「ファイナルファンタジー」シリーズ最新作まで5段階評価ーおすすめはどれ?【FF】
以前、「ドラゴンクエスト」シリーズ全作品の5段階評価という記事を書いたことがありますが、今回はSteamで『ファイナルファンタジー』シリーズ1~6の「ピクセルリマスター版」がリリースされたことを記念して、『ファイナルファンタジー』シリーズ最新作までを5段階評価していきます。
思い出補正もあるとは思いますが、名作も多いですしね。Steamでも売上上位に入っています。
それでは1から見ていきましょう。新作が発売されるたびに追加していく予定です。【追記】「ドラゴンクエスト」シリーズ最新作までの5段階評価は以下のリンクから。
ファイナルファンタジー
『ファイナルファンタジー』シリーズの記念すべき1作目。1987年12月18日にスクウェアからファミコン版が発売されました。
『ドラゴンクエスト』の1作目がファミコンで発売されたのが1986年5月27日、2作目は1987年1月26日なので、ドラクエ人気を受けてのリリースということにもなります。
もともとスクウェアは、PCのアドベンチャーゲームがメインでした。ファミコンでもディスクシステムで『水晶の龍』を出していますね。
いちおうスクウェアは、『ディープダンジョン』という3DRPGをディスクシステムで出していましたが、流行っているドラクエ的な2DRPGをつくって一発当てたいというのもあったのでしょう。
スクウェアとしては、ただのドラクエの二番煎じ作品というわけではなく、かなり本気で取り組んでおり、当時としてはグラフィックやBGM、世界観の設定にかなり力が入れられていました。
とくに天野喜孝氏のデザインはインパクトがありましたね。
音楽は植松伸夫氏が担当し、ドラクエとかぶらないようにクラシカルなものではなく、現代的なアップテンポのBGMが使われていました。
ファミコンのRPGはクソゲーも多かったですからね。「とにかくつくればもうかる」みたいな勢いでしたから。
そんな中で、クオリティの高いRPGを開発できたというのはすばらしいことかと。
また、マップ上を飛ぶことのできる「飛空船」の存在や、サイドビューでの戦闘、ジョブ選択など、オリジナルのシステムを多く導入して、ドラクエとの差別化をしっかりとしていきました。
とくにサイドビューでの戦闘では、操作キャラが実際に攻撃をおこなっている姿を見ることができます。これは初期ドラクエと大きく異なる部分ですね。
そんなわけで、初期作の内容ですが、クリスタルを持った4人の「光の戦士」たちが、竜王ならぬカオスを倒すという物語です。
ただタイムループ的な内容もあって、当時の小学生にはちょっと難しいストーリーだったかなという気もします。
筆者も内容に関する記憶が薄く、「フシギナ ジュモンサ サッサカサ!」ぐらいしか印象に残っていなかったりしますね。
さすがにいまからファミコン版をプレイするのは厳しいですが、ピクセルリマスター版で出ているので、興味がある方は遊んでみるといいかと思います。
ポイント:記念すべきシリーズ1作目。サイドビュー戦闘やジョブ選択など、ドラクエとの差別化をしっかりと確立させた。正直なところ、内容自体はそこまで心に残るものはなかったが、大ヒットシリーズになる1作目なのでプレイしてみるのもいいかも。
初出:ファミコン
移植:MSX2/WSC/PS/GBA/PSP/Wii/PS3/WiiU/3DS/PC・各種モバイル
ファイナルファンタジーⅡ
筆者的に「システムを練り込み過ぎてなんか変になった」というのが感想のファイナルファンタジーシリーズ2作目。1988年12月17日にファミコンで発売されました。売り上げとしては前作を超えています。
本作はかなり尖ったシステムになっており、レベルやジョブが存在せず、戦闘中の攻撃や受けたダメージによってキャラクターが成長していくというものになっています。
ようするに、敵を殴っていれば攻撃力が、魔法(白魔法・黒魔法)を使っていれば魔力や知性・精神が成長していくといった熟練度システムです。
とくに特徴的なのは、「ダメージを受ければ受けるほどHPが上昇する」というサイヤ人システムが採用されている点。
敵の攻撃を食らうだけでは飽きたらず、「パーティーアタック」で味方にも殴らせてHPを上げるという、はたから見るとなにやってるんだこいつらみたいな状態になっていました。
それと武器や防具、魔法にも熟練度があり、使い続けることで効果が上がっていきます。
気楽に遊べるドラクエとの、さらなる差別化を狙った感がありますね。
