『Naheulbeuk’s Dungeon Master』レビュー・評価・感想ーおんぼろダンジョン運営で冒険者を打ち倒せ!【Steam】日本語化不可

2025年4月10日ゲーム評価シミュレーション, レビュー

Naheulbeuks Dungeon Master

おんぼろダンジョンを運営し、冒険者たちを打ち倒していく建設シミュレーションゲーム『Naheulbeuk’s Dungeon Master』。

Artefacts Studioが開発し、Dear Villagersによって2023年11月15日にSteamで配信されました。

『ダンジョンキーパー』的なやつなのニャ。

今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。

 

ユーモアあふれるダンジョン運営ゲーム

Naheulbeukとは?

タイトルにある「Naheulbeuk」ですが、正式には「Le Donjon de Naheulbeuk(ナフルベックのダンジョン)」といいます。

これはフランスの作家であるJohn Lang(別名Pen of Chaos)が2001年ごろに作ったギャグファンタジーオーディオドラマが原点です。

D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)やRPGの王道ファンタジーに対するメタ視点や皮肉、ドジなキャラたちのギャグ会話がウケて、フランスではカルト的な人気を獲得しました。「モンティ・パイソン」のファンタジー版と考えればいいでしょう。

フランス版のモンティ・パイソンなのニャ。

以降、メディアミックスがおこなわれ、ゲームも展開されています。

SteamにあるシミュレーションRPG『The Dungeon Of Naheulbeuk: The Amulet Of Chaos』もそうですね。

リアルタイムダンジョン運営シミュレーション

本作は、ダンジョン経営シミュレーションにRTS的な要素を加えた作品です。往年の名作ダンジョン運営シミュレーション『ダンジョンキーパー』的な内容になっていますね。

プレイヤーは「ダンジョンマスター」として罠を設置したり、モンスター部隊を雇ったり、財宝を守ったりしながら、次々と押し寄せる冒険者たちを迎え撃ちます。

基本的な部分はだいたいおなじなのニャ。

ゲームは大きく分けて2つのフェーズを繰り返します。

建築フェーズ(ダンジョン整備)では新しい部屋を建てたり、トラップを設置したり、モンスターを配置して防衛ラインを整えます。ゴブリンが文句を言いながら作業したり、建築中にミスをしたりなどといったNaheulbeuk的なユーモアを見ることができます。

 襲撃フェーズ(リアルタイム戦闘)では、冒険者たちがダンジョンに侵入してきます。プレイヤーはリアルタイムで各ユニットに命令を出して、これを迎撃しなければなりません。トラップや呪文、連携攻撃を駆使して撃退していきます。敵はヒーラー付きの本格パーティの場合もあり、意外に歯ごたえがあります。

また従業員(モンスター)たちがたびたびストライキを起こしてくるので、これにも対処しなければなりません。変に現実的なところもあり、こういうのがNaheulbeuk的なユーモアなのでしょう。

Naheulbeuk的ギャグ満載

本作の最大の魅力は、キャラクターたちの濃さと会話のギャグセンスです。

モンスターたちは真面目に働こうとしているけれど、基本的に無能か、口だけ達者か、やる気が空回りしているかといった愛すべきドジキャラ揃いになっています。

建築担当のオークがいつも居眠りしていたり、ネクロマンサーが部屋でコーヒーばっかり飲んでいたり、盗賊タイプの敵が勝手にトラップを解除して自滅するなどといった、Naheulbeuk的なギャグが満載です。

そのため、本作はある意味Naheulbeukファン向けの作品になっています。

逆にいえば、ゲーム中に展開されるキャラクターどうしのやりとりが楽しめないと、本作は楽しめないかもしれません

それで会話パートがメインのようなゲームなのですが、残念ながら本作は日本語サポートされていません

遅すぎる学習曲線

前回『アストリア アセンディング』のレビュー記事で「学習曲線」の話をしました。

ゲーム開始からプレイヤーがどれだけの速度で遊び方を学んでいくかの話ですが、よいゲームはこの学習曲線が適切に上昇していくようになっています。

『アストリア アセンディング』はゲーム開始時から学習曲線が極端に上がりすぎる問題があるのですが、本作は逆に相当なスローペースで上がっていきます。

ずっとチュートリアルをやらされているような感じですね。

退屈そうなのニャ。

指示が出て、それをこなすということをずっとやっていくので、ゲームの自由度という意味ではやらされ感が強かったです。

ただそのぶん「何をやっていいのかわからない」というのはないので、この手のゲームをあまりやっていない人にはよいとは思います。

 

総評

基本的には会話のやりとりや、ところどころに登場するユーモアを楽しむ作品といえます。

そのため、日本語サポートのない現状で英語が苦手だと、本作を楽しみにくいかもしれません。

シミュレーション部分は、前述のように何をやるのかは表示されるので、それにしたがっていけばいいため、簡単な英語が読めれば問題はないでしょう。

似たゲームとして『Dungeons 4』があり、こちらは日本語サポートされています。シミュレーション部分をがっつり楽しみたかったらこちらのほうがいいでしょう。