『Dragon Fin Soup』レビューと感想・評価:クラフト要素を盛り込んだローグライク|日本語化可能
シレンにマイクラのようなクラフト要素をもりこんだローグライク『Dragon Fin Soup』。Grimm Bros, LLCによって、2015年11月4日にSteamで配信されました。日本語に対応しています。
ゲームシステム自体はシレンで、キャラクターやグラフィックも日本人受けする感じですね。
今回は本作のレビューと感想・評価をお届けします。
どんなゲーム?
本作はターンベースの、ダンジョンクロール型RPGにローグライク要素をプラスしたゲームです。
内容的には『トルネコの大冒険』や『風来のシレン』といった「不思議なダンジョン」シリーズのシステムを踏襲しています。
ゲームの流れとしては、「村でクエストを受ける」→「ダンジョン探索」の繰り返しになります。
「不思議なダンジョン」シリーズとの大きな違いは、やはりそのパラメータの細かさでしょう。かなり詳細な設定になっており、『Elona』などに近いかもしれません。
またクラフトができることも大きな違いとして挙げられます。クラフトできるものの種類は豊富なのですが、レシピをさがすのがちょっと面倒です。
さらにレシピが数百種類もあり、これらがランダムに出てくるため(レシピが被っても出てくる)、いつまでたっても良いものが引けないという状態になってしまいます。
開発者としてはゲームのボリュームを出してユーザーを楽しませようとしているのでしょうけど、ユーザー側からすれば「なにが出てくるかわからないレシピを引き続ける作業」になってしまいます。
しかも素材の量が多い。というか多すぎるレベルで、管理するのも煩わしいといった状態です。
『マインクラフト』も素材はたくさんありますが、素材自体は入手方法が決まっています。しかし本作はそのあたりまでランダムなので、そろえるのが本当に大変です。
「データが細かいほうがいい」というユーザーもいるので、このあたりは主観的な問題とは思います。賛否両論分かれそうな部分ですね。
またゲーム自体のボリュームも多く、まともに遊ぶと数十時間はかかるものです。
モードにはストーリー以外に、「死んだら終わり」のサバイバルモード(要は普通のローグライク)もあります。「ローグライクが好き」というユーザーは、ストーリーよりもサバイバルを遊んだほうがいいかもしれませんね。
サクッとしたゲームを遊びたい人には厳しいかもしれませんが、じっくりローグライクを遊びたい人にはいい作品かと思います。
ユーザーの評価
本作のSteamでの評価ですが、「賛否両論(60%、138人中)」になっています。
本作の良かった点・悪かった点については以下のとおりです。
・キャラクターやアートスタイルが良い。
・BGMが素晴らしい。
・ストーリーモードはRPG寄りで、パーマネントデス(永遠の死)はないのでプレイしやすい。
・キーボードやパッドだけでなく、タッチパネルにまで対応している操作デバイスの多様さ。
・とにかく画面が見づらいし、UIが使いづらい。ごちゃごちゃしすぎ。
・基本的にレベルを上げて物理で殴るゲーム。ローグライクなのかハクスラなのか中途半端な感じ。
・レベルが上がったところで敵も強くなるため、RPG的な爽快感も薄い。
・レシピや素材が豊富過ぎるため、いろいろ作れるようで何も作れない。
日本人受けするキャラクターの可愛さなどに好評が集まっている一方、ゲームシステムに関しては厳しい意見が見られました。
それとレシピや素材が豊富なのはいいですが、豊富過ぎてけっきょく集めることが困難になり、なにも作れないといった本末転倒な事態が発生するのも大きな問題ですね。
総評
とにかくいろいろ惜しいゲームです。
アートスタイルは本当によく、これだけでユーザーを集めることはできるでしょう。
しかし肝心のゲームシステムがまとまっておらず、開発者がやりたいことをぜんぶ盛り込んでみたという感じになっています。
そのため、「『マインクラフト』のようにレシピや素材の多いゲームにしよう」とした結果、そのレシピや素材が多すぎて集められず、なにも作ることができないという逆の結果になってしまっています。
Steam評価はあまりよろしくないことのもう一つの原因として、ゲーム後半でフリーズやらバグやらが多発することも挙げられていました。
ゲーム前半は悪くないのですが、プレイを続けるほど不満点が出てきてしまうため、とにかく「惜しい」作品といえるでしょう。
もし続編が出るならば、システムを整理すれば名作になりそうなポテンシャルはあると思います。