Steam版『AI: ソムニウム ファイル』クリアした感想と評価:エンターテインメントミステリー【ゲームレビュー】

2020年7月26日ゲーム評価アドベンチャー, レビュー

AI

ミステリーアドベンチャー『AI: ソムニウムファイル(AI: The Somnium Files)。 スパイクチュンソフトによって、2019年9月18日にSteamで配信されました。PS4/ニンテンドースイッチでも発売されています。

本作は「infinity」シリーズや「極限脱出」シリーズを手掛けた打越鋼太郎氏がシナリオ担当しています。

しばらく積みゲーにしていたのですが、さきほどクリア&コンプリートしたのでレビューと感想、評価をお届けします。前回のレビュー記事は以下のリンクから。

 

どんなゲーム?

AIソムニウムファイル

主人公の伊達鍵(だて かなめ)は警視庁特殊捜査班「ABIS」に所属する捜査官です。

伊達は左目が無く、「アイボゥ(AI-Ball)」と呼ばれるAI搭載の義眼(脱着可能)を装備しています。このアイボゥは人間とおなじように考えたりしゃべったりでき、まさに捜査の相棒です。

あるとき、女性が生きたまま目をくり抜かれて殺されるという事件が起こりました。しかもその女性は、伊達が同居させている少女・みずきの母親でした。

その後もつぎつぎと起こる殺人事件、それらを解決するのが本作の目的になります。

ゲームは大きく分けて2つのパートがあります。

1つは捜査パートで、人から話を聞いたり、調査をしたりといったものです。

もう1つは「Psync」という装置を使って人の夢の中に入り込み、そこから情報を得るというものです。6分の制限時間があり、それまでに目的を達成しなければなりません。パズルゲーム的な内容で、時間が過ぎるとゲームオーバーになります(リトライ可能)。

それとゲームにストーリーや分岐はフローチャート図で表され、いつでも好きな場面から再開することが可能です。これによって、何度もおなじシーンを見せられるといったことはありません。ほかのアドベンチャーゲームにも標準で搭載してほしいシステムです。

またゲームはフルボイスで、3Dモデルも動いたり踊ったりとよく動きます。ムービーシーンを早送りすることもできます。

最後までストレスなくプレイできたのはよかったです。

 

クリアした感想

内容について

筆者は「infinity」シリーズ、「極限脱出」シリーズもプレイしたことがありますが、本作はそれらに比べればシリアス度は低めで(シリアスなことはシリアスですが)、どちらかというとギャグパートやエンターテインメント性に力を入れている感じです。

とくにギャグ部分は下ネタが多く、合わない人は合わなそうな内容だとは思いました。

それでいてグロ描写もけっこう多いですので、それらが合わない人は注意が必要です。

全体的には、プレイヤーを楽しませようという開発陣の意気込みは感じられました。

ただそれがシリアスパートで上手く噛み合っていない部分も多くあります。

たとえば命のやり取りをするような場面で、主人公や敵がエ〇本を優先させるといったようなシーン。生きるか死ぬかの銃撃戦の最中に、そんなものにかまっていられるのかといった気がしなくもありません。プレイヤーを楽しませようとしているのはわかるのですが、ちょっとやり過ぎ感があるかなとも思います。

それとエンディングですが、エンターテインメント作品らしい明るい終わり方です。これも賛否両論ありそうですが、筆者としては映画みたいでいいんじゃないかと思います。

登場人物について

本作の登場人物たちも、変に気取ったキャラクターもいなくて、取っつきやすい人たちばかりでよかったです。応太とその家族の話もけっこう感動しますしね。

ただ、謎もけっこう多いです。

みずきの強さがどこから来ているのか、その理由が最後までよくわかりませんでした。

重いバーベルを持ち上げられるパワーはどこから来たのか、なぜもとから強かったのかの説明がとくにありません(本人すら気付いていなかったみたいな説明でした)。

小学生の少女が、銃を持った敵を相手に、当たり前のように鉄パイプで戦ったりしているのがどうしても馴染めませんでした。「エンターテインメント作品だから」といわれればそれまでなのですが。

それとヒロインであるネットアイドルのイリスは、『鉄拳7』のラッキー・クロエっぽいと思ったら、キャラクターデザインがおなじ人(コザキユースケ氏)だったようですね。

「Psync」について

本作のパズルゲームパートともいえる「Psync」ですが、難度は簡単すぎず難しすぎずといったところです。

ただ選択肢が運任せ的な部分もあるため(選択肢とその結果がロジック的に正しいかどうかが関係ないものがあるため)、ゲーム後半はリトライをすることが多くなるでしょう。

ここだけは何度もおなじシーンを見せられることもあるので、ちょっと面倒だなとは思いました。

しかしムービーシーンは早送りできますし、マップを上手く使えばクリアもそう難しいことではないかと思います。

 

総評

本作は攻略情報いっさい無しでクリアできました。ちょうどいい難度だと思います。

またキャラクターも取っ付きやすく、いいやつらが多かったので良かったです。

ストーリー的にはサスペンスミステリーで、グロ描写もあり、しかも3Dモデルで再現されているため、苦手な人にはちょっときついかもしれません。

ただ全体的には明るめのテイストで、ギャグも多めなので、飽きずに最後までプレイできる作品といえるでしょう。

↓次回のレビュー記事。