『Realpolitiks』レビューと感想・評価:近未来を舞台にしたリアルタイム地政学ストラテジー
2020年以降の世界各国の地政学を楽しめるリアルタイムストラテジーゲーム『Realpolitiks』。Jujubee S.A.が開発し、1C Entertainmentによって2017年2月17日にSteamで配信されました。
ストラテジーゲームというと第二次世界大戦など過去をあつかったものが多いと思いますが、本作では現代を舞台にしています。
本ブログで『Supreme Ruler 2020 Gold』の攻略プレイレポートをおこないましたが、本作も系統としてはその作品に近いものがあります。ただ「Supreme Ruler」シリーズのような煩雑さはありません。
今回は本作についてのレビューや感想、評価をお届けします。
ゲームの内容について
ゲームの内容ですが、プレイヤーは好きな国をえらび、自国の経済や軍事力を育て、世界に名だたる大国に発展させることが目的です。
ゲーム画面は、ぱっと見はHOIのようですが、HOIにくらべると戦闘などはかなり単純化されて遊びやすくなっています。このあたりが「Supreme Ruler」シリーズとの大きな違いです。
チュートリアルがかなりしっかりしているので、まずはここからプレイするといいでしょう。
チュートリアルでの担当国家はポーランドになります。隣国のチェコとの関係をよくしていきましょう。
チェコの国家体制は民主主義(democracy)、ポーランドは独裁主義(authoritarianism)です。
主義がちがうと外交的にちょっとやっかいなのですが、とりあえずは関係改善をすすめます。
チェコの上で右クリックをし、外交アイコンをクリックしたあとに関係改善を選べばOKです。コマンド実行には金のほかにAP(Action point)も必要になります。
関係改善で友好度があがったら、連合(bloc)を組みましょう。それから連合内での「移動の自由」をもうしこみます。
相手がじゅうぶん油断したところで、こんどはスパイを送りこみます。
じっさいの世界政治もこのようなものです。国どうしの友好関係というのは、あくまで自国に利があるからなのです。それが「Realpolitiks(現実政治)」なのです。ゲームのタイトルどおりですね。
スパイを送ったあとは、チェコの政権をこちらの体制に近くなるように工作します。これで友好関係を確固たるものにすることができます。
もう一つの隣国であるウクライナにもスパイを送ります。こちらのほうは、評判を落とすように工作します。こうすることでウクライナの国際関係を悪化させることができます。
株式市場を作ろう
外交のつぎは経済です。
ポーランドには株式市場がないので、まずはそれをつくりましょう。プロジェクトツリーからローカルの株式市場のプロジェクトをえらびます。
画像はプロジェクトツリーです。Civシリーズなどの技術ツリーとおなじ感じですが、これはプロジェクトなので、取り消すということもできます。
プロジェクトにはメリット・デメリットがあり、他のゲームの技術ツリーのように「なんでも開発しておけ」というわけにはいきません。状況を考えてえらびましょう。
株式市場が完成したら、最大3つの他国を市場に参入させることができます。ここは友好国のチェコを参入させましょう。
軍事政策について
軍事力も強化しましょう。ユニットの種類は5つ(歩兵、戦車、航空機、輸送船、戦艦)と、すっきりまとまっていてわかりやすくなっています。
それとこのゲームはHOIなどとちがって、ユニットをどこに配置するというのはありません。戦争はどこにどれだけ送りこむかを決定すればいいだけですので、非常に楽です。
スロバキアに宣戦布告して戦争をしかけます。
戦争するたびに好戦度が増えるのは、他のストラテジーゲームといっしょです。
歩兵、戦車、航空機をどれだけ送りこむか決めたら戦闘開始です。RPGのコマンドバトルのように、作戦行動を選んで達成すれば戦勝点があがっていきます。
戦勝点のパーセンテージによって和平交渉を有利に進めることができるのは、パラドックス系のゲームとおなじですね。
戦勝点が100%になったので、領土を要求します。
この手のゲームではおなじみの核開発もおこなえます。プロジェクトツリーから核爆弾の開発をえらんで実行します。
しかし直後に反核過激派の暴動が発生しました。やっぱり火炎瓶なのですね。
気にせず核弾頭の購入も強硬します。
世界の核兵器保有数ですが、ポーランドもランクに食いこみました。
スウェーデンがフィンランドに軍事行動を起こして領土をうばったので、国連にその件を提出して非難声明を出します。
「Realpolitiks(現実政治)」ですからね。
非難決議は賛成国多数で採決されました。これでスウェーデン攻撃の正当性を得ます。開戦理由ができましたね。
スウェーデンは海のむこうなので、今回の戦闘には輸送船と戦艦も必要です。
宣戦布告して攻撃をしかけ、コマンドバトル中に核兵器を発射。人口とGDPにダメージをあたえました。
核兵器にはクールダウンの時間があるので、連続発射はできません。
スウェーデンに勝利したのちは、フィンランドからうばった土地を返還させます。これで世界平和は守られました。
他のシナリオについて
222年シナリオの日本ですが、Hokkaido、Gozillian、Animelandの3国に分裂しています。海外の人にとっては、日本はゴジラとアニメと北海道でできているのでしょう。
あと朝鮮半島が北朝鮮によって統一されていて、国名が「Dreamland(夢の国)」になっています。
それと中国は、台湾が侵攻して南部を占領し、南北での対立といった形になっています。本作を中国で発売するのは無理そうですね。
ちなみにロード画面がこんな感じの、ゲームをプレイしている人たちの絵ばかりなのが特徴的です。
総評
ユニットの移動や配置など細かい操作がほぼ不要で、国家運営に集中できるシステムはなかなかいいと思いました。
HOIを遊んでいて、ユニット操作がめんどくさいという人にはいいゲームかと思います。
システムもまとまっていて遊びやすいし、チュートリアルも充実しているので、この手のが好きな人は遊んでみてもいいのではないかと思います。とくに現代が舞台のストラテジーゲームは案外少ないですしね。
↓続編『Realpolitiks II』レビュー。