コーエー『信長の野望』シリーズ、初代から最新作『大志withPK』まで5段階評価ーおすすめは?【UPDATE】

2020年4月29日コーエー5段階評価, 信長の野望

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コーエーの代表作とのいうべき「信長の野望」シリーズは、1983年に1作目『信長の野望』が発売されて以降、現在までにさまざまなシリーズ作品が発売されてきました。

シリーズごとにシステムががらりと変わったりするため、単純に「最新作が一番面白い」というわけではありません。昔のシリーズ作品をいまだに遊び続けているという人もいるでしょう。

以前「コーエー三國志シリーズの5段階評価」を書いたところ、「信長の野望」シリーズでのリクエストがあったので、こちらも初代『信長の野望』から最新作『信長の野望・大志withPK』までの16作品をレビューするとともに5段階評価してみました。

Steam版を買うときの参考にでもしてください。また今後、新作が発売されるたびにアップデートする予定です。

 

信長の野望

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・信長の野望(評価1):1983年発売

記念すべき1作目となります。すべてはここから始まりました。

全17ヶ国で、大半の大名のパラメータはランダムで決定されます。昔は現在のように部下の武将がいるわけではなく、「大名=国」であり、キャラクターの個性はまだありませんでした。

ゲーム自体はかなりシンプルで、プレイヤーは信長しか使えません(2人プレイにすると武田信玄が使えます)。コマンドは数字による入力のため、今プレイするにはきついでしょう。

ただ歴史的作品ということで、コレクターズアイテムとして購入しておいてもいいかとは思います。

ちなみに当時のコーエーテクモゲームスは「光栄マイコンシステム」という社名でした(英語表記は「KOEY」)。いまでは「マイコン」という言葉自体が聞かれなくなりましたね。

それと『信長の野望』が発売された前年の1982年に、ゲームセンターあらしの作者・すがやみつるの「こんにちはマイコン」という名著が出版されました。「ベーシック」というプログラム言語を非常にわかりやすく解説した漫画で、これを読んでプログラムをはじめたという小学生も多いかと思います(筆者もその一人です)。

初代『信長の野望』はそのようなパソコン(というかマイコン)黎明期の作品で、ベーシックを使って開発されています。それと当時はカセットテープでプログラムをロードしていました。

ポイント:さすがにいま遊ぶのには厳しいかと。コレクターズアイテムとしてはあり。

 

信長の野望・全国版

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・信長の野望 全国版(評価2)1986年発売

戦いの舞台は一気に全国に。「全国版」だけあって50ヶ国あり、すべての大名でプレイすることができます。

発売後、現在までさまざまな機種でリメイクが繰り返されてきました。1988年にはファミコン版が発売され、お茶の間にも『信長の野望』が広まっていきます。そのためプレイした人は多いのではないかと思います。

筆者も小学生のころにファミコン版をやり込んでいました。好きなコマンドは「暗殺」。忍者が大名の寝込みを襲っているグラフィックがいい動きをしていました。

基本的には1作目とあまり変わらないので、1作目同様、いまプレイするのはちょっときついかもしれません。これもコレクターズアイテムとして購入するのがいいでしょう。

ポイント:筆者的には思入れがあるが、やはりいま遊ぶことを考えると厳しい。思い入れのある人はコレクターズアイテムとして購入するのもありかと。

 

信長の野望 戦国群雄伝

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・信長の野望 戦国群雄伝(評価3):1988年発売

この作品から大名以外の武将が登場し(約400名)、キャラクター性を重視した現在の『信長の野望』シリーズの基礎ができあがっていきます。「三國志」シリーズのように「軍師」の概念も出てきて、配下の武将がプレイヤーに助言をあたえてくれます。

また前作の戦場はただ隣接したユニットを殴るだけでしたが、本作では伏兵や突撃なども使えるようになったことで、一気に戦術性が増しました。野戦や籠城戦もあり、無味乾燥な前作と比べて大きな進化を果たしています。

この後の『信長の野望シリーズ』の方向を決定付けた作品ともいえ、いまプレイしてもそこそこ楽しめます。

ただマップに東北と九州がなく、全38ヶ国と全国版に比べて減っています。そのため島津や伊達など九州・東北勢を使いたい人にはおすすめできません。

システム的にはすっきりした仕上がりになっているので、無難に楽しめる作品ともいえます。

ポイント:配下武将が登場し、戦場での戦術性も一気に進化した作品。ただ全国マップではないので、東北・九州の大名でプレイしたい人は注意。

 

