『トワイライト・ストラグル(Twilight Struggle)』のルールを初心者にも分かりやすく解説ー冷戦ボードゲーム
『トワイライト・ストラグル(Twilight Struggle)』は、冷戦を舞台にした2人用のボードゲームです。日本語訳すれば『黄昏の闘争』といったところでしょう。
本記事は旧ブログ「マイナーな戦略ゲーム研究所」の2016年4月16日の記事を加筆修正し、初心者向けに分かりやすく再編集したものです。ゲームの概要については以下の記事を参照してください。
本作は2005年にアメリカ・カルフォルニアのGMT Gamesから発売されました。大手ボードゲームサイト「BoardGameGeek(略称「BGG」)」においても長期に渡ってランキング上位だった人気ボードゲームで、日本語版も発売されています(Amazonリンク「トワイライト・ストラグル 日本語版」)。
また2016年4月13日にはPC版もSteamでリリースされました。
見た目は難しそうですが、ルール自体はそれほど複雑ではありません。
この「複雑ではない」というのが重要です。
この手のゲームは複雑にしようとすればいくらでも複雑にできます。
しかしそのためにはたくさんのコマを盤面に並べ、一緒に遊んでくれる友達に煩雑なルールを説明したりと、いくら時間があってもたりない状態になります。
『トワイライト・ストラグル』はわかりやすいルールながらも、複雑な冷戦時代をよく表現したボードゲームです。
PC版はチュートリアルモードもあるので、それに沿ってプレイすればルールは大体理解できると思います。
また先ほど紹介したBGGのサイトに日本語のPDFマニュアルがあるので、それをダウンロードするという手もあります(要会員登録)。
PC版は、いまのところ英語版しかありません。しかし英語だからといって遊ばないのはもったいない話です。
そこでルールをわかりやすく解説しつつ補足を加え、プレイしたことのない方にもこのボードゲームの面白さを伝えられればと思います。
このゲームの目的は?
この手の戦略ボードゲームは3人以上いないとなりたたないものが多いですが、このゲームの場合、プレイ人数は2人です。
冷戦時代が舞台になっており、プレイヤーはアメリカとソ連のいずれかを担当します。
チュートリアルをプレイし、実際のゲームの流れを見てみましょう。
ゲームの目的は、世界各国を自国の影響圏におき、勝利点(Victory Point(略称VP))を獲得することです。
ゲームは10ターンあり、それまでに先に勝利点(VP)を20点獲得する、もしくは最終ターンが終わったときに勝利点が多いほうが勝ちです。
勝利点は0からはじまりますが、たがいの陣営にそのまま点数が加算されるわけではありません。
0点のところにマーカーが1つおいてあり、その左右で綱引きのようにアメリカとソ連でこのマーカーをうごかしあいます。
アメリカが+1点ならソ連は-1点ということですね。
たとえば0点の左をアメリカ、右をソ連とします。
ソ連がまず2点をとったとします。そうするとマーカーは右に2歩すすむ。つまりソ連が+2点という状態(アメリカは-2点)です。
そのあとでアメリカが4点をとったら、マーカーは左に4歩すすむ。つまりアメリカ側が+2点という状態になります。
これは両陣営のパワーバランスをあらわしています。
それ以外にもヨーロッパの全域支配による勝利や、相手プレイヤーがデフコンレベルを1まで下げてしまい、核戦争を勃発させた場合も勝利となります。
核戦争を引き起こした側は、その責任をとって負けということなのでしょう。
カードの種類について
プレイヤーはアメリカ、相手はソ連を担当するばあいで説明します。
まずはじめに、地図上に各国の影響力ポイントを配置しなければならないのですが、これについてはあとで説明したほうがわかりやすいので省略します。
カードについて
ターンのはじめに、両プレイヤーに8枚のカードが配られます。
このカードは全部で110枚(110種類)あって効果もそれぞれ違います。効果はカードの表面に書かれています。