それと「ワードメモリ」というのがあり、会話中で気になる部分を覚えて、他の登場人物との会話で「たずねる」こともできます。アドベンチャーゲーム的なシステムですね。
いろいろ盛り込み過ぎたせいで、最後までクリアできていない小学生が続出(筆者の体感)だったのではないかと思います。
ストーリーもドラクエに比べると複雑で、魔物を率いる帝国軍を相手に、滅ぼされた周辺国家の残党たちが反旗をひるがえすといった内容です。
「帝国軍VS反乱軍」というのは、今後のFFシリーズでも使われる構図になっていますね。
究極魔法「アルテマ」の名前が出てくるのも、本作が最初です。
システムも内容もマニアックな作品ですが、そのせいかやけに印象に残る作品でもありました。いまからでしたらピクセルリマスター版でプレイするといいかと思います。
ポイント:レベルやジョブの概念をとっぱらい、熟練度によるキャラクターの成長という尖ったシステムを採用。当時としては斬新だったが、いまとなってはただ面倒くさいだけかも。MMOをじっくり遊ぶ人には向いているかもしれない。
初出:ファミコン
移植:WSC/PS/GBA/PSP/Wii/PS3/WiiU/3DS/PC・各種モバイル
ファイナルファンタジーⅢ
筆者的に好きな作品なのですが、ラストダンジョンが長すぎたという問題作。1990年4月27日にファミコンで発売されました。『ファイナルファンタジーⅣ』からはスーパーファミコンに移行することになるので、ファミコン最後の作品にもなります。
本作の特徴としては、やはり自由度の高いジョブチェンジシステムでしょう。
2のときのようなわかりにくい成長システムではなく、だれでもとっつきやすいように改善し、ジョブチェンジに至っては移動中はいつでも可能というカジュアルさになっています。
ドラクエ3だと転職はダーマ神殿に行かなければならなかったのですが、本作だといつでも変えられる気軽さがいいですね。
ジョブの種類も多く、それに合わせたピクセルキャラも用意されているので、見ているだけでも楽しいゲームになっています。
それと本作から「召喚魔法」が登場します。バハムートやリバイアサンなど、FFでおなじみの召喚獣が出てくるのは、本作が最初になりますね。
本作での大問題だったのは、前述したようにラストダンジョンの長さです。
ダンジョンが長いこと自体はいいのですが、セーブポイントがいっさい無いという鬼仕様のため、ファミコンを遊ぶ時間に制限のある小学生には厳しいものがありました。2時間ぐらいはかかりますしね。
ファミコンつけっぱなしでテレビを消し、翌日に続きをするという手段をとった友人もいましたね。
リメイク版はこのあたりは緩和されていますので、リメイク版でプレイしたほうがいいかと思います。
ポイント:2での反省を活かしたのか、万人にとっつきやすいようなジョブシステムを採用。一見カジュアルになったかと思いきや、セーブ無しのラストダンジョンが最後に立ちはだかり、ゲームを遊ぶ時間が制限されている小学生を苦しめてきた。
初出:ファミコン
移植:PSP/Wii/WiiU/NDS/3DS/PC・各種モバイル
ファイナルファンタジーⅣ
プラットフォームをファミコンからスーパーファミコンに移したシリーズ4作目。
3での反省を活かし、さらにカジュアルになって帰ってきました。1994年4月2日に発売された作品です。
FFが国民的ゲームになったのは(ゲームがクリアできるという意味で)、筆者的にはここからなのではないかと思います。1~3を最後までクリアしたという人の話を、筆者のまわりではほとんど聞いたことがありませんでしたしね。
本作の特徴としては、キャラクターの個性にかなり重点を置いていることでしょうか。
これまでのシリーズは、ドラクエ的な(良くも悪くも)無個性なキャラクターを操作キャラとして使用していました。「プレイヤー=キャラクター」という一人称的な視点ですね。
本作からは、主人公のセシルや親友のカイン、召喚士のリディアなど、ちゃんとした個性を持つ人物が登場し、プレイヤーは彼らを三人称的視点から見るような立ち位置になります。
この「個性を持つプレイヤーキャラクター」は、今後のFFシリーズにも引き継がれていきます。
ある意味、「ムービーゲー」への入り口ともなったことになりますね。
他の特徴しては、戦闘が5人パーティになった点でしょうか。現在のところ、歴代最多の人数ですね。
それと今後の作品でもつかわれるATB(アクティブタイムバトルシステム)が採用されています。敵味方双方がゲージを貯めていき、満タンになった順で行動ができるという、準リアルタイムバトル的なものですね。