信長の野望・武将風雲録

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・信長の野望・武将風雲録(評価3):1990年発売

ファミコンやスーパーファミコン、メガドライブ、初代PSなどにも移植されたので、プレイした人も多いのではないかと思います。

スーパーファミコン版は『スーパー信長の野望・武将風雲録』というタイトルで、「スーパー」という部分になんだかもやもやとした違和感を覚えていました。『スーパーマリオ』的な何かなのかと。

戦争一辺倒だった『信長の野望』シリーズに対し、本作では文化や技術などの概念が加わりました。

茶器アイテムが登場し、「海戦」が加わるのもここからです。鉄甲船もつくれます。戦場では敵に寝返り(誘降)をしかけて、形勢逆転を狙うことも可能。

東北と九州も加わって全国マップに戻りました。初心者でも遊びやすい作品です。ユーザー自体が多かったこともあって、現在でも根強い人気があります。

ポイント:『戦国群雄伝』の進化系で、文化の概念が加わった作品。昔遊んだことがあるという方は、ひさしぶりにプレイしてみるのもいいかも。

 

信長の野望 覇王伝 with PK

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・信長の野望 覇王伝 with PK(評価3):1992年発売(無印)

前作までのシステムが大幅に一新され、マップが地域単位から城単位へと変更になりました。一つの地方に複数の城があるばあいなど、この方式のほうが表現しやすいかと思います。

城ごとに命令を与えるというスタイルになり、戦略性も一気に増加。これ以降の『信長の野望』シリーズの、一枚マップの基本が作られた作品といえます。

土地や自分の名前の一字を部下にあげたり、切腹を命じたりと、褒賞と罰のシステムも導入されています。

また戦闘ではユニットの向きが導入され、側面や背後から攻撃されるとダメージが大きくなります。これによって包囲が有効な戦術となり、強い武将が無双するという状況が減りました。

またパワーアップキットが登場したのも覇王伝からです。無難な作りで、遊びやすい作品です。

ポイント:マップが伝統的な地域単位から城単位へと一新。武将の数も前作から倍増し、新しい『信長の野望』シリーズの幕開けともなった作品。PKが始まったのもここから。

 

信長の野望 天翔記 with PK

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・信長の野望 天翔記 with PK(評価4):1994年発売(無印)

いまだに根強いファンが多く、高画質に対応したHDバージョンも発売されています。ちなみにSteamではHDバージョンしか配信されていません(画像はHDバージョンです)。

武将を育てることができるため、武将育成ゲームとしても楽しめます。強化された武将は戦場で無双の働きをしてくれます。そのため武将一人でクリアするみたいなプレイもありました。

また戦争が始まると、周囲の城もすべて含まれたマップでの戦いになるため、手薄な城を奇襲したりといったことも可能。戦争好きの人におすすめの作品です。個人的には内政が物足りないかなといったところ。

ちなみにスーファミ版は容量の問題でシナリオが2つしかなかったり、城の数が少なかったりと、PC版とはかなり別物です。スーファミ版しかやったことのない方は、PC版をプレイしてみるのもいいかと思います。

ポイント:武将育成で、一人で全国統一も可能。戦争好きな人にはおすすめできるが、内政に物足りなさがある。

 

信長の野望 将星録 with PK

・信長の野望 将星録 with PK(評価4):1997年発売(無印)

発売は1997年。前作からのシステムを大幅に変更し、一枚マップで描かれた日本内で、ユニットを動かして戦争や内政をしていく箱庭ゲームとなりました。

内政もユニット単位で命令をあたえる形です。たとえば開墾するときも、まずユニットを作ってから開墾したい地点まで移動させなければなりません。

キャラクターによっては、忍者や僧侶、キリシタンなどの「職業」があり、特殊スキルが設定されています(忍者は調略の成功率が上がるなど)。純粋なシミュレーションというよりも、シミュレーションRPGっぽい雰囲気があります。

全体命令ではなくユニットへの個別命令になったことで、これまでの『信長の野望』シリーズとは違うプレイ感覚が新鮮でした。

ポイント:一枚マップによる箱庭版『信長の野望』。命令はユニットごとにあたえなければならない。面倒と思う人もいるかも。

 

