『サガ スカーレット グレイス 緋色の野望』レビュー・評価・感想ー人を選ぶ癖の強いRPG【Steam】
2016年にリリースされたオリジナル版から改良を加えたRPG『サガ スカーレット グレイス 緋色の野望』。
スクウェア・エニックスによって、2018年8月2日にSteamで配信されました。

ゲームシステムもかなり癖が強いですね。
今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。
どんなゲーム?
落ち物パズルゲームのような「連撃」システム
本作は2016年にPS VItaでリリースされた作品のバージョンアップ版になります。
本作は戦闘がかなり独特で、行動準を記したタイムラインをつかったパズルゲーム『ぷよぷよ』のような連鎖が重要になってきます。

本作は5人でパーティを組んで戦います。
たとえば、〇=味方、●=敵だとして、行動順が、
〇〇●〇〇●〇
の場合(味方5人、敵2体)、3番目に行動する敵を倒すと、タイムラインは、
〇〇〇〇●〇
となります。つまり敵が抜けたことによって、味方がつながったのですね。
そうなると「連撃」が発生し、つながった仲間たちで追加攻撃をおこないます。

並び方によっては、敵の攻撃を遅らせるなどして、うまくつながるような配置にするといいでしょう。
敵を倒すだけでなく、仲間が倒されても「連撃」が起こります。場合によっては味方を犠牲にすることもありますね。
もちろん「連撃」は敵もつかってきます。
そのため、下手に敵を倒すと「連撃」状態になったりする場合もあるので、注意したほうがいいでしょう。

BPを振り分けて攻撃
本作は味方全員が行動できるわけでなく、ターン開始時のBPを味方に割り振って行動させます(BPは毎ターン1ずつ増えていく)。
強力な技は消費BPも大きいので、誰か一人に強力な技を繰り出させるか、普通の技をみんなで繰り出していくかなど、戦術を考える必要があります。

「連撃」が決まると、次のターンで「連撃」をした仲間の消費BPが下がります。これもうまくつかっていきましょう。
敵はけっこう強い
独特な戦闘システムのうえに、敵はけっこう強いです。
一撃が重く、ワンパンで撃沈されたり、そこからさらに「連撃」されたりなど、やりたい放題やってきます。
毒や眠りなどの状態異常や、カウンター攻撃をかましてくることもあり、ちゃんと考えて戦わないとあっという間に全滅します。
しかも戦闘中では回復手段がほとんどありません。毎回ぎりぎりの戦いをせまられることになります。

死ぬとLPが1減るというペナルティがあり、これを回復させるには控えキャラで2戦闘待機させておく必要があります。やられたら控えキャラとちょこちょこ変えていってLPを回復させましょう。
それとバトル回数ほど、敵は強くなっていきます。
ただ二度目以降のフリーバトルだと敵の強さが上昇しにくいので、これをうまくつかっていくのがいいでしょう。
ただ敵が強いと、こちらの能力も上昇しやすいので、悩みどころですね。
ストーリーは淡白
本作は戦闘が9割といっていいぐらい、ゲーム内容が戦闘に極振りされています。
一方で、ストーリーのほうはかなり淡白で、テキスト自体もそんなに多くありません。
筆者はRPGでストーリーを読むのを面倒だと感じるほうなので、これはこれでよかったと思います。
そのぶん、ゲーム展開もサクサク進んでいきます。
途中でいろいろ選択肢があるのも「サガ」シリーズといった感じですね。エンディングもマルチエンディングになっています。
武器・防具は強化するもの
本作の武器・防具は店で買うものではなく、すでに持っているものを素材をつかって強化していきます。
単に素材を必要数集めるだけなので、システム的には簡単ですね。
ただ仲間の人数が増えていくと、それに合わせて武器・防具をどうするかの管理がだんだんと面倒になってきます。
メインのチームをつくって、そこに強い装備を集中させるというのも手ですが、どうしても仲間の入れ替えをしなければならない場面は多いので、そのたびに装備を付けたり外したりは面倒です。
筆者としては、面倒なので付け替えをしないでプレイしていました。
仲間の構成を考えるのが楽しい
仲間ごとに特徴があるので、いかに強い(効率的な)5人チームをつくるかを考えるのが楽しいです。
ブロック役の2人はだれがいいかとか、アタッカーはだれにするかなど、いろいろと構成を考えておくといいでしょう。
細かいルールはゲーム本編ではあまり語られないので、攻略wikiなどを見て知識を補強しておくことも重要です。
とにかく知識ゲームになります。
人によっては飽きやすい
基本的に戦闘がメインなので、戦闘ばかり繰り返すのが苦手という人は途中で飽きるとは思います。
なんだかんだで作業ゲームですし、最後までクリアするには相応の根気が必要になります。
バトルも一戦一戦考えながらやらなければならないので、非常に時間がかかります。
このあたりが受け付けられるかどうかで評価が変わってくるでしょう。
総評
戦闘システムは独特ですし、覚えることもけっこうあるので、だれにでもすすめられるゲームでないことは間違いありません。

いわゆる「攻撃ボタンをポチポチ」みたいなJRPGを期待すると、完全に別物が出てくるわけです。
一回の戦闘が長いですし、その長い戦闘が何連続もあったりなどしますので、根気がないと続けられませんね。
しかしこれらを乗り越えて、面白さがわかってくると中毒性の高いゲームに変わります。

万人にはすすめづらいけど、ハマる人はハマる作品ですね。