そしてセーブポイントがたくさんあるというのも本作の良い所。ダンジョン内にもしっかりセーブポイントが設けられています。
ストーリーですが、主人公のセシルが暗黒騎士でそれなりに強いという状態でスタートするなど、当時としてはひねりが効いた内容になっていました。
BGMも良く、筆者は楽譜や「ケルティック・ムーン」というケルト音楽アレンジのCDも買っていましたね。いまでも家にあります。
ストーリーや遊びやすさ、BGMなど、すべてにおいておすすめのできる名作といえそうです。
ポイント:よりカジュアルに、より万人向けになったシリーズ4作目。一人称視点的な前作から、個性あるプレイヤーキャラを操作する三人称的視点の「遊べる映画」的ゲームになった。ストーリーのわかりやすさや遊びやすさ、BGMの良さなど、万人にすすめられる作品。
初出:スーパーファミコン
移植:PS/WSC/GBA/NDS/PSP/PS3/Wii/WiiU/NDS/3DS/PC・各種モバイル
ファイナルファンタジーV
『ファイナルファンタジーⅢ』のジョブチェンジシステムをアレンジして復活させたシリーズ5作目。1992年12月6日にスーパーファミコンで発売されました。
それぞれのジョブには固有アビリティがあり、これを習得することで、他のジョブへチェンジしても引き続き1つだけ使用することができます(ただし「ものまねし」は3つ、「すっぴん」は2つ付けられる)。
これによって、自分オリジナルの組み合わせをつくることができるようになりました。
ただ自由度が高くなったぶん、プレイヤーキャラの個性は4と比べると弱くなっていますね。ストーリーも前作と比べて印象に残りにくいかなとは思います。
ただプレイヤーキャラの個性が弱いぶん、敵キャラは個性の強いやつらが多いですね。
強烈な印象を残したキャラクターとしては、ギルガメッシュが挙げられます。
それとBGMには、あの名曲「ビッグブリッジの死闘」がありますね。
あとBGMのアレンジCDとしては「ディアフレンズ」というのがあります。筆者も当時購入しましたが、個人的には前作の「ケルティック・ムーン」のほうが好みでしたね。
3が好きな人には楽しめる作品だとは思います。
ポイント:3のジョブチェンジシステムをアレンジし、取得したアビリティをほかのジョブで使用可能になった。これによりゲームの自由度が高くなったが、そのぶんプレイヤーキャラは淡白に。代わりにギルガメッシュなど、個性あふれる敵キャラが登場。「ビッグブリッジの死闘」が聴きたければ本作をプレイ!
初出:スーパーファミコン
移植:PS/GBA/Wii/PS3/PSP/PSV/WiiU/3DS/PC・各種モバイル
ファイナルファンタジーⅥ
中世的なファンタジー世界から脱却し、魔法と機械を融合した新たな世界観を登場させたシリーズ6作目。近年のFFの方向性を決めた作品といえるかもしれません。1994年4月2日にスーパーファミコンで発売されました。スーパーファミコンでの最後のシリーズ作品にもなります。
ここから、FFの大きな改革ともなった『ファイナルファンタジーⅦ』にもつながっていきますね。
本作では、魔導アーマーを操る女性主人公のティナをはじめとして、さまざまなプレイアブルキャラクターが登場します。4のころのように、プレイヤーキャラの個性を重視した内容になっていますね。
ストーリー前半は、複数の主人公の物語が進んでいき、後半で全員がそろっていくという流れになっています。
進め方によっては仲間にならない人物も登場し、エンディング画面で動きまわるキャラを見て「だれこいつ?」みたいなことになるばあいもあります(筆者はなりました)。
本作の特徴としては、魔石の存在でしょうか。魔法はジョブではなく、魔石を装備して習得していく形になります。
また戦闘では「サイドアタック」や「挟み撃ち」といった、いわゆる奇襲の概念も入りました。
それと瀕死のときに超必殺技的なものが発動することがあるのも、本作の特徴ですね。
尖った部分は少なめですが、ストーリーを重視した内容になっているので、4の路線が好きな人には楽しめるかと思います。
ポイント:魔法と機械が融合した、後期FFの方向性を打ち出した作品。ジョブではなく、魔石を装備することによって魔法が利用できる。尖った部分は少なめだが、重厚なストーリーを楽しみたいプレイヤーには良い作品。
初出:スーパーファミコン
移植:PS/GBA/Wii/PS3/PSP/PSV/WiiU/3DS/PC・各種モバイル
ファイナルファンタジーⅦ
ディーゼルパンク的な世界観の6から、一気に近未来的世界観になったシリーズ7作目。6から4年ほどの時を経て、1997年1月31日にプレイステーションで発売されました。