信長の野望 烈風伝 with PK

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・信長の野望 烈風伝 with PK(評価5:1999年発売(無印)

『将星録』の正統進化ともいえる作品です。箱庭システムに加え、部隊数によって野戦マップが変化するようになりました。

また支城や特産、水田、村など、マップ上に建設できるものが増え、内政ゲームとしても楽しめます。

中毒性が高く、やり始めると止まらなくなります。

ちなみにニンテンドーDSで発売されていた『信長の野望DS(Amazonリンク)』や、ニンテンドー3DSで発売されていた『信長の野望2(Amazonリンク)』は本作がベースになっているので、それらの作品が好きだった人はPC版もプレイしてみるといいかと思います。

ポイント:『将星録』の進化バージョン。箱庭マップで、内政が楽しい。気楽に遊べて中毒性の高い内容。DS版、3DS版もおすすめ。

 

信長の野望 嵐世記 with PK

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・信長の野望 嵐世記 with PK(評価3):2001年発売(無印)

第三勢力である国人衆や忍者衆、朝廷が初登場する作品。前作に比べてグラフィックも大幅に進化しました。

特筆すべきなのは、戦争がリアルタイムに近い形になったこと。そのため戦争時はそこそこ忙しく、これまでターン制でまったり遊んでいた筆者としては慣れるのに時間がかかりました。

後期『信長の野望』シリーズの、リアルタイム戦闘の先駆けにもなった作品ともいえます。アクション性の高い戦争を遊びたい人向けといったところでしょうか。

ゲームシステム自体は前作の箱庭から、初期作品のようなオーソドックスなコマンドタイプのものに戻りました。可もなく不可もなくといったところです。

ポイント:大幅に進化したグラフィックに、リアルタイムでの戦争。戦争重視のプレイスタイルの人におすすめ。

 

信長の野望 蒼天録 with PK

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・信長の野望 蒼天録 with PK(評価5:2002年発売(無印)

『信長の野望』シリーズ初の、配下武将(城主や軍団長)でのプレイも可能になった作品。下剋上プレイができるようになりました。

またこれまでの作品は戦争や内政に力が入れられていましたが、本作では政治や外交に焦点が当てられています。

相手を説得して政策の提案を成功させたり、朝廷工作をしたりと、とにかく人間関係の重要性が分かる作品です。

『三國志6』のような管理職プレイが好きな人は気に入ると思います。

ポイント:配下武将でのプレイが可能。外交や人間関係に力の入れられた作品。政治に重点が置かれているポリティカルな『信長の野望』。

 

信長の野望 天下創世 with PK

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・信長の野望 天下創世 with PK(評価4):2003年発売(無印)

城ごとに城下町マップが用意されていて、箱庭内政のできる作品です。3Dなので、当時そこそこのグラボを積んだPCでないとプレイが困難でした。

後の『戦国立志伝』の領地システムの基礎になったともいえます。

ただマップと城下町の切り替えが面倒だったり、領土が増えていくと内政がわずらわしくなったりといった問題もあります。何度も遊ぶにはあまり向いていないかもしれません。

戦闘はリアルタイムなので結構忙しいです。内政好き、自分の城下町が育っていくのを見るのが好きな人におすすめ。

ポイント:自分の城下町づくりができるシムシティ的『信長の野望』。内政好きの人にはおすすめ。

 

信長の野望 革新 with PK

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・信長の野望 革新 with PK(評価4):2005年発売(無印)

『烈風伝』をリアルタイムにしたような作品で、一枚マップ上で戦争や内政をしていきます。そのため『天下創世』のようなマップ切り替えのわずらわしさはなくなりました。

後期『信長の野望』シリーズの、「敵が押し寄せる忙しさ」の先駆的作品ともいえます。内政施設がマップ上にあることから、敵に破壊されることもあります。

ゲームのテンポはよく、早期に戦争が始められるのがいいですね。

『三國志』シリーズで言えば9が近い感じでしょうか。『天下創世』が内政好き向けなら、こちらは戦争好き向けといったところでしょう。

ポイント:一枚マップ上で内政と戦闘が同時におこなわれ、ゲームテンポはよい。戦争プレイが好きな人におすすめ。

 

