Steam版『アズールレーン クロスウェーブ』評価は「賛否両論」:海上を舞台にした美少女シューティングバトル【新作レビュー】

2020年5月25日ゲーム評価シューティング, 美少女

ALC

Steam新作レビューのコーナー。今回は海上を舞台にした美少女3Dシューティングゲーム『アズールレーン クロスウェーブ』のSteam版をお届けします。前回のレビュー記事は以下のリンクから。

本作はIDEA FACTORY, COMPILE HEART, FELISTELLAが開発し、Idea Factory Internationalによって2020年2月14日にSteamで配信されました。

艦これ?

うん、違います

今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。【追記】クリアしたのでその感想も追加しました。

 

アズールレーンとは?

アズールレーン(碧蓝航线)』は中国産のモバイルゲームで、2017年5月25日に中国で配信されました。

艦船を美少女に擬人化した日本のブラウザゲーム『艦隊これくしょん』、いわゆる『艦これ』をリスペクトして開発された作品です。

リスペクトという言葉は便利だニャ。

艦船を美少女に擬人化したという部分はおなじなのですが、基本的に見守るだけの艦これ』とは違って、自機をじっさいに動かすシューティングゲームになっています。

日本では2017年9月13日に配信され、現在では登録ユーザー数が800万人を突破したとのことです。

すごい数ニャ。

 

本作の内容

アズールレーン クロスウェーブ

本作は『アズールレーン』の据え置き機版となっており、2019年8月29日にPS4で発売されました。Steam版はそのPC移植となります。

一番の大きな特徴は、やはりキャラクターが3Dモデルになったことですね。このことにより、シューティングも2D的なものから3Dへと変化しています。またフルボイスになっています。

原作を知らないと楽しめないのかニャ?

世界観自体はパラレルワールドという設定になっていますので、本作から始めてしまってもまったく問題はないかと思います。

そもそも登場する艦船が「島風」「駿河」という新キャラですしね。

ストーリーモードでは海域を探索し、イベントや海戦などを進める形になっています。メインイベント以外にもサブイベントも用意されています。

海戦では、主力艦隊(3隻)+支援艦隊(3隻)という構成で出撃します。この組み合わせでボーナスが付いたりします。

海戦中は、プレイヤーが操作するのは主力艦隊のうちの1隻です。残りの2隻はオートですが、操作艦船を変更することができます。艦船によって攻撃に特徴があります。ゲーム自体はRPGなので、レベルを上げていけばだいたいなんとかなる感じです。

 

ユーザーの評価

本作のSteamでの評価ですが、「賛否両論(50%、1,501人)」となっています。ちなみに本作は日本語、英語、中国語(繁体字)の3カ国語サポートになっています。

ちょっときびしい感じニャ。

理由として、日本語でプレイすると、1-2で進行不能になるというバグが発生しています。他の言語でこのバグはないので、言語を変更すれば回避はできます。ただ日本語でプレイはできなくなりますが。

1-2って、2ステージ目ニャ。なんで気付かないのニャ?

テストプレイしてないのでしょうか。いくらなんでも致命的すぎる気はしますね。これで評価が落ちてしまっています。

ただ現在はパッチが入って、進行不能バグは修正されました。しかしストアページに書き込まれた評価自体はなかなか修正されないようです。『三國志14』もそうでしたが、配信日のこういう致命的なバグがあると評価に大きく響きますね。

海外勢は普通に遊べているので、以下に良かった点をまとめます。

良かった点

・3Dモデルで『アズールレーン』を楽しめる。

・キャラクターがフルボイスでしゃべる。

・フォトモードが良い。

・キャラクターの掛け合いやストーリーが楽しい。

『アズールレーン』のキャラクターが3Dモデルで動くという点や、キャラクターの織り成すストーリーが評価されています。

「ゲーム部分」についてのコメントがないニャ?

つぎは悪かった点について。進行不能バグについてはパッチが入ったので省きます。

悪かった点

・シンプルすぎるゲーム性。戦闘は短くて退屈。

・「ノベルゲーム」としてはいいが、「ゲーム」としては貧弱。

・ノベルを読む合間に、数分しかない戦闘をプレイするゲーム。ほぼノベルゲーム。

・アートは良いが、ゲーム自体はつまらない。原作ファンでないかぎりは、お金をドブに捨てるようなもの。

・価格がクレイジー。

ゲーム部分についてはあまり評判がよくないニャ。

本作を好評といっているユーザーですら「私は面白いと思うが、ファンでなければやめておけ」みたいな論調ですからね。

そもそも海戦自体が数分で終わる短いものなので、基本的にはアドベンチャーパートが中心になってしまいます。それを楽しめるかどうかが、面白いかどうかの境目になってしまいますね。

それと海外ユーザーは、進行不能バグに対する不満はないのですが、価格に関する不満がありました。

というのも、予約価格は20%OFFなのですが、発売後は36%OFFのバンドルがあったりなど(現在はストアページから消されています)、不手際が目立ちます。

『Graveyard Keeper』が配信後の価格問題で真摯に対応したのに比べると、どうかなという気はしますね。【追記】お詫びとして「ネプテューヌ」が3月31日まで無料配布されることになりました。

 

クリアした感想

最後までクリアしたので、その感想を追記します。

ノベルパートが本当に長いです。そのあたりを早送りにしていたため、クリア時間は6~7時間ぐらいでしょうか。

そんなに速いのかニャ?

ゲーム後半は本当に早送りしまくってました。やはり基本的にノベルパートが多くて、戦闘はおまけのようなものです。ノベルゲームだと思ったほうがいいです。

戦闘についてですが、基本的に動き回りながら、「メータが貯まる」→「特殊攻撃を撃つ」を繰り返すことになります。何度か遊ぶとほぼ作業になってきます。

また戦闘が短く、モバイルゲームを遊んでいるような感じです。このあたりはあえて意識しているのかもしれませんが、据え置き型ゲームとしては満足度が低いものになってしまっています。

『アーマードコア』レベルとまではいかなくとも、それに近い形で楽しめるのかと思っていたので残念です。戦闘をもっと練り上げれば、面白いゲームになっていたかもしれません。筆者としては戦闘を楽しみたかったです。

けっきょくノベルゲームなのニャ。

ただ登場キャラクターは多く、ファンの方は楽しめる作りにはなっています。

ゲームとしては物足りなかったですが、ファングッズとしては「3Dのデジタルデータ集」という意味ではいいかなという気はします。

またフルボイスなので、このあたりもファンには嬉しいところだと思います。

クリア後ですが、ひたすら戦闘だけを楽しむことのできるモードがあります。これはしっかりレベル稼ぎして強化しないと難しいでしょう。

 

総評

本作は進行不能バグがあったり、予約価格より配信後のほうが割引率が高かったりなど、いろいろと不手際が目立ちました。

ゲーム自体の出来についてですが、海戦自体はシンプルで、数分で終わってしまうものです。ノベル部分が楽しめるかどうかで意見が分かれるかと思います。

基本的にノベルゲームと思ったほうがいいでしょう。ファンですらゲーム部分は評価していない人が多いですしね。

ゲーム部分も作り込んだらよかったのにニャ。

じっさいのところ、戦闘はモバイル版とおなじぐらいの短さを、あえて意識して開発したのかもしれません。しかしそれによってノベル部分の長さが際立ってしまい、ノベルゲームと錯覚してしまうまでになってしまっているのだと思います。

逆にノベル部分が充実していることから、『アズールレーン』ファンにとっては楽しめる作品だとは思います。クリアまでけっこう時間がかかりますし、キャラクターゲームと考えてプレイするのがいいでしょう。