『Magnifico(マニフィーコ)』ルールやレビュー:ダ・ヴィンチの発明品+地域戦略のボードゲーム

2020年6月4日ボードゲーム評価

20160625184424_1

地域戦略型のボードゲーム『Magnifico(マニフィーコ)』のレビューと感想・評価をお届けします。

本レビューに用いるのはSteamのデジタル版です。Mixelが開発し、Slitherine Ltd.によって2014年12月3日に配信されました。

ちなみにタイトルの「Magnifico」は「成功者」の意味です。

 

ゲームの内容

本作はレオナルド・ ダ・ヴィンチの発明品を駆使し、兵などを整えて地域を占領していくといったコンセプトのボードゲームです。

プレイ感覚としては『Risk』というボードゲームを進化させたような内容ですね。『Risk』は多くの地域戦略型ゲームのベースシステムにもなっています。

プレイ人数ですが3~4人です。多くの地域を占領し、勝利点に到達すれば勝ち。勝利点は「30点、40点、50点」の3種類から選ぶことができます。

 

まずは拠点選びから

3人プレイでスタートさせました。ゲームの大まかな流れとルールを説明していきます。

20160625183250_1ゲーム開始時に各プレイヤーは、拠点になる場所を1か所、自由に選ぶことができます。

ただし他のプレイヤーと隣接する場所に配置することはできません

先手が有利ニャ。

そうですね。良い位置を取られると、その周辺にも置くことができなくなります。

対戦相手はイタリアとドイツあたりを拠点に選びました。筆者はスペインあたりに拠点を取ります。

拠点からは毎ターン、拠点に書かれている金額と兵数が入ってきます。

スタート時に取った拠点からは、毎ターン金30と兵1が入ります。

 

オークションフェーズ

20160625185144_1拠点選びが終わったら、次はオークションをおこないます。ここでダ・ヴィンチの発明品を購入します。

ランダムで2枚のカード(ダ・ヴィンチの発明品)が選出されます。それに対して、プレイヤーは好きな金額を提示します。カードにはゲームを有利に進めるための特殊効果があります。

プレイヤー全員の金額をオープンしたのち、一番高い金額を提示した人からカードを選ぶことができます。

2枚しかなかったら、3人で遊んだら1人もらえないニャ。

そうならないように適切な金額を提示しましょう。

ただ、オークションでお金を使いすぎると、あとでお金を使うときになにもできなくなるということにもなりかねません。カードが不要なら、あえて参加しないという判断をする必要もあるでしょう。

それとオークションに勝った時点で勝利点2点をもらうことができ、さらに建設コストも10安くなります(建設については後述)。

20160625185107_1オークションで得られるカードですが、「ユニットの攻撃力を2倍にする」など、戦闘を有利にする効果があります。

自分の戦略に適するものを選んでいきましょう。

それと手に入れたカードはアクティベートしないと効果を発揮しないので(ここ重要)、戦闘につかうばあいは忘れないようにしましょう。

持ってるだけでは効果は発揮されないニャ。

 

戦略フェーズ

20160625184424_1オークションが終わると戦略フェイズが始まります。オークションに勝った順番でプレイします。そのため、オークションで勝つということはメリットが多いのです。ただしお金を消費しますので、大金を使って無理に勝ちにいってもあとあと困るだけです。

バランスの問題ニャ。

戦略フェーズでできることは以下の通りです。

移動:ユニットを移動させる。3回まで。

建設:金を払って戦車・飛行機の製造、城の強化ができる。

攻撃:敵の支配地域に攻め込む。金50必要。3回まで。

侵略:無支配地域に攻め込む。金10必要。3回まで。

まずはやはりまわりの地域を可能なかぎりとっていくのがいいです。占領地が増えれば毎ターンの収入も増えるからです。

収入が多ければ、できることの幅も広がります。地域によって産出される金や兵の数は違いますので、多いところを押さえていきましょう。

攻略法としては、金が多いところよりも兵が多い地域を優先的に選んだほうがあとあと有利になります。

兵さえ多ければ、地域はあとでいくらでも奪えます。

逆にお金がたくさんあっても、領土を守れなければ意味がありません。いずれ敵に取られてしまうだけです。

 

戦闘フェーズ

20160625185636_1やがてとれる地域がなくなると、必然的に敵の領土を奪わなければならなくなります。ここで戦闘が発生します。

戦闘につかわれるユニットは兵士、戦車、飛行機の3種類です。

兵士は毎ターン自動で増えますが、戦車と飛行機は金50を払って建設する必要があります。しかしお金がかかるだけあって、強力な兵器です。

20160625193906_1戦闘では、兵士の数だけサイコロを振り、攻撃成功が出た数だけ敵兵を減らすことができます。

このあたりは前述した『Risk』というボードゲームとだいたい一緒のルールですね。

戦闘時にオークションで入手したカードをつかうことで、「攻撃成功1につき敵を2減らせる」などのボーナス効果が得ることができます。

守備側ですが、前もって建設で城を堅固にすることにより、防御力を得ることができます。飛行機はこの防御効果を無視できます。

城壁を無視して空中からの攻撃ニャ。

全員の行動が終わればまたオークションフェーズに戻ります。

このようにターンを繰り返し、目的の勝利点に誰かが到達すればゲーム終了です。

20160625201709_1AI相手の試合には勝利しました。さきほども書いたように、基本的には兵士の多い地域をとっていくのが重要です。

 

まとめ

本作はオークションシステムなど『RISK』にない読み合いの要素を含めており、多人数プレイに適したゲームになっています。できれば4人で遊ぶのがいいでしょう。

Steamのデジタル版ですが、欠点は一人用しかないことです。AIとしか遊べません。

オンライン・オフラインともにみんなで遊ぶことはできません。

思ったより致命的ニャ。

ただ値段も安いので、じっさいのボードゲームを遊ぶ前にどんなゲームかためしてみたい人にはいいかと思います。

あとSteam版はヨーロッパ以外にもアジアやアメリカなどのマップも用意されています。マルチプレイがないのが本当に惜しいです。

短時間で遊べる戦略ゲームなので、実物のボードゲームを買ってみんなでわいわいやるほうがいいかと思います。

さいわい日本語版も存在するので、Steam版が気に入ったら実物をトライしてみるのもいいかもしれません。