『トワイライト・ストラグル(twilight struggle)』攻略法:序盤のソ連側の戦略についての考察

2020年5月25日ボードゲームトワイライト・ストラグル

このゲームは、基本的には前半ソ連、後半アメリカ有利に作られています。
何が有利かというと、ソ連イベントカードがアメリカに比べて強いからです。
それに枚数もアメリカより1枚多い。
あと中国カードを最初から持っています。
それにアクションラウンドでつねに先に行動できます。

基本的にソ連側は、序盤は強気でどんどん攻め、点差を大きく広げることを意識しましょう。
できれば中盤ぐらいに20点差をつけてゲーム終了にするのが理想的。

1、初期配置

鉄板的な置き方のあるアメリカ側と違い、ソ連側の初期配置は頭を悩ませます。
すでに東ドイツには3が置かれて支配状態になっているので、残っている係争地はポーランドだけ。
とりあえずポーランドに3は当然として、あとの3をどこに配置するかが問題です。

防御力を高めたければ東ドイツに1おき、ポーランドには4、あとの1はオーストリアやユーゴスラビアに残りを置いて西欧をうかがう。
オーストリアは支配に影響力4必要なので、支配を早めたいならユーゴスラビアのほうがいいでしょう。
PC版でのCPUの初期配置ではユーゴスラビアに1を置いています。

攻撃的に行きたければ、残りの3をすべてユーゴスラビアにおいて支配してしまうのもいい。
このあたりは自分の戦略スタイルで個性の出るところです。

2、ゲームがはじまったら

序盤(1~3ターン)での地域カードは、欧州、中東、アジアの三枚。
ここを重点的に攻めていきます。
地域別の攻略法を示します。どの地域から攻めるかはゲーム状況で判断。

(欧州)
実のところ、欧州でのソ連はそれほど有利ではありません。
なぜなら西欧の係争地は3つ、東欧の係争地は2つで、下手すれば有利状態(Dominance)の判定をアメリカ側にとられてしまう可能性もあります
有利状態の条件は、

1、相手より係争地が多い
2、相手より支配している国の数が多い(非係争地・係争地をすべて含めて)

の2つを満たさなければなりません。
アメリカ側が欧州の3つの係争地をがっちりと守っているのなら、非係争地をとって支配国数に差をつけられないように注意しましょう。
支配国数さえ抜かれなければ、スコア判定のときには-1点程度ですみます。

またソ連にはド・ゴール首相のイベントカード(フランスでのアメリカの影響力-2、ソ連+1)がありますので、うまくやればフランス支配も可能かもしれません。
ただアメリカ側は西欧3係争地を死守してくる可能性が高いため、支配国数に差をつけられないことを最優先にして、非係争地をとっていきましょう

(中東)
ソ連は初期配置でイスラエル、エジプト、リビア側に足がかり(影響力)がありません。
そのため、ここを連鎖的にアメリカにとられてしまう可能性が高い。
とくに開幕と同時にリビアをめざす可能性はひじょうに高い。
ただソ連側には中東戦争カード(イスラエルのアメリカの影響力をソ連に置き換える)やナセル大統領カード(エジプトに影響力2を置き、アメリカは支配力半分)など、かなり強力なカードがあるので、これをうまくつかって中東での有利状態を保ちましょう。

(アジア)
アジアではすでに北朝鮮を支配下においており、韓国支配のために朝鮮戦争のカードもあるので、この2国は問題なく支配状態にできるでしょう。

問題は東南アジア唯一の係争地、タイ

これはアメリカ側からの足がかりしかないので、アメリカにとられてしまう可能性はかなり高い。
ベトナム蜂起のカードがあればベトナムに影響力2を置けるので、それを足がかりにしてタイをとりましょう。

それと係争地のパキスタン、インドよりも、非係争地のアフガニスタンを先に支配状態にしておくことが重要。
なぜならアフガニスタンはソ連に隣接した国なので、ここをアメリカにとられるとスコア計算のときにアメリカに+1点入ることになります。
パキスタン、インドは印パ戦争のカードで簡単に支配がひっくりかえされるので、それほど重視しなくていいです。
また印パをとるなら、印パカード消費後に一気にどっちもとってしまいましょう。

アメリカ側はソ連の支配状態を回避するために東南アジアの非係争地をとってくるでしょうから、こちらも支配国数で有利をつけられないように気をつけましょう。

3、序盤プレイ中に注意すること

アメリカ側のイベントカードがあれば、できるだけイベントを発生させて消費させましょう。
とくに安保カードなどは後半に残されるとやっかいなので、手元にきたらさっさとイベント発動で消費してしまいましょう。
アメリカ側のイベントはそれほど強力なものはないので、どんどんイベント発生させても問題ありません。

あと欧州はアメリカ有利の展開になる可能性もあるので、とにかく支配状態にされないことが重要。
非係争地も積極的にとっていって、支配国数で抜かれないようにしましょう。
宇宙開発も忘れずに。

またソ連は初期配置で中南米やアフリカに足がかりがありませんが、カストロカードなどのイベントカードで足がかりをつくることができます。
足がかりができて戦況に余裕があったら中南米やアフリカにも進出して中盤での20点差の決着をめざしましょう。