英語がわからなければ上記のBGGのサイトから日本語マニュアルを落とせばいいかと。110枚のカードの効果が日本語で書かれています。
実際にカードを見てみましょう。
このカード名は「マーシャル・プラン(MARSHALL PLAN)」。アメリカの国務長官ジョージ・マーシャルが提唱した欧州復興計画です。
このようにカードは実際の歴史上の出来事などをあつかっています。
文化大革命カードや日米安保カードなどもあります。
カードが出てくる都度wikiなどを調べれば世界史の勉強になるでしょう。
現物のボードゲームを買って、子供の学習用に使うのもいいかもしれません。冷戦時代のボードゲームをやりたがる子供がいるかどうかの問題はありますが。
作戦値とイベント
さきほどの「マーシャルプラン」カードの左上に書かれている「4」という数字ですが、これは「作戦値(Operations Point Value(略称OP))」と呼ばれるもので、カードの強さをあらわします。
ターン開始時に両プレイヤーが同時にカードを1枚出し、作戦値(OP)の数字が大きいプレイヤーが先に行動します。
「数字の大きいカードを出すか、それとも取っておくか」などといった読み合いがここで発生することになります。
それと作戦値(OP)の数字のまわりの星印が青い場合は「アメリカ専用イベントカード」、赤いのは「ソ連専用イベントカード」を意味します。それぞれの陣営にとって有利なイベントが起こせます。
画像のカードはルーマニア王のミハイ一世。共産革命で国を追い出された人です。ルーマニアからアメリカの影響力をすべてとりはらい、ソ連の影響力を置くことのできる、ソ連有利のイベントカードです。
赤と青が混ざっているのはどちらの陣営に対しても効果を発揮するカードです。上の画像はオリンピック発生のカードですね。
3種類のカード
さきほども述べましたが、カードは110枚あります。追加カードなどを加えればもっと増えます。
ゲーム開始時にこれらすべてを使うわけではありません。カード上部に「序盤戦(EARLY WAR)」と書かれているのを見てください。
110枚のカードは「序盤戦(EARLY WAR)」「中盤戦(MID WAR)」「終盤戦(LATE WAR)」の3種類にわけられています。
そして4ターン目以降は中盤戦カードを、8ターン目以降は終盤戦カードを山札にまぜてプレイします。
さらに4ターン目以降は手札が1枚増えて9枚になります。
ゲームの流れ
さて、両プレイヤーに8枚のカードが配られ、ようやくゲームがプレイできる状態になりました。ゲームの流れを見ていきましょう。
ヘッドライン・フェイズ
まずは「ヘッドライン・フェイズ(Headline Phase)」です。
さきほど説明したように、両プレイヤーは手札の8枚から1枚を同時に出し合います。実際のボードゲームでプレイするばあいは、出すカードをテーブルに伏せてから、同時にめくります。
作戦値(OP)の高いカードを出したほうが先にプレイできます。
手札に「マーシャル・プラン」カードがあるので、これを出しましょう。作戦値(OP)は4でしたね。
相手は作戦値(OP)が3の「コメコン(COMECON)」カードを出してきました。
数字はこちらのほうが大きいので、先に行動することができます。
各地域の影響力について
マーシャル・プランのカード効果ですが、「ソ連に支配されていない西欧の7つの地域に、影響力ポイントを1つずつ置く」とあります。
ヨーロッパ地域は西欧(濃い紫色)と東欧(薄い紫色)にわかれています。
どちらの色もあるのは、どちらの地域であつかってもよいという意味です。
1や2などの数字はそれぞれの地域の影響力(influence)です。
各地域に影響力ポイントを2枚並べて置けるようになっており、右側がソ連、左側がアメリカになっています
さきほど省略しましたが、ゲーム開始時、すでに影響力の初期配置が決められており、
・アメリカはカナダに2、イランに1、イスラエルに1、日本に1、オーストラリアに4、フィリピンに1、韓国に1、パナマに1、南アフリカに1、イギリスに5を置きます。