信長の野望 天道 with PK

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・信長の野望 天道 with PK(評価5:2009年発売(無印)

開発地や出陣のための道を作っていく「道路ゲーム」。

一枚マップで内政施設をマップ上に作っていくというスタイルは『革新』に近いですが、こちらは設置できる場所が限定されているので、シリーズ初心者でもとっつきやすい作品です。

シムシティ的な面白さがあり、システムがわかりやすいのもいいですね。

歴史イベントも多く、上杉謙信女性説でのプレイも可能です。

『革新』や『天下創世』が煩雑に感じる方におすすめ。忘れたころにまた遊びたくなってきます。

ポイント:道路を作って領地を広げていく道路ゲーム。システムが整理されており、初心者でも遊びやすくつくられている。

動作が重くなることへの対処法を記事にしました。


 

信長の野望 創造 with PK

信長の野望14・信長の野望 創造 with PK(評価5:2013年発売(無印)

革新の内政を手軽にし、城ごとに兵数の上限があるなど、これまでのシリーズで不自然だった点、煩雑だった点をかなり解消してくれた作品です。

マップ上で部隊がぶつかり合うと戦闘がおこなわれます。部隊は道に沿ってすすむので、進路を変えて敵を挟み撃ちにするなどの戦略をとることができます。

また直轄地に限度があり、領土が広がると軍団を作らなければならなくなるといった点は、今後のシリーズでも進化させて採用してほしいところです。

一人の人間が広大な領土を直接治めるのはやはり不自然ですしね。

筆者としては大雑把な命令をして、武将の個性によってそれぞれの仕事をするような監督業的プレイスタイルの『信長の野望』を遊んでみたいです。

ポイント:内政や戦争などのシステムが洗練していて、リプレイ性にすぐれている。何度も遊ぶのに向いている作品。

 

信長の野望 創造・戦国立志伝

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・信長の野望 創造・戦国立志伝(評価4):2016年発売(無印)

『創造PK』を、すべての武将でプレイすることができるようになった作品です。

自分の領地を持ち、『天下創世』のように箱庭内政をすることができます。

創造PKと戦国立志伝、どっちを買ったらいい?」という質問がけっこう多いのですが、正直どちらもそこまで変わらないかと。

ただ『戦国立志伝』の方は箱庭内政があり、内政にあまり興味がない人や、何度もプレイする人にはちょっと煩わしいかなという気はします。

ゲームのテンポ重視なら『創造PK』、ボリューム重視なら『戦国立志伝』といったところでしょうか。

ポイント:『創造』で、全武将プレイができるようになった作品。自分の領地を持ち、箱庭内政ができる。

 

信長の野望 大志 with PK

信長の野望16・信長の野望 大志 with PK(評価4):2017年発売(無印)

『創造』の内政をさらに簡略化し、リアルタイムの合戦に力を入れた作品です。基本的には一枚マップ上でプレイし、部隊は道に沿って進んでいく形です。

無印が出たばかりのころは、野戦がスキップできず何度も敵と戦わなければならなかったのが苦痛でした。とにかく敵がやられてもやられても押し寄せてくるので、少し進んだらすぐ戦争といった事態になっていました。作業感がかなりありましたね。

また内政も簡素すぎたり、UIも使いづらかったりとあまり評判はよくありませんでしたが、アップデートやPKになってから不満点が解消され、プレイしやすくなりました。

だいたいのことは委任で何とかなるので、初心者でも遊びやすい作品です。ただ古参のプレイヤーからすれば物足りなさもあります。

ポイント:簡略化された内政と、リアルタイム戦闘。委任が便利なので、戦争に集中することができる。

 

まとめ

というわけで、おすすめは『烈風伝』『蒼天録』『天道』『創造』です(すべてPK)。

さらに絞ると『蒼天録』『天道』ですが、『蒼天録』はウインドウモードに対応していないのが残念なところです(Steam版はレジストリいじっても駄目でした。方法があれば教えてください)。

それと書いていて思ったのですが、ナンバーごとにシステムが大きく変更される『三國志』シリーズに比べると、『信長の野望』シリーズは無難に進化してきた感じです。

個人的には『Crusader Kings II』のような封建制度と人間関係の難しさを思わせるシステムの信長が遊びたいですね。

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