プレイステーションへプラットフォームを移したことで、これまで2Dで表現されていたFFの世界を3Dで観ることができるようになったのが大きな特徴ですね。。
FFが世界的に大きく飛躍した作品ともいえます。
PS版のソフトのパッケージは、白地にタイトルが書いているだけという、ある意味攻めたデザインになっています。
筆者的には、ゲームに対する自信のあらわれだとは思いますね。パッケージで釣らなくても十分売れるという。
ゲーム業界的にも、2Dのピクセルアートから3Dポリゴンへと移行していた時期です。「とりあえず作ってみました」的なポリゴンゲームも多かった中、本作は「これでもか」とがっちりつくりこまれていた作品です。
世界的にも売れた作品で、PS版の売り上げが1000万本を突破。FFシリーズで歴代1位になっていますね。
さらにニンテンドー一強だったプラットフォームが、ソニーのPSに移ったというのも、この作品の影響が大きいでしょう。
本作のストーリーですが、「神羅カンパニー」の支配する都市「ミッドガル」を舞台に展開されていきます。
ストーリー自体に面白さに加え、主人公のクラウドやティファ、敵役のセフィロスなど、印象に残る登場人物が多数出てくるのも大きな特徴ですね。
ゲームシステムとしては、「マテリア」という球体を武器や防具にはめ込むことでアビリティを使うことができるようになります。
「リミット」ゲージも用意されており、最大まで貯まるとリミット技を発動することができます。このあたりは6のシステムを進化させたものになっていますね。
バイクチェイスや遊園地(ゴールドソーサー)などミニゲームも多く、キャラクターに対する好感度要素まであって、楽しんでつくっている感があって良いですね。
アルティメット ヒッツ ファイナルファンタジーVII インターナショナル
国内300万本突破した記念として、1997年10月2日には『ファイナルファンタジーVII インターナショナル』もPSで発売されました。追加イベント、追加ムービーなどを収録した完全版です。
ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード -PS5
2020年4月10日にはPS4/PS5でリメイク作品も出ていますね。そのほかにも「ダージュ オブ ケルベロス」といったスピンオフ作品もありますが、今回は割愛します。
ポイント:中世的世界観を脱し、近未来が戦いの舞台に。2Dから3Dへと変貌したFFは、当時としては大きな衝撃だった。ストーリー、キャラクター、ゲームシステムなど、非常に練り込まれた作品。FF未プレイの方は本作からプレイするといいかと。リメイク版もありますが、一気に遊びたいばあいはもとのPS版のほうがいいかと思います。
初出:PS
移植:PS/PS3/PS4/PS5/Switch/PC・各種モバイル
ファイナルファンタジーⅧ
前作の大ヒットを受けて売り上げは悪くないのですが、そのぶん批判も多かったシリーズ8作目。1999年2月11日にPSで発売されました。
キャラクターの頭身も上がり、デフォルメ感のあった7と比べてリアル路線へと移行しています。
やけにビジュアル系な登場人物が多かったのも印象的でしたね。
召喚獣がGF(ガーディアンフォース)に変わり、これをキャラクターにジャンクション(接続)することで、キャラクターのアビリティや成長を変化させることができます。
魔法はMPという概念が無くなり、敵モンスターからドロー(要は吸い取る)する形ですね。前作に比べてキャラクターのカスタマイズ性は格段に上がっています。
問題としては、ひんぱんにメンバー入れ替えがあることから、GFのセットし直しという面倒な作業をしなければならなくなるといった点でしょうか。
あとレベルが上がると敵も強くなっていくので、レベル稼ぎせずにどんどん進めていったほうがいいでしょう。
ストーリーのほうもけっこう難解ですね。ガーデン生徒のスコールというビジュアル系主人公と、リノアというヒロインを主軸にした物語で、ストーリー考察はいまでもまだ続けられていたりします。
あと、当時批判が多かったのが、登場人物に共感しにくいという点ですね。ウザイやつが多いという意見も多かったです。
リノアはなんか批判が多かったですね。
それとミニゲームでカードバトルが楽しめるものがありましたが、これはそこそこ面白かったですね。
正直なところ、人を選ぶゲームだと思うので、あまり強くはオススメしません。変化球的なRPGがプレイしたい方は、本作を試してみるのがいいかなとは思います。
