『トワイライト・ストラグル:紅海』レビュー・評価・感想ー短時間でプレイ可能なカードゲーム|Twilight Struggle: Red Sea
ボードゲームの「トワイライト・ストラグル」を短時間でプレイできようにした『トワイライト・ストラグル:紅海(Twilight Struggle: Red Sea)』。
デジタル版がPlaydekによって、2023年5月25日にSteamで配信されました。
今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。『トワイライト・ストラグル』自体は以下の記事を参照してください。
どんなゲーム?
基本ルールはおなじ
本作は人気ボードゲーム『トワイライト・ストラグル』を簡略化した作品です。
『トワイライト・ストラグル』はアメリカとソ連の冷戦を描いた作品で、プレイヤーはどちら側かの陣営を選択します。ゲームの舞台は世界全体になっており、両陣営は各地に自国の影響力を強めるように行動します。
影響力を強めるためには、手持ちのカードをつかうことで影響力ポイントを各地に置いていくことができます。
そして最終的に目標勝利点に到達した陣営の勝ちとなります。
宇宙開発レースや核戦争勃発のデフコンもおなじようにあります(後述しますが短くなっています。)。
そのあたりの基本ルールはおなじなので、オリジナルのほうをプレイしたことがあればすぐに遊べるとは思います。ルールを知らない方は、先ほど紹介した『トワイライト・ストラグル』の記事を読めばいいでしょう。
ただ本作では、地域や時代を簡略化しています。
限定された地域での戦い
どれぐらい簡略化されているかといえば、まずマップが限定されています。オリジナルは前述のとおり世界地図でしたが、本作だと中東とアフリカの一部だけです。上の画像でマップ全部ですね。

地域として見れば「アフリカ」「中東」の2つしかないことになります。地域ごとの支配数に応じて、勝利点をもらうことができるというのは同じですね。

オリジナルのほうだと地域がたくさんあるので、ヨーロッパなど勝てない地域はあえて捨てて、他の地域に力を入れるということができましたが、本作だと2つしかないので、どっちも取るぐらいの気持ちでやらないといけなくなり、プレイヤーどうしの緊張感が高まります。
時代や宇宙開発・デフコンも短縮
オリジナルのほうでは配られる110枚のカードが「序盤戦(EARLY WAR)」「中盤戦(MID WAR)」「終盤戦(LATE WAR)」に分けられていました。
本作でもおなじようにカードを時代別に分けますが、「序盤戦」が省略され、「中盤戦」「終盤戦」だけになりました。

「宇宙開発レース」の進捗も4コマだけに省略されています。オリジナルは9マスありましたので半分以下になっていますね。

3コマ目に先に到達すれば2VP(勝利点)、4コマ目が3VPがもらえます。トップを走り続ければこれで5VP稼げますね。OPSコストも安く、ダイスの成功ロール値もオリジナルより高めなので、積極的に狙っていってもいいでしょう。
それと核戦争発生のデフコンですが、オリジナルは5スタートでしたが、本作は4スタートになっています。
総評
地域や時代、宇宙開発レースなどが短縮されたこと以外は、基本的には『トワイライト・ストラグル』とルールはおなじです。
オリジナルのほうのルールがわかれば、いきなり遊ぶことができるでしょう。
しかし短縮されたことにより、基本的にはだらだらプレイだったオリジナルに比べて、かなり緊張感が増しました。
「この地域もういいや」みたいな投げやり感がなくなりましたね。

あと現物のボードゲームのほうも何度かプレイしていますが、だいたい中盤戦あたりで勝負がつくので、本作のように2ラウンド制のほうが合理的とは思いました。
それとデジタル版のほうは、地域が限定されているせいか、CPUも前作と比べて強いです。
『トワイライト・ストラグル』をすでにプレイしていて、ちょっと長いなと感じる方は本作をプレイしてみるといいとは思います。