなかゴールできず、「もう誰でもいいから上がってくれ」という空気になることがしょっちゅうでした(実体験)。
デジタル版のみでしたらユーザーの意見を取り入れて微調整みたいなこともできますが、リアルボードゲームが存在してしまっているため、それが困難になっています。
調整したらテンポいいゲームに早変わりするのですが、ここが本当にもったいないところです。
以前紹介した派生型である「Talisman: The Horus Heresy」はこのあたりの微調整がうまくできているため、1ゲームの時間が適切で、コアゲームだけでも楽しめます。
メーカー側としてはこのテンポの悪さの問題を、ゲーム終了条件のオプションを大量に設けることで対応しているようです。
コアルールではテンポが悪いと思ったら、さくっと終わる条件に変えるのがいいでしょう(PC版はそれをするためにDLCを買わなければいけないのですが)。
とにもかくにもファンタジーボードゲームの古典である本作は、がっつりとボードゲームがやりたいという人にはおすすめです。