日本でも石油大国になれる!地政学戦略ゲーム『Supreme Ruler 2020 Gold』攻略プレイレポート
『Supreme Ruler 2020』は、2020年の地球を舞台にした地政学ストラテジーゲームです。もうすぐ2020年なので、旧ブログ「マイナーな戦略ゲーム研究所」の2016年の記事をリライトしました。いつの間にかこんなにも時間が経っていたのですね。
本作はBattleGoat Studiosによって、2008年6月17日にSteamで配信されました。プレイヤーは好きな国の首相になって国を発展させることができます。
今回は日本を選び、資源大国をめざすプレイをしていきます。
そういう夢のあるゲームです。
これから遊ぶ初心者の方にもわかりやすい形でプレイレポートしていきたいと思います。
日本の資源状況を確認
日本はどこの国とも交戦状態になっていません。ゆっくり内政ができるため、初心者にはおすすめの国です。
ゲームを始めてまずしなければならないことは、自国の状況の確認です。
なにが強みなのか、なにが不足しているのかを理解しておき、足りないものをおぎなっていきましょう。
本作はデータが多いのでどこから手をつけていいのかわかりづらいと思いますが、まずは不足しているものの調査です。「production(生産)」を調べれば、何がたりないかがすぐにわかります。
画面左下を見ると、石油や石炭、ウラニウムなどが並んでいます。また画面右下には、国内で消費される資源が並んでいます。
それぞれのバーの見方ですが、青いバーが国内の供給量、赤いバーが需要です。いわゆる需要と供給の関係ですね。
当然、赤いバー(需要)が青いバー(供給)より多ければ、国内生産が需要に追いついていないことになります。
現実の世界で考えてみると、自国で生産できないものや足りないものは当面外国から輸入するしかありません。
しかし日本は石油をはじめとして、全体的に資源が不足しています。
現実の世界では、日本は原油のほぼすべてを海外からの輸入に頼っています。2018年の日本の原油輸入の88%以上は、中東からの輸入です。
とくにサウジアラビアからは年間6700万キロリットル以上もの原油を輸入しています。ここを押さえられてしまったら、日本の経済は壊滅するでしょう。
いっぽう日本国内の年間原油産出量は60万キロリットルほどしかありません。日本の一日の石油消費量がこれぐらいなので、1日で消費されてしまいます。
北海道や秋田県、新潟県に油田があります。本作においてもそれはシミュレートされているので、東北地方の油田を開発していきましょう。
東北地方の油田開発
石油を輸入にたよっていると、いくらお金があってもたりません。
なにかあったときのために、やはり自給自足の体制を整えておく必要があります。
そこで東北地方にある油田に施設を建て、石油を調達します。
東北地方には石油を産出する場所が多く存在します。ここに国家予算を投じて、どんどん施設を建てていきます。
数年たつと大油田地帯ができあがり、国内の石油需要量をまかなってしまえるレベルまで達します。
夢のあるゲームですから。
ウラニウムも石炭もたりないので、日本国内で採掘できる場所にどんどん鉱山をつくりましょう。
現実の日本でも、発電の30%以上は石炭にたよっています。中国やインドなどは70%が石炭による発電ですね。深刻な大気汚染の原因にもなっています。
世界トップの資源・技術大国をめざそう
資源の採掘と並行して、各分野の研究もおこないます。予算は十分にあるので、技術においても世界のトップをめざしていきましょう。
それから外交についてですが、とりあえずめぼしい国と自由貿易をやっておけば問題ないでしょう。自給自足体制をめざすので、外交はそこまで気にしなくても大丈夫です。
数年もすれば、ほぼ国内だけで資源をまかなえる状態になりました。食糧自足率や水も大きな問題はありません。
2018年の日本の食料自給率は37%ほどとされています。ただこれはカロリーベースで計算されているので注意が必要です。
一日に必要なカロリー量から、一日のカロリー供給量を割ったものです。生産量ではなく、カロリー量をベースとしているのです。
しかし廃棄された食料まで計算に含まれていたり、輸入した餌で育てられた牛や豚などはカロリー供給量に含まれていなかったりで、算出方法に問題があることが指摘されています。そもそも国際基準の計算の仕方ではありません。
生産額ベースで計算します。国内の生産額を消費額で割ったものですね。これで計算すると日本は66%になります。
しかし食料生産も原油が関わってきますから、資源がないことには変わりがありません。
ちなみにゲームでは石油が余ってしまい、輸出も可能になりました。
資源大国日本の誕生
石油産出量はイランを抜いてサウジアラビアに次ぐ世界3位になりました。それとこの世界でもアメリカは強いですね。
しかしこれだけ十分な資源があるのですから、もう資源のない国とはいわせません。
研究も並行して行ったので、研究レベルでは世界1位に達しました。技術大国日本です。
人口も1億4000万人間近です。現実の少子化とは逆行して、人口は増えています。
これだけ資源があって国内も安定していたら他国と戦争するメリットは皆無です。不要な兵器はどんどん削減していき、軍事費を浮かせましょう。
お金がたまったら国債を買い戻します。無借金国をめざしましょう。
朝鮮半島がきな臭いことになっていましたが、韓国が北朝鮮を消滅させて半島統一を果たしていました。朝鮮戦争の終結ですね。これで日本側への危機はなくなりました。
日本の敵国になりそうなロシアと中国ですが、両国とも自由貿易をむすんでうまくやっていっています。外交的脅威もとくにない状態になりました。
ただGDPが増えて、人口が増えれば、資源消費も当然増えてきます。
いま資源が十分でも、将来的にはどうなるかわかりません。つねに先を読んで施設投資をする必要があります。
ただ国内生産が多すぎて商品がダブつくと、価格下落で輸出で稼げなくなります。国際マーケットの販売価格が生産費を下回るからです。
「生産するより買ったほうが安い」という状況ですね。このあたりは調整が必要になります。
しかし日本はほぼ安泰になったので、このまま平和な国をめざしていきましょう。
総評
本作は以上のようにいろいろ突っ込みどころが多いのですが、国家経営の雰囲気を味わうにはいいゲームかと思います。
総評としては、やはりEU、HOIなどの他のパラドックスの人気ゲームシリーズとは違い、システムが洗練されていない感があります。
いじれる項目はたくさんあるのですが、無駄なものが多くて整理されていない印象があります。それがこのゲームをとっつきにくくしています。「とりあえずいろいろ詰め込んでみた」という感じです。
今回は触れませんでしたが、このゲームで一番(悪い意味で)複雑なのが戦争です。
戦争をするには大量のユニットをうごかさなければならないのですが、ユニットの種類が多く、その力関係が把握しづらい。
また兵器にミサイルを積み込むのもほぼ手動でやらなければならず、ミサイルの種類を間違えると敵を攻撃してくれません。
戦闘をAIにまかせてもいいのですが、基本的にAIは突っ込むことしか考えていないので、兵数に大きな差があるとき以外はやらないほうがいいでしょう。
いろいろな兵器があるというのは、好きな人にはたまらないでしょうが、やはり他のパラドックスゲームと比較すると「いろいろ種類をそろえました」という感じで、練りこまれていない印象を受けます。
基本的にこのゲームは戦争をするゲームではなく、あくまで国家繁栄のために何をするかを模索するゲームです。
戦争は極力せず、外交・内政ゲームとして楽しむのがいいのでしょう。
本シリーズにはWW2から未来までを一気に楽しめる「Supreme Ruler Ultimate」がSteamで配信されています。また最新作としてWW1を舞台にした「Supreme Ruler The Great War」も配信されていますので、好きな時代を楽しんでみるといいかと思います。