ちなみにデザイナーの野村氏曰く「FFVIIIはあまりゲームをしない人にも興味を持って欲しいと思ったんで、リアルな画風にしました」とのことです。
そのわりに、難解なゲームだなという気はしますね。
ポイント:賛否両論のリアル路線ビジュアル系FF。難解なストーリーや、ジャンクションシステムなど、気軽にプレイしたい方にはちょっと厳しい仕様になっている。登場人物もどこか浮世離れした方々が多いので、これが受け付けられるかどうかも、楽しめるかどうかの鍵になるかと。
初出:PS
移植:PS/PSP/PS3/PS4/Switch/Xbox One/PC
ファイナルファンタジーⅨ
近未来SF的な世界観から、「原点回帰」で中世的ファンタジーの世界へ戻ったシリーズ9作目。2000年7月7日にPSで発売されました。PS最後のシリーズ作品でもあります。
賛否両論で荒れた前作をひきずって、国内売り上げは300万本に届かずの作品となりましたが、評価はそこまで悪くはなかったかと。
ちなみに7からだと、400万本(7)→380万本(8)→280万本(9)といった流れです。
8は、悪くはないのですが、万人向けではなかったですね。
あとPS2が2000年3月4日に発売したというのも、売り上げに影響があったかと。すでに新ハードが出ている状態での発売だったので、インパクトが弱くなってしまっていますね。
9は初期FFシリーズの世界観に戻り、孫悟空のようなしっぽの生えた少年ジタンが主人公。アレクサンドリアの王女ガーネットとの出会いで、ジタンの運命が動きだすというファンタジーの王道的ストーリーになっていますね。
前作に比べれば難解さも減って、作品としては遊びやすくなったかと思います。これまで脇役的だったシーフが主人公のジョブになっているのも面白いです。
ゲームシステムですが、アイテムを装備することでアビリティを使用でき、AP(アビリティポイント)を貯めることで、アイテム無しでも使用できるようになります。熟練度的なものですね。
またアビリティの組み合わせによって、戦闘での相乗効果をアップさせられます。このあたりのカスタマイズ性の自由度は高いですね。
前作に引き継ぎ、カードゲームがプレイできるのも本作の特徴かと。
戦闘もオーソドックスでわかりやすく、これからFFを遊ぼうというプレイヤーにはちょうどいいかもしれません。
ただこれまでシリーズを遊んできたプレイヤーには、ちょっと物足りなさがあるかもしれませんね。
悪くはない作品なのですが、海外での売り上げもあまり伸びなかった理由に、キャラクターの頭身がまたデフォルメされてしまったこともあるかもしれません。
あとPSのころは、戦闘時のロード時間がけっこうかかるという問題もありましたね。
なんにしろ、人を選ばずにプレイできる作品なので、未プレイの方はぜひプレイしてみてほしい作品です。
ポイント:前作、前々作のSF的世界観から、初期FFの中世ファンタジー世界観へと原点回帰した作品。主人公のジタンがシーフというのも、マイナーなジョブに光を当てた感があってよい。ストーリーは王道だが、ちょっと暗め。遊びやすい作品なので、初期FFが好きな人には強くオススメ。
初出:PS
移植:PS/PSP/PS3/PSV/PS4/Switch/Xbox One/PC
ファイナルファンタジーⅩ
プラットフォームをPSからPS2に移行し、映画のように美麗なグラフィックが再現できるようになったシリーズ10作目。2001年7月19日に発売されました。
世界観的には近未来ですが、メカメカしい世界ではなく自然の多いアジア的世界観ですね。
本作の特徴としては、PS2の大容量を活かして、プレイヤーキャラクターが戦闘時もしゃべるようになったことですね。
戦闘に参加できるキャラクターは3人までなのですが、いつでも控えと交代可能で、交代のたびにいろいろしゃべってくれます。これでゲームの臨場感がかなり増しましたね。
主人公のティーダやヒロインのユウナを始めとした登場人物は、シリーズ作品の中でもキャラが立っている存在です。
主人公は「ブリッツボール」という水球っぽい架空競技の選手ですが、この競技で描かれる水の表現がPS2の性能のすごさを表していました。
ゲームシステムですが、戦闘は行動の速い順から動き、コマンド入力時には時間が止まるようになっているため、FF初プレイでも取っつきやすくなっています。先述したように、控えも気軽に戦闘参加できるので、全員を活躍させられるのがいいですね。
また超必殺技的なものとしては「オーバードライブ」があり、ゲージを貯めて発動させることができます。