・ソ連はシリアに1、イラクに3、北朝鮮に3、東ドイツに3、フィンランドに1置きます。
これ以外の初期配置として、アメリカは7ポイントを西欧に、ソ連は6ポイントを東欧に、自由にふりわけることができます。
PCゲームのチュートリアルではこの作業がカットされていますが、実際のゲームではプレイ前にまずこれをやらなければいけません。
地域の支配
とりあえずマーシャル・プランのカード効果をつかい、西欧扱いであるトルコ(Turkey)に影響力を1つおいてみましょう。
トルコにはすでにアメリカの影響力が1つあるので、1加えたことで合計2になりました。
トルコの国名の右に2という数字。これは「地域の安定度(Stability Number)」を意味します。
安定度以上の数字になれば「その国を支配した」ことになります。
つまりこのゲームですることは、各国に影響力をどんどんおいていって、安定度以上にして支配することです。
白地だった数字の背景が青に変わっていますが、これは「その国を支配した」ことをしめします。ソ連側だと赤色になります。
ここで注意したいのは、対戦相手との影響力の差が安定度を超えたときに支配できるということ。
たとえば、トルコの安定度は2です。ソ連の影響力ポイントが0なので、2あれば支配できます。
もしソ連の影響力がすでに1置かれていれば、アメリカが支配するには3ポイント必要です。
上の画像ですが、下段左は影響力の差が1しかないので、アメリカは支配できません。
下段右は差が2あるのでアメリカが支配していることになります。数字の背景の色も、支配を意味する青に変わっています。
ターン終了時の処理
さて、「マーシャル・プラン」カードの効果どおりに、トルコを含めた西欧7国に影響力を1つずつ置いていきました。
つかったカードは捨て札の山に置きます。
ただしカード名にアスタリスク(*)がついているカードは完全にゲームから排除され、二度と使うことができません。
「マーシャル・プラン」のカードを見ると、「*」があるので、一度きりのカードです。二度と使うことはできません。
捨て札ではなく、完全にゲームから除外されます。
相手のターン
相手の番です。
ソ連側のだしてきたカード「コメコン」の効果は、「アメリカに支配されていない東欧の4つの地域に、影響力ポイントを1つずつ置く」というものです。さきほどの「マーシャル・プラン」の東欧バージョンですね。
CPUはオーストリア、チェコスロバキア、ハンガリー、ルーマニアの4国に影響力ポイントを1つずつ置きました。
コメコンにもアスタリスクがついているので、このカードもゲームから完全に除外されます。
アクション・ラウンド(ソ連)
カードを出しあう「ヘッドライン・フェイズ」が終わったら、次は「アクション・ラウンド(Action Round)」。
ここではつねにソ連が先に行動です。
このゲームは、ゲーム前半はソ連が有利、後半はアメリカが有利というバランスでできていますからね。
やることは、さきほどと同じく手札からカードを1枚出すことです。
これを交互に6回やります。つまり手札が6枚消費されることになります。
行動の選択
まずソ連が手札からカードを1枚だします。
CPUが出してきたのは「印パ戦争(INDO-PAKISTANI WAR)」です。どちらの陣営にも効果を発揮するカードですね。
ここでソ連プレイヤーは、カードに書かれている効果を実行するか、カード左上の作戦値「2」を使うかを選べます。
ただしこれが相手側のカード(左上の星印が青)だった場合は、作戦値を使う選択をしたあとに、カードに書かれていることも実行しなければなりません。
CPUは作戦値2を使うことに決めました。
この2ポイントの使い道について、以下の選択をすることができます。
・自分がすでに影響力をもっている国か、その隣国に対して影響力を配置する。(Place Influence)
・相手の影響力を排除する。(Realignment Rolls)
・クーデターにつかう。(Coup Attempt)
