Steam版『Metro Exodus』配信後の評価は「非常に好評」:ロシアを舞台にした世紀末サバイバル【新作レビュー】
「Metro」シリーズ最新作、『Metro Exodus』がついにSteamで配信されました。本作は世紀末のモスクワを舞台にしたシングルプレイのFPSで、ストーリーの面白さや世紀末特有の絶望感で話題になりました。
ガスマスクを付けないと野外活動できなかったり(フィルタも必要)、フラッシュライトも時間とともにバッテリが切れていったりなど、トリガーハッピーできるFPSとは一線を画した作りになっています。
今回は本作のレビューと感想、評価についてお届けします。前回のレビューは以下のリンクから。
どんなゲーム?
本作のもととなっているのは、ドミトリー・グルホフスキーの小説「メトロ2033」です。日本では小学館より翻訳出版されています。上・下巻になっています。
舞台は核戦争後のモスクワで、人間とミュータントの戦いを描いています。作品はもともとインターネットで発表されたもので、そののちに書籍化という流れですね。ロシア国内だけで50万部を売り上げています。
ゲームのほうの『Metro 2033』は、Xbox360/PCで2010年に発売されました。一人称視点のシューティングゲームで、アルチョムという青年が主人公です。
2013年には続編の『Metro:Last Light』が発売されます。主人公はおなじくアルチョムで、ストーリーはつながっています。そのため本作は『Metro 2033』からプレイすることをおすすめします。両作品をリマスターした「Redux」版があるので、これをプレイしておけばいいでしょう。「Redux」版の違いについては以下のリンクを参照してください。
本作は2019年2月15日にPS4/Xbox One/Windowsで発売されました。
Windows版ですが、Steamでは配信されませんでした。Epic Gamesストアが1年間限定の独占タイトルとして販売していたからです。
その期限が切れたので、現在Steamで配信されるようになりました。
本作の内容ですが、『Metro:Last Light』の続きになります。「エクソダス」というタイトルどおり、アルチョムはモスクワメトロを抜け出してロシア横断の旅に出ます。
ストーリー重視のゲームで、前作とおなじようにステージ制になっています。
ユーザーの評価
Steamでのユーザーの評価ですが、「非常に好評(91%、5,744人中)」になっています。
以下に良かった点、悪かった点についてまとめます。Epic Gamesストアへの非難はゲーム性とは関係ないので省きます。
・没入感の高いFPSゲーム。
・グラフィックが美しい。
・最高のストーリーテリングとゲーム性。
・10/10。史上最高のFPS。
・地下世界もよかったが、地上でもテーマは損なわれていない。
・オープンワールドを謳っていたが、それほど自由度がない。そもそもオープンワールドとの相性がいいゲームではない。
・前2作と比べてストーリーが弱い。
・登場人物たちがステレオタイプで深みがない。
・オープンワールドを試みるためにさまざまなものを犠牲にした。とくにストーリーが退屈。
・「Metro」シリーズの雰囲気がなくなってしまっている。
・声優の演技が微妙。
良かった点としてはグラフィックやゲームプレイ、没入感の高さが挙げられています。グラフィックは、当然ですがシリーズ最高といえるものになっています。
逆に悪い点として多かったのが、オープンワールド部分です。本作はストーリー重視のゲームのため、オープンワールド要素が中途半端に入ってしまったような印象を持たれてしまっています。筆者的には「セミオープンワールド」といったところでしょうか。
ストーリーについては賛否両論という感じですね。今回は地上に出ての冒険になりますので(といっても、地下もありますが)、雰囲気の違いはあるでしょう。このあたりは主観的な問題もあります。
総評
本作は、筆者的には楽しめた作品です。前2作同様、独特の雰囲気のあるゲームになっています。
没入感の高さは、やはりHUDを簡略化して「ゲーム」を感じさせないように作られていることでしょう。グラフィックもすばらしいですね。
オープンワールド部分の自由度の低さに対する不満も見られますが、基本的に本作はストーリーを追うゲームだと思っていますので、完全になんでもできる世界観になってしまうと違うものになってしまう気はしますね。
なにはともあれ、名作には違いないので、Steamで配信されたこの機会にプレイしてみるのもいいかと思います。2月19日までは、40%OFFの3,719円で配信されています。