キャラクターの成長も、レベルの概念がなくなり、APを消費して「スフィア盤」を進めていくことで能力を上げていくことができます。
ストーリーも良く、キャラクターの性格も感情移入しやすいですね。
完全版である『ファイナルファンタジーX インターナショナル』は2002年1月31日に発売されました。隠しボスやアビリティの追加がありますが、一番売りになったのは、みんなが気になっていたエンディング後のストーリー「永遠のナギ節」のDVDがあることでしょう。本編のスピンオフ的続編『ファイナルファンタジーX-2』へとつながっていく物語です。
スピンオフ的続編『ファイナルファンタジーX-2』ですが、2003年3月13日にPS2で発売されました。シリーズでは初の続編作品になりますね。
主人公はユウナ、リュック、パインの女性3人となり、ユウナに至ってはいろいろとはっちゃけてしまっていて、「なにがあった」と心配になる感じの変わりようでした。
「ドレスアップ」という着せ替えシステムがあり、ジョブシステムの代わりになっていました。
正直、「ユ・リ・パ(ユウナ、リュック、パイン)」は語呂の悪さも手伝って、見ているほうが恥ずかしい思いでしたね。
10-2は人を選ぶのでともかくとして、10は誰にでも楽しめる作品になっています。BGMもよく、テーマソングの「素敵だね」も名曲ですね。ぜひプレイしてみてください。
ポイント:PSからPS2へと移行し、グラフィックの表現力が一気に上がった作品。キャラクターも立っており感情移入しやすく、戦闘中にはしゃべるようにもなった。キャラクターの成長はスフィア盤を進めていく形なのでわかりやすく、ゲーム初心者でも手軽に楽しめる。
初出:PS2
移植:PS3/PSV/PS4/Switch/Xbox One/PC
ファイナルファンタジーⅪ
世の中の流れに乗っての、FFシリーズ初のオンラインゲーム化。 2002年5月16日にPS2で発売されました。
オンラインオンリーなので、この時点で多くのプレイヤーを振るい落としてしまったかと思います。
いまのゲーム機は、ゲーム機自体に無線機能が組み込まれていますからネットへの接続は楽ですけど、当時はLANケーブルをPS2に差し込まなくてはなりませんでしたしね。いろいろ面倒でした。
2002年11月7日にPC版が発売されましたので、PCでプレイするほうが現実的といえるでしょう。
ちなみに筆者は、XBOX360でプレイしていました。XBOX360を買ったときに無料で付いてきていたので、それをプレイしていた形です。そこまでやりたいわけでもなかったというのが正直なところですね。
現在ではPS2とXBOX360でのサポートは終了しているので、実質PCでしかプレイできない状況になっています。
『ジラートの幻影』から始まって、かなり種類がありましたね。まとめてみると以下のようになります。
(拡張データディスク)
・ジラートの幻影(2003年4月17日)
・プロマシアの呪縛(2004年9月16日)
・アトルガンの秘宝(2006年4月20日)
・アルタナの神兵(2007年11月22日)
・アドゥリンの魔境(2013年3月27日)
(追加シナリオ)
・石の見る夢(2009年3月23日)
・戦慄!モグ祭りの夜(2009年7月6日)
・シャントット帝国の陰謀(2009年10月26日)
・ヴァナ・ディールの星唄 第1章(2015年5月14日)
・ヴァナ・ディールの星唄 第2章(2015年8月5日)
・ヴァナ・ディールの星唄 最終章(2015年11月10日)
(拡張コンテンツ)
・禁断の地アビセア(2010年6月8日)
・アビセアの死闘(2010年8月24日)
・アビセアの覇者(2010年11月24日)
ちなみにいまからプレイするばあいは、公式サイトで「ファイナルファンタジーXI ヴァナ・ディール コレクション4」を購入すれば、上記すべてが付いてきます。
ゲーム的にどうなのかというと、他のMMOとおなじく、基本的にはレベル稼ぎを楽しめるかどうかにかかってきますね。
ゲーム世界で知り合いがいて、コミュニケーションをとることが目的ならいいですが、そうでないばあいはひたすら作業を続けなければならないかと。筆者は正直、序盤で面倒くさくなってやめました。
MMO好きならプレイしてみていいのではないかと思います。
ポイント:シリーズ初のオンラインゲーム化。基本的にはMMOなので、レベル稼ぎなどの作業が好きな人向けかと。いっしょにプレイしてくれるフレンドがいれば楽しめるかもしれません。現在はPCでのみプレイ可能。
初出:PS2
移植:Xbox360/PC