・宇宙開発競争に使う。(Space Race)
CPUは影響力の配置に3ポイントを使うことにしました。
影響力を置く
CPUはこちらの邪魔をしたいので、イタリアに影響力を置きたいようです。
イタリアはアメリカの支配国ですが、ソ連の影響力のある国と隣接しているので、ポイントを置くことができます。
ただすでに敵の支配国である場合は、1ポイント置くためには2ポイントを消費しないといけません。
イタリアはアメリカの支配国です。CPUは2ポイントすべてを消費し、イタリアに1ポイントを置きます。
使われたカードは捨て札に送られます。カードに書かれているイベントを発生させていない場合は、「*」が付いていてもゲームから除外する必要はありません。
クーデターを起こす
ソ連側が終わったので、今度はアメリカの番です。
ここではソ連の支配国に対してクーデターを起こしてみましょう。
使うのはキューバ革命の英雄、「フィデル・カストロ」のカードです。
あくまで必要なのは左上の作戦値2。カストロさんがクーデターを引き起こすわけではありません。
ただし先ほども説明したように、相手プレイヤーの専用カードの場合、作戦値を使うという選択をしたとしても、作戦値を使い終わったあとにイベントを引き起こさなくてはなりません。
クーデターのターゲットはシリア。ここにはソ連の影響力が1置かれています。アメリカは0ですね。
シリアの安定度は2なので、まだソ連には支配されていません。
ここでダイスロールがはじまり、ボードゲームっぽくなります(ボードゲームですが)。
中央の「COUP DEFFESE」というのはクーデターに対する防御力。この数字は安定度X2の値。
安定度は2なので、2をかけて4になります。
さいころをふり、出た値にカストロカードの2ポイントを足します。ここから防御力4を引き、その差によってこちらの影響力を置くことができます。
置ける影響力 =(ダイスの目+作戦値)ー(安定度X2)
たとえばさいころが4ならば、2をたして6ポイント。ここから防御力4を引いて2ポイントになります。
ただここでは、まず相手の影響力を0にし、そのあと自分の影響力を増やします。
相手はすでに影響力が1ポイントあるので、1ポイントつかってそれを0にします。
さらに残った1ポイントの影響力を使って自分の影響力を置きます。
実際にさいころで4が出たので、上記のとおりに影響力ポイントを置き換えます。結果、シリアの影響力はアメリカが1、ソ連が0になりました。
カードイベントの処理
このあとカードに書かれているイベントの処理がはじまります。
カストロカードは、「キューバにあるアメリカの影響力を取りのぞき、ソ連がキューバを支配状態にする」という内容です。
キューバの安定度は3なので、ソ連が3影響力ポイント、アメリカは0になります。
軍事作戦判定とデフコン
さて、これで両プレイヤーがアクション・ラウンドの1ターン目を終えました。これを6回繰り返してアクション・ラウンドが終了します。
軍事行動とは
アクション・ラウンドが終了すると、デフコンと同じ値の軍事作戦(Military Operations)をおこなっていたかどうかの判定がおこなわれます。
デフコンは最初5から始まり、1に到達すると核戦争になって、引き起こした側が即座に負けになります。
軍事作戦はクーデターかカードイベントによっておこなわれます。そのほかは軍事行動と見なされません。
影響力の配置や排除、宇宙開発競争は軍事行動ではないので注意が必要です。
デフコンの動かし方
現在デフコンは5です。
さきほど2ポイントをつかってクーデターを起こしたので、「2ポイントの軍事行動をおこなった」ことと見なされます。
これ以外の軍事行動を6回のアクション・ラウンド中におこなっていなかったとすれば、あなたの軍事行動は2ポイントということになります。
デフコンは5なので、3ポイントたりません。
たりない3ポイントはペナルティとなり、相手プレイヤーが勝利点を3ポイント得ます。
そういうルールです。
