【AoE2:DE】DLC「三国時代 The Three Kingdoms」レビュー・評価・感想ー新規プレイヤーには難易度高めか

ゲーム評価シミュレーション, レビュー

The Three Kingdoms

三国志をテーマにした『Age of Empires II: DE』のDLC「三国時代 The Three Kingdoms」。

Xbox Game Studiosによって、2025年5月7日にSteamで配信されました。

ありそうでなかったDLCなのニャ。

『AOE2』には興味がなかったけど、三国志には興味があるという人を新規プレイヤーとして取り込める可能性はありますね。

今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。

 

どんなゲーム?

『AoE2:DE』で三国志

本作は「『AoE2:DE』で三国時代をプレイしよう」という試みになっています。

ただ『AOE1』を『AoE2:DE』でプレイできるDLC「Return of Rome(ローマの帰還)」や、古代ギリシャ時代をプレイできるDLC「Chronicles: Battle for Greece」のようにメカニクスが別物本編とは別枠)になっているわけではなく、本編に組み込まれる形で導入されています。

また新文明として「魏」「呉」「古蜀(蜀)」「女真」「契丹」の5つと、魏・呉・蜀合わせて3つのキャンペーンが追加されました。

女真と契丹はいいとして、魏・呉・蜀を文明に組み込むのは無理がないのかニャ?

これに関してはユーザーからのつっこみも入っていますね。

「そもそも三国時代と『AoE2』のあつかう時代がかみ合っているのか」や、「魏・呉・蜀はそもそも中国文明じゃね?」とか、まあいろいろとツッコミどころはあります。このあたりは海外のゲームということで、あまり深く考えないほうがいいかと。

海外ゲームの日本の描写とかも適当なのニャ。日本と中国の区別がついていないのニャ。

方法としては、女真と契丹を本編に組み込んで、魏・呉・蜀自体はDLC「Chronicles: Battle for Greece」のように別枠のメカニズムにしたほうが不自然さが無くてよかったのではないかという感じもあります。

英雄ユニットの存在

本作では劉備・関羽・張飛・曹操・孫堅といった三国武将がユニットとして登場します。いわゆる英雄ユニットですね。

英雄ユニットはそれぞれ固有の技(アクティブ・パッシブ)を持っていて、倒されても「英雄の館」という建物で再生産(復活)させることができます。

たとえば関羽なら範囲攻撃、張飛なら周囲の敵の速度を落とす、曹操は味方にバフなど、それぞれのスキルを発動可能です。スキル使用後は一定のクールダウン時間を挟んで再使用可能。ケチらずにどんどん使っていくといいでしょう。

英雄ユニットはかなり強く、『AoE2』をプレイしているというよりは『Age of Mythology』をプレイしているような感じになってきます。

それとスキル発動をアイコンクリックでやるとかなり忙しいことになるので、ホットキー(デフォルトはB)を設定しておいたほうがいいでしょう。

ストーリー分岐のあるキャンペーン

本作のメインとなるのは、三国志の時代をモチーフにしたキャンペーンモードです。

魏・呉・蜀のそれぞれの勢力でゲームをスタートさせられます。

どの勢力ではじめても、黄巾賊討伐からになりますね。

蜀ではじめれば、劉備・関羽・張飛をつかってキャンペーンを進めていきます。

それでゲーム中に選択ミッションがあり、それをこなすことでストーリー展開が変わってきます。

たとえば蜀の最初のキャンペーンでは、董卓を助けるかどうかの選択ミッションがあります。時間内に助けられなければミッション失敗となり、その後の展開が変わってきます。

助けた場合は、董卓に傲慢な態度をとられるという、原作(三国演義)どおりの展開が待っています。

三国志ファンが本DLCを購入する理由も、このキャンペーンモードにあるでしょう。

『AoE2:DE』のキャンペーンは難易度「普通」が一番簡単なのですが、本DLCだとさらに下の「簡単」があるので、新規プレイヤーを意識したつくりにはなっているとは思います。

新規プレイヤーには難易度高め

とはいえ、RTSなので、コーエー「三國志」シリーズの感覚でプレイすると難しく感じるとは思います。

たとえば蜀のキャンペーンでは、最初から敵がちょこちょこ自陣に攻め込んできたりします。これに対処しつつ、各地に点在する敵陣を攻撃しなければなりません。攻撃と防衛を同時にやらないといけないのですね。

さらに英雄ユニットのスキルも発動させなければなりません。

しかもその一方で、資材集め(内政)もしなければならない。

やることが多いので、慣れていないとけっこう大変とは思います。

コーエーのゲームにくらべるとかなり忙しいのニャ。

基本的なチュートリアルはキャンペーンにはありません。まずは本体のチュートリアルをこなして、操作方法を覚えてからのほうがいいでしょう。

とくに攻撃移動を理解していないと、戦うのが大変です。

攻撃移動とは移動中に敵がいれば自動攻撃してくれるというものです。

普通に敵をクリックして攻撃すると、途中に別の敵がいても無視してターゲットを攻撃してしまいます。そうなると無駄なダメージを受けたりする場合もあり、とくに大軍をあつかっているときは非効率な攻撃になってしまいます。

攻撃移動はそのホットキー(使いやすいキーに変更した方がいい)を押したあとに敵のそばの地面を右クリックすれば、途中で敵がいた場合に自動攻撃してくれます。これだと無駄な攻撃は減ります。

こういうRTSの基本テクニックを知らないと、無駄にキャンペーンの難易度が上がってしまうでしょう。

あとそれぞれのユニットには攻撃態勢・守備態勢があり、攻撃態勢にすると敵を追い回してしまって危機に陥る場合もあるため注意が必要です。守備態勢なら敵を深追いしません。これも使いやすいホットキーを設定しておいたほうがいいでしょう。

たとえば「Tab=攻撃移動」「Q=攻撃態勢」「W=守備態勢」と並べておけば、さっと利用することができます。

まずは基本的な動かし方を覚えたほうがいいのニャ。

操作量の多いゲームなので、ホットキーを設定しておいたほうが面倒な作業から解放されるでしょう。

 

総評

新文明が5つ追加されましたが、本DLCのメインはスカーミッシュではなく、やはり三国志を楽しめるキャンペーンでしょう。筆者もそれをメインに購入しました。

ただ三国志ファンだけど、普段あまりRTSをやらない新規プレイヤーということになると、基本的な動かし方やホットキーの設定をしておかないと、やることが多すぎて忙殺されてしまうかもしれません。

とくに英雄ユニットのスキル発動をアイコンクリックにたよってしまうと、かなり大変なことになります。

『AoE2:DE』でホットキーの設定は必須ニャ。

面倒に思うかもしれませんが、ホットキーを設定しないほうが面倒なので、自分にとって使いやすいようにカスタマイズしておいたほうがいいでしょう。