Steam版『アズールレーン クロスウェーブ』評価は「賛否両論」:海上を舞台にした美少女シューティングバトル【新作レビュー】
Steam新作レビューのコーナー。今回は海上を舞台にした美少女3Dシューティングゲーム『アズールレーン クロスウェーブ』のSteam版をお届けします。前回のレビュー記事は以下のリンクから。
本作はIDEA FACTORY, COMPILE HEART, FELISTELLAが開発し、Idea Factory Internationalによって2020年2月14日にSteamで配信されました。
うん、違います。
今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。【追記】クリアしたのでその感想も追加しました。
アズールレーンとは?
『アズールレーン(碧蓝航线)』は中国産のモバイルゲームで、2017年5月25日に中国で配信されました。
艦船を美少女に擬人化した日本のブラウザゲーム『艦隊これくしょん』、いわゆる『艦これ』をリスペクトして開発された作品です。
艦船を美少女に擬人化したという部分はおなじなのですが、基本的に見守るだけの『艦これ』とは違って、自機をじっさいに動かすシューティングゲームになっています。
日本では2017年9月13日に配信され、現在では登録ユーザー数が800万人を突破したとのことです。
本作の内容
本作は『アズールレーン』の据え置き機版となっており、2019年8月29日にPS4で発売されました。Steam版はそのPC移植となります。
一番の大きな特徴は、やはりキャラクターが3Dモデルになったことですね。このことにより、シューティングも2D的なものから3Dへと変化しています。またフルボイスになっています。
世界観自体はパラレルワールドという設定になっていますので、本作から始めてしまってもまったく問題はないかと思います。
そもそも登場する艦船が「島風」「駿河」という新キャラですしね。
ストーリーモードでは海域を探索し、イベントや海戦などを進める形になっています。メインイベント以外にもサブイベントも用意されています。
海戦では、主力艦隊(3隻)+支援艦隊(3隻)という構成で出撃します。この組み合わせでボーナスが付いたりします。
海戦中は、プレイヤーが操作するのは主力艦隊のうちの1隻です。残りの2隻はオートですが、操作艦船を変更することができます。艦船によって攻撃に特徴があります。ゲーム自体はRPGなので、レベルを上げていけばだいたいなんとかなる感じです。
ユーザーの評価
本作のSteamでの評価ですが、「賛否両論(50%、1,501人)」となっています。ちなみに本作は日本語、英語、中国語(繁体字)の3カ国語サポートになっています。
理由として、日本語でプレイすると、1-2で進行不能になるというバグが発生しています。他の言語でこのバグはないので、言語を変更すれば回避はできます。ただ日本語でプレイはできなくなりますが。
テストプレイしてないのでしょうか。いくらなんでも致命的すぎる気はしますね。これで評価が落ちてしまっています。
ただ現在はパッチが入って、進行不能バグは修正されました。しかしストアページに書き込まれた評価自体はなかなか修正されないようです。『三國志14』もそうでしたが、配信日のこういう致命的なバグがあると評価に大きく響きますね。
海外勢は普通に遊べているので、以下に良かった点をまとめます。
・3Dモデルで『アズールレーン』を楽しめる。
・キャラクターがフルボイスでしゃべる。
・フォトモードが良い。
・キャラクターの掛け合いやストーリーが楽しい。
『アズールレーン』のキャラクターが3Dモデルで動くという点や、キャラクターの織り成すストーリーが評価されています。
つぎは悪かった点について。進行不能バグについてはパッチが入ったので省きます。
・シンプルすぎるゲーム性。戦闘は短くて退屈。
・「ノベルゲーム」としてはいいが、「ゲーム」としては貧弱。
・ノベルを読む合間に、数分しかない戦闘をプレイするゲーム。ほぼノベルゲーム。
・アートは良いが、ゲーム自体はつまらない。原作ファンでないかぎりは、お金をドブに捨てるようなもの。
・価格がクレイジー。
本作を好評といっているユーザーですら「私は面白いと思うが、ファンでなければやめておけ」みたいな論調ですからね。
そもそも海戦自体が数分で終わる短いものなので、基本的にはアドベンチャーパートが中心になってしまいます。それを楽しめるかどうかが、面白いかどうかの境目になってしまいますね。
それと海外ユーザーは、進行不能バグに対する不満はないのですが、価格に関する不満がありました。
というのも、予約価格は20%OFFなのですが、発売後は36%OFFのバンドルがあったりなど(現在はストアページから消されています)、不手際が目立ちます。
『Graveyard Keeper』が配信後の価格問題で真摯に対応したのに比べると、どうかなという気はしますね。【追記】お詫びとして「ネプテューヌ」が3月31日まで無料配布されることになりました。
クリアした感想
最後までクリアしたので、その感想を追記します。
ノベルパートが本当に長いです。そのあたりを早送りにしていたため、クリア時間は6~7時間ぐらいでしょうか。
ゲーム後半は本当に早送りしまくってました。やはり基本的にノベルパートが多くて、戦闘はおまけのようなものです。ノベルゲームだと思ったほうがいいです。
戦闘についてですが、基本的に動き回りながら、「メータが貯まる」→「特殊攻撃を撃つ」を繰り返すことになります。何度か遊ぶとほぼ作業になってきます。
また戦闘が短く、モバイルゲームを遊んでいるような感じです。このあたりはあえて意識しているのかもしれませんが、据え置き型ゲームとしては満足度が低いものになってしまっています。
『アーマードコア』レベルとまではいかなくとも、それに近い形で楽しめるのかと思っていたので残念です。戦闘をもっと練り上げれば、面白いゲームになっていたかもしれません。筆者としては戦闘を楽しみたかったです。
ただ登場キャラクターは多く、ファンの方は楽しめる作りにはなっています。
ゲームとしては物足りなかったですが、ファングッズとしては「3Dのデジタルデータ集」という意味ではいいかなという気はします。
またフルボイスなので、このあたりもファンには嬉しいところだと思います。
クリア後ですが、ひたすら戦闘だけを楽しむことのできるモードがあります。これはしっかりレベル稼ぎして強化しないと難しいでしょう。
総評
本作は進行不能バグがあったり、予約価格より配信後のほうが割引率が高かったりなど、いろいろと不手際が目立ちました。
ゲーム自体の出来についてですが、海戦自体はシンプルで、数分で終わってしまうものです。ノベル部分が楽しめるかどうかで意見が分かれるかと思います。
基本的にノベルゲームと思ったほうがいいでしょう。ファンですらゲーム部分は評価していない人が多いですしね。
じっさいのところ、戦闘はモバイル版とおなじぐらいの短さを、あえて意識して開発したのかもしれません。しかしそれによってノベル部分の長さが際立ってしまい、ノベルゲームと錯覚してしまうまでになってしまっているのだと思います。
逆にノベル部分が充実していることから、『アズールレーン』ファンにとっては楽しめる作品だとは思います。クリアまでけっこう時間がかかりますし、キャラクターゲームと考えてプレイするのがいいでしょう。