相手に点数をあたえたくないばあいは、デフコンを1下げます。
デフコンは下がるたびにいろいろな制約を生み出します。
デフコン4:欧州における影響力排除とクーデター禁止。
デフコン3:上記のことをアジアでも禁止。
デフコン2:上記のことを中東でも禁止。
デフコン1:ゲーム終了。敗北。
軍事作戦判定がおわったあとは、またヘッドライン・フェイズにもどります。
ヘッドライン・フェイズ開始前の処理
デフコンをひとつ上げます(デフコンが5の場合はそれ以上あがらない)。
手札が8枚になるまで山札からカードをとります(4ターン以降は9枚)。
あとはこれまでのこと、
ヘッドライン・フェイズ→アクション・ラウンド→軍事作戦判定→デフコンを+1→手札補充
を10ターン繰り返してゲーム終了です。
得点カードとヨーロッパ支配勝利
カードのなかには各地域の得点カード(Scoring Card)といったものがあります。上の画像は欧州の得点カードです。
使うと、その地域の支配国数に応じて勝利点がもらえます。
ただしアクションラウンドがすべて終了するまでに(次のヘッドライン・フェイズに移行するまでに)使わないと負けになります。
かならずアクション・ラウンドが終わるまでにつかってしまいましょう。
欧州カードは、欧州を支配(Control)している状態(欧州内で支配国数が相手より多く、なおかつ係争国をすべて占領している。係争国については後述)で使うと、その時点で即勝利となります。これは他の得点カードとちがう点です。
ほかは、
「Presence(存在):3」は、欧州内に支配国を持っていた場合に3ポイントの勝利点(VP)。
「Dominance(優勢):7」は、欧州内で支配国数が相手よりも多く、なおかつ係争国の数も相手を上まわっている場合に7ポイントの勝利点。
を意味します。
さらには、
支配している係争国1国につき追加で1勝利点。
敵大国(ソ連、もしくはアメリカ)に隣接した国を支配しているばあいに、1国につき1勝利点。
がもらえます。マップ上では、大国と隣接国は黒い線でつながっています。
得点カードは自分だけでなく敵にも同じ条件で点数が入ります。つかうタイミングには注意が必要です。
自分が多く点をとれるときに出したいカードです。
係争地と非係争地
各国には係争国(Battleground Country)と非係争国(Non-Battleground Country)があります。
上の画像のように、字のまわりが赤色なのが係争国、それ以外が非係争国です。
実際のボードゲームだと係争国の字のまわりの色が紫になっています。
係争国でクーデターを起こした場合、無条件でデフコンが1下がります。
またゲームの最後(10ターン後)で係争国を支配していた場合は、1国につき追加で1勝利点が入ります。
係争国は勝利点かせぎのためにとっておきたいですが、クーデターなどで無理にとろうとするとデフコンが下がり、核戦争につながるかもしれないので注意が必要です。
影響力排除
作戦値を敵の影響力排除につかった場合、作戦値1につき一回排除判定がおこなえます。
あくまで排除のみであり、クーデターのように自分の影響力ポイントを加えることはできません。
まず影響力を排除したい国を選び、両プレイヤーがさいころをふります。
その数字の差だけ、さいころの目の大きいほうが相手国の影響力を減らすことができます。
下手すれば自分の影響力が減らされるので、対象国はしっかり選びたいです。
自分の影響力がまったくない国なら、失敗しても自分はノーダメージです。
さいころには以下のような修正値がつきます。
・自分の支配国が対象国に隣接している場合は、国ひとつにつき、さいころの出目に+1。
・対象国における自国の影響力が相手国より大きいときは、さいころの出目に+1。
・対象国が自分の本国(アメリカ、もしくはソ連)に隣接していれば、さいころの出目に+1。
中国カード
このゲームにおける特殊カード。ヘッドラインフェイズでは使えないので注意が必要です。
使ったらあとは捨て札にならず、相手の手札になります。そして次のヘッドライン・フェイズ以降につかえます。