ファイナルファンタジーⅫ
マップと戦闘がシームレスになったシリーズ12作目。PS2で2006年3月16日に発売されました。PS2でのシリーズ最後の作品にもなります。またスクウェアがエニックスと合併して以降の、初のシリーズ作品にもなりますね。
フィールド上にいるモンスターと遭遇すると、そのまま画面切り替えなしでバトルに突入します。MMO的なプレイ感覚ですね。
本作の特徴としては「ガンビットシステム」というものがあり、キャラクターの行動をあらかじめ決めておくことで、コマンド入力を省略することができます。
あと成長や装備については「ライセンスシステム」が採用されており、ライセンスボード上の装備ライセンスを習得することで装備可能になります。魔法や召喚獣などもライセンスを解除していくことで取得する形です。10の「スフィア盤」に近い感じですね。
登場キャラクターですが、主人公のヴァンが正直なところ影が薄いです。
というか、仲間になる空賊のバルフレアのほうが主人公していましたね。
ヴァンはどちらかというと「巻き込まれ系主人公」ですね。ドラクエ的な視点で、「主人公=プレイヤー」ということなら、ヴァン(一般人)の目を通して物語を観るという意味では成功しているのかもしれません。
いまからプレイする場合は、HDバージョンである『ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ』をプレイするのがいいでしょう。
ポイント:戦闘をシームレスにした、MMO的なFF。移動が面倒なことと、主人公の影が薄いこと、他のシリーズに比べてキャラクターがあまり立っていないことから、印象自体が薄い作品に。悪くはないのが、ゲームのインパクトは低め。
初出:PS2
移植:PS4/Switch/PC
ファイナルファンタジーXⅢ
「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」で有名なシリーズ13作目。2009年12月17日にPS3で発売されました。
難解な用語と、「光速の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士」といった主人公ライトニングの紹介文でなにかと有名になりましたね。
ちなみに「光速の(以下略)」は公式設定ではなく、ゲーム雑誌での紹介文です。じっさいのところ、女性騎士ではなくて警備兵だったりしますし、重力装置もすぐ壊れますしで、紹介文どおりじゃなかったりします。
フィールドはほぼ1本道ですが(後半自由に動けるところはありますが)、筆者的はストーリーだけをどんどん進めていきたいので、面倒がなかったのはよかったかと思います。
あと戦闘がコマンド入力ではなく、パーティリーダーが指令を出していくのもいいですね。仲間が自分の意思で戦っている感じがあります。
成長システムは10のスフィア盤を立体にしたような「クリスタリウム」と呼ばれるもので、CP(クリスタルポイント)を貯めて解除していきます。
ライトニングの存在が強すぎる本作ですが、スノウやヴァニラ、サッズ、ホープなど、他の登場人物も覚えやすく個性があります。
続編としては『ファイナルファンタジーXIII-2』『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』がありますが、本作をプレイして面白いと思ってから購入したほうがいいでしょう。
それとSteam版の『ファイナルファンタジーXIII-2』にはノイズやフリーズなどバグがあり、外部パッチを当てる必要があります(本来はメーカーが直すべきものなのですが)。修正方法については以下のリンク参照。
あと派生作品として、『ファイナルファンタジー零式』がありますね。もともとは『ファイナルファンタジー アギトXIII』というタイトルで携帯用アプリとして発売する予定でしたが、のちにPSP向けに変更されました。クラスメイト全員操作キャラ(合計14人)で、なかなか良作に仕上がっています。13をプレイしていないくても楽しめる内容です。
ポイント:ストーリー展開と戦闘を重視した作品。戦闘はコマンド入力ではなく、指令を出す形なので監督気分が味わえる。マップは一本道が多いので、評価の分かれる部分かと。サクサクと話が進んでいくので、仕事が忙しくてゲームをする時間があまりとれないという人にもプレイしやすい。
初出:PS3
移植:Xbox360/PC
ファイナルファンタジーXⅣ
またもやオンラインゲームになったシリーズ14作目。11のアップグレードというわけではなく、完全に別世界での新スタート作品です。2010年9月30日にPCで発売されました。
