『DEFCON(デフコン)』核を撃ちあう禁断の戦略ゲーム:遊び方とレビュー、感想・評価について【Steam版】
冷戦時の緊張下での世界情勢を舞台に、核を撃ちあう戦略ゲーム『DEFCON(デフコン)』をお届けします。
本作はIntroversion Softwareによって、2006年9月29日にSteamで配信されました。
1983年に「ウォーゲーム」という映画がリリースされました。クラッキングが得意な男子高校生が、ネット上で核戦争ゲームを見つけてプレイ。しかしそれは本当に軍の核戦争シミュレータであり、起動させたことによってアメリカとソ連の全面核戦争直前にまで発展してしまうといった内容です。有名な映画なのでご存知の方も多いとは思います。
本作は映画「ウォーゲーム」インスパイアされて開発されたゲームです。
プレイヤーは地下シェルタに身を隠した将軍となり、時間制限内にICBMなどで核を撃ち合って相手国の人口をどれだけ減らすかというのが目的のゲームです。
日本語がサポートされていない作品ですが、テキスト自体は少ないので、遊び方がわかればプレイできるかと思います。
今回は本作のプレイ方法とレビュー、感想や評価について書いていきます。
開戦準備時間
本作のゲームのルール自体は単純明快で、さきほども述べたように相手国の人口をどれだけ減らせるかです。
まずDEFCONというものを説明しておきますと、「Defense Readiness Condition」を略したもので、「防衛準備状況」の意味です。アメリカ国防総省の、戦争への準備状況をあらわしています。
DEFCONは「平時」の5から始まり、数字が減るにしたがって戦争への体制へと移行していきます。
1になるとアメリカが攻撃を受けている状態となり、核兵器の使用が許可されます。
DEFCON5:平時。普段はこの状態。
DEFCON4:情報収集の強化。冷戦時はこの状態。
DEFCON3:戦争への用意態勢。通信が機密化される。交戦可能。
DEFCON2:戦争への高度な準備態勢。
DEFCON1:戦争状態。核兵器の使用許可。
キューバ危機のときにDEFCON2まで進みました。核戦争一歩手前でしたね。
本作ですが、スタートと同時に、時間とともにDEFCONが減っていきます。
まだ戦争はできませんので、プレイヤーはこの猶予時間のあいだに準備を整えなければなりません。
戦争開始準備
まずしなければならないことは。自分の持っているサイロやレーダ、空軍基地、海軍ユニットを配置することです。
ありません。最初から持っているユニットを配置するだけです。
このあたりの単純さはボードゲームっぽいですね。そのため対戦に適したゲームといえます。
DEFCON3になると敵ユニットへの攻撃が可能になり、DEFCON1になると核が発射できます。
そのためDEFCON3の時点で小競り合いが始まります。
つぎにそれぞれのユニットを見ていきましょう。
陸上ユニットの種類
陸ユニットはレーダ、サイロ、空軍基地の3種類です。プレイヤーは緑色、敵は赤色で表示されます。
レーダは見ればわかる形です。監視カメラみたいなのがサイロ。マッチ棒が立ってるようなのが空軍基地です。
すべて固定なので、一度配置したら動かせません。よく考えて配置しましょう。
あとひし形が都市です。ここに核を撃ち込めば敵の人口を減らせます。
それぞれのユニットの役割は以下のとおりです。
レーダ
配置するとその周囲の状況を把握することができます。
敵陣の近くに配置して敵の配置を探ったり、飛んできた敵ミサイルの把握などにつかいます。
これがないと迎撃もなにもできないので、効率よく配置しましょう。
サイロ
2種類のモードがあり、任意に切り替えることができます。
一つは対空モード。範囲内にとんできた敵のミサイルなどを迎撃してくれます。防衛用のモードですね。
もう一つはICBMモード。核ミサイルを敵に撃ちこむためのもの。攻撃用のモードです。
サイロはどちらか一方のモードしか使えません。
たとえばICBMモードにすると対空モードが解除されるので敵の攻撃に対して無防備になります。
切り替え時には一定時間かかるので、攻撃するのか防衛するのか考え、うまくつかいわけてください。
空軍基地
空軍基地には、戦闘機と爆撃機が配備されます。
戦闘機は敵の迎撃と偵察をおこないます。防衛用ユニットですね。飛行距離は短いので、配置は考えないといけません。
爆撃機は核を落とします。攻撃用ユニットです。
海軍ユニットの種類
海軍は戦艦、空母、潜水艦の3種類です。
1部隊は6隻の海軍ユニットで構成されています。
海上を移動することができるので、陸ユニットでは届かない位置の都市を攻撃するのにつかいます。
戦艦
敵への迎撃能力が高いユニット。おもに防衛目的でつかいます。
とくに敵の空母などを自陣に近づけないようにするため、進路を予測して配置しておきましょう。
地味に重要なユニットです。
空母
「動く空軍基地」と考えてください。
戦闘機と爆撃機を搭載し、発進させることができます。
また潜水艦に対する探知能力もあります。攻撃と防御を担うユニットです。
潜水艦
動くサイロ。潜水艦は敵から見られずに行動することができます。
また核ミサイルをとばすことも可能。攻撃目的のユニットです。
「いつの間にか自国のそばまで近づかれた」という事態にならないよう、空母をうまく配置して捕捉しましょう。
ゲームの流れ
DEFCON3になると、海軍や空軍どうしの衝突が起こります。核を撃ちこむための有利なポジションを取りましょう。
本作では生産ができないので、ユニットは重要です。まだ準備段階ですので、数を減らさないように注意しましょう。
DEFCON1になると、核ミサイルを撃ち合うことになります。ここからがゲームの本編ですね。
基本的には相手のサイロやレーダ、空軍基地を壊して無力化したのちに、都市へ核を撃ちこむ形になります。
防衛状態のサイロがあると、普通に核を撃っても迎撃されるだけです。
サイロをこわすときは数か所から核攻撃をしかけ、相手の対空がまにあわない ようにします。いわゆる飽和攻撃ですね。
核ミサイルは有限なので、無駄撃ちはせずに、どうつかうかの配分を考えましょう。
あとはタイムアップまでひたすら核で敵の都市を攻撃し、相手の人口を多く減らしたほうの勝ち。
筆者の実際のプレイ画面です。東京に核攻撃。「TOKYO HIT 7.8M DEAD(東京に直撃。780万人死亡)」と淡々と出てくるメッセージが怖いです。
タイムアップになり、ぎりぎり勝利しました。
まとめ
本作はユニット生産などもなく、持っているユニットを配置して使うだけなので、ルールはボードゲームのように単純明快です。
オンライン対戦も可能で、短時間で楽しめるつくりになっています(ゲームとしては)。
2人用対戦ゲームとしてはよくできた作品といえるでしょう。
寂しげなBGM、そして「このゲームに勝者はいない」という開発側のメッセージ。いろいろと考えさせられるゲームでもありました。
逆に冷戦ボードゲーム『トワイライト・ストラグル』は、核戦争を引き起こしたほうが負けというゲームです。Steamでもデジタル版が配信されていますので、興味のある方はプレイしてみてください。