効果は以下のとおり。
・アジア地域ですべての作戦点をつかった場合、作戦点に+1。
・10ターンが終了した時点でこのカードを持っていたら勝利点に+1。
作戦点を増やせるのでアジア支配をする場合には有効なカードです。
しかし使ったあとは敵の手にわたってしまうので、案外つかいどころはむずかしい。
10ターン終了した時点で持っていれば勝利点になるので、ゲーム終盤はあえて使わずにキープするという手もあります。
宇宙開発競争
作戦値を使うとき、そのカードが相手の専用カードだった場合は、カード効果を実行しなければなりません。
相手の専用カードは、相手にとって有利に働くため、できるだけ発動させたくない。
ここで宇宙開発競争(SPACE RACE)です。
宇宙開発競争をすれば、カード効果は発動させなくていいのです。
宇宙開発競争には最低でも作戦値(OP)が2ポイント必要です。
Startから出発し、1番目の「人工衛星(Earth Satellite)」にたどりつくためには、作戦値を2ポイント消費し、さいころをふって1-3のどれかをださなければなりません。
人工衛星の絵の左下に「2/1」と書いてあるのは、さきにたどりついた方に+2勝利点、あとのほうは+1勝利点という意味。
はやくたどりついたほうが多くの勝利点を得られます。
2番目の「動物宇宙飛行(Animal in Space)」に進むには作戦値を2ポイント消費、さいころは1-4のどれかをださなければなりません。勝利点は入りませんが、次の自分のターンに2度宇宙開発を行えるボーナスがつきます。
残りのは以下のとおり。いま知る必要がなければ読み飛ばしてください。
3番目:有人宇宙飛行(Man in Space) 2/0
作戦値2ポイント消費。さいころは1-4で成功。
4番目:有人地球軌道飛行(Man in Earth Orbit)
作戦値2ポイント消費。さいころは1-4で成功。次のヘッドラインフェイズで、相手は出すカードを先に公開する。相手が何を出すかを見てこちらのカードが決められるので強力。
5番目:月軌道飛行(Lunar Orbit) 3/1
作戦値3ポイント消費。さいころは1-3で成功。作戦値コストがここから高くなる。
6番目:月面着陸(Eagle/Bear has Landed)
作戦値3ポイント消費。さいころは1-4で成功。カードを1枚廃棄できる。いらないカードの処分に。
7番目:スペースシャトル(Space Shuttle) 4/2
作戦値3ポイント消費。さいころは1-3で成功。
8番目:宇宙ステーション(Space Station) 2/0
作戦値4ポイント消費。さいころは1-2で成功。アクションラウンドが8回おこなえる。高すぎるコストと低い成功率からして、無理に狙う必要性はないでしょう。カード消費のついでに成功したらもうけぐらいの感じでしょうか。
注意すべきは、宇宙開発を8番目まで終わらせてしまったら、もう宇宙開発はできないことです。
つまりカードの処分が難しくなります。
宇宙開発競争は積極的に狙うよりも、相手の強力な専用カードが自分の手札にあるときに、その効果を発動させないようにしたいときに使うのがいいかもしれません。
ゲーム終了時
10ターン経過するとゲーム終了です。
さきほど説明した欧州の得点カードと同じことを、アジアや中東など全地域でおこないます(「得点カードとヨーロッパ支配勝利」を参照)。
このとき欧州を支配している状態なら、その時点でそのプレイヤーの勝ち。そのため先に欧州から計算するのがいいでしょう。
0点の位置にあれば引き分け。
さいごに
ひさびさに気に入ったボードゲームがあらわれたので、つい勢いでブログを開設してしまいました。
ボードゲームはビジュアル的な情報量が少ないぶん想像力が刺激され、プレイするときに得もいわれぬドキドキ感があります。
この『トワイライト・ストラグル』もそんな想像力を刺激されるゲームのうちの一つです。
今後も気に入ったボードゲームがあれば取り上げていこうと思います。