コピペのような背景や、最適化がされていないので動作が重かったりや、UIの使いにくさなど、挙げていくとキリがありません。
けっきょくのところスタッフ入れ替えでつくりなおし。「新生エオルゼア」として再起動しました。現在はまともにプレイできる作品になっています。
「つくりなおし」という、プロデューサー吉田氏の英断は賞賛されました。氏のコラムをまとめた「吉田の日々赤裸々。 『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか」という本も出版されていますので、興味のある方は読んでみてください。
まあ、外注して安上がりにしようという考えがそもそも間違いでしたしね。
それと本作の拡張バージョンをまとめると以下のようになります。
・新生エオルゼア(2.0)(2013年8月27日)
・蒼天のイシュガルド(3.0)(2015年6月23日)
・紅蓮の解放者(4.0)(2017年6月20日)
・漆黒の反逆者(5.0)(2019年7月2日)
・暁月の終焉(6.0)(2021年11月23日発売予定)
いまからだと、上の「ファイナルファンタジーXIV コンプリートパック」を買えば、5.0の「漆黒の反逆者」まですべて込みでそろえることができます。
MMOなので強くはオススメしませんが、フリートライアルもあるので興味のある方はそれから試してみるといいかと思います。
ポイント:またもやMMO化したFF。発売当初は問題が多すぎてクソゲーの烙印を押されていたが、つくりなおしによってまともに遊べるものになった。その甲斐あってか、フリートライアルを含んだアカウント登録は、現在2000万を突破。興味のある方はとりあえずフリートライアルから。
初出:PC
移植:PS3/PS4/PS5
ファイナルファンタジーXV
オープンワールド的なシステムのシリーズ15作目。もともと13の派生作品である『ファイナルファンタジー ヴェルサスXIII』として開発されていましたが、数年進捗がなかったことからナンバリング作品としての開発にシフトし、2016年11月29日にPS4/Xbox Oneで発売されました。
グラフィックも良く、観光気分が味わえて、けっこう良作といえますね。オープンワールドRPGらしく、各地で依頼を受けるクエストシステムを採用しています。またドライブや釣り、料理など、本編以外でも楽しめる遊びが用意されています。
戦闘はシームレスなリアルタイムバトルで、12を大きく進化させた形になっていますね。魔法は仲間をも巻き込むことができるので、撃つ場所には注意が必要です。
プレイヤーは、主人公でルシス王国の王子であるノクティスを始め、王家の盾であるグラディオラス、御側付きで料理が得意なイグニス、ムードメーカーのプロンプトの4人を操作します。全員男性というのもシリーズ的にはめずらしいですね。発売前は『ホストファンタジー』と揶揄されていましたが、プレイしてみるとけっこう親しみやすい人たちです。
急いでストーリーを楽しんでいくより、まったり景色を楽しみながらのプレイのほうがいいでしょう。
本編以外にも、DLCで以下の個別キャラの追加エピソードがあります。クリアしてからプレイするのがいいかと。
・FFXV オンライン拡張パック:戦友
・FFXV エピソード グラディオラス
・FFXV エピソード プロンプト
・FFXV エピソード イグニス
・FFXV エピソード アーデン
いまからだと『ファイナルファンタジーXV ロイヤルエディション』を購入すれば、本編+DLCがすべてそろいますので、がっつり遊びたい人は「ロイヤルエディション」を。
ポイント:オープンワールドRPG的FF。グラフィックはきれいで、釣りや料理などの要素もあり、本編そっちのけで観光気分が味わえる。急いでプレイするより、ゆったり遊ぶほうがいい作品。
初出:PS4
移植:PC
まとめ
というわけで、筆者のおすすめは、4、7、10ですね。どれもストーリーが面白く、キャラクターが際立った作品になっています。またゲームシステムもわかりやすいので、FF初心者にもおすすめしやすいですね。
この中でとくに突出しているのは7だと思います。リメイクも出ていますので、いまでも根強い人気があります。
次点で3、5、6、9、13、15でしょうか。上記の3作品をプレイ済みであれば、次はこれらの中から選ぶといいかと思います。
そうですね。
今後も新作が発売されるたびに、この記事を更新していきたいと思います。それでは良きFFライフを!