Steam版『二ノ国II レヴァナントキングダム』レビューと感想・評価ー映画版を観た勢いで
『二ノ国II レヴァナントキングダム』はレベルファイブが開発し、バンダイナムコエンターテインメントによって2018年3月23日にPS4とSteam(Steamストアの表記は2018年3月24日)で配信されました。
今回本作のレビューをしようと思ったのは、Steamで70%OFFのセール(1月28日まで)をしていることもありますが、昨日Netflixでたまたま観た映画版「二ノ国」があまりにもアレすぎたというのがあります。
暴漢に追われているのに警察じゃなくて車椅子の少年にスマホで助けを求めたりなど終始突っ込みどころが多すぎて、ゲームだったら「テストプレイした?」といわれそうな内容でした。
海外にいたこともあり映画の自体知らなかったのですが、Googleで検索すると「二ノ国 ひどい」のような検索結果が出てきて、やっぱりと思ったり思わなかったり。
そんなわけであまりにアレな映画版の反動から、それならゲームのほうはどうだったのかと思い、レビューや感想・評価を書くことにしました。
「二ノ国」シリーズについて
「二ノ国」シリーズの1作目は、2010年12月9日にニンテンドーDSで発売された『二ノ国 漆黒の魔導士』です。
スタジオジブリが協力しているとのことで、筆者もプレイしました。「マジックマスター」と呼ばれる本が付いていて、ここに書かれているルーンの紋様をタッチペンで描くという独特のシステムでした。
そのため「マジックマスター」がないとそもそもプレイ不可能という、ある意味ネットでの違法配信対策としてはそこそこ効果がありそうなシステムでした。
「マジックマスター」も一緒に持っていかなければいけませんね。なんか昔ファミコンであった『源平討魔伝』を思い出しました。ボードゲームとテレビゲームが融合したゲームでしたが、『二ノ国 漆黒の魔導士』と違ってボードがなくても遊ぶことはできます。
2011年11月17日には、PS3でリメイク版『二ノ国 白き聖灰の女王』が発売されました。この作品は2019年9月20日にSteam/PS4/ニンテンドースイッチでもリマスター版が発売されています。こちらのほうはさすがに「マジックマスター」は不要で、ゲーム本体だけでプレイできるようになっています。
本作のゲームシステム
「二ノ国」シリーズ第2作目である本作ですが、ニンテンドーDSのときのような尖ったシステムはとくになく、普通の無難なRPGとして仕上がっています。
ホメ言葉です。遊べるように作られているのですから。そもそも映画があまりにも(略)
ちなみに本作の主人公はおっさん(48歳)です。
ロウランという名前で、どこかの国の大統領ですが、敵からの攻撃を受けて二ノ国へと転移します。
二ノ国では若い青年の姿となり、エバンという少年(国王)を助けて活躍することになります。そういえばこのエバンという少年の髪型、映画版の主人公と似ていますね。なにか関係が……ないといいですね。
ストーリー自体は悪くはありません。無難にまとまっています。
戦闘はエンカウント方式のアクションバトルで、味方は最大3人まで参加できます。敵の攻撃力が案外高いので、足を止めて殴り合いというのは厳しく、逃げ回りつつ攻撃を加えていくという形になります。
アクションが苦手な方は、遠距離攻撃ができるキャラを使うといいでしょう。というか、ボス戦などは基本遠くからチクチク攻撃することがメインになっていくかと思います。
ゲームシナリオですが、メインクエスト以外にサブクエストも多く、後述する「キングダムモード」のために仲間集めをしたりする要素もあります。
行ったことのある地点へすぐに飛ぶことができるので、移動は比較的楽です。
前述したように、ゲームシステム自体は攻めたところはなく、本当に無難に作られています。よくいえば安心して遊ぶことができる、悪くいえば平凡といったところです。
キングダムモードの問題点
本作唯一の特徴といってもいい、王国を作る箱庭シミュレーションパートです。
施設は自由に建築できるわけではなく、建てられる場所が決まっています。
建てるためには、「KG」という特別な資金が必要です。これは王国が税金として徴収しているもので、一定時間経つと、王国の発展度に合わせた金額が振り込まれます。国が大きくなればなるほど、そのぶんKGが多く入ってくるというシステムです。
また王国の施設には、人を配置することで国の発展を速めることができます。人材はサブクエストなどで見つけることができ、合わせて100人ほどいます。
実際に大変ですね。
ちなみに貯められるKGには上限があるので、ずっと放置しておけば無限に貯まるというわけではありません。こまめに資金を使ってやらないと、待ち時間の無駄になってしまいます。
それがこのシステムの問題点ともなっています。
モバイルゲームは空き時間にささっとプレイできるものなので、待ち時間があるのはそれほど問題にはなりません。すぐにべつのことができますし、またすぐにゲームに戻れます。
しかしモニタの前に座ってプレイしなければならないゲームのばあい、待ち時間があると、プレイヤーは自分のペースに合わせてゲームを進行することができなくなります。
しかもそれがメインストーリーを進めるためのもののばあい、ストーリーを進めたくてもモニタの前でずっと待たされるということになります。
あまりプレイ時間を取ることのできない、忙しいサラリーマンにはけっこう致命的です。筆者は食事の時間など、ゲームをずっと起動させっぱなしにしていました。
家庭用ゲームで時間経過が必要なシステムを設けるのは避けてほしいかなとは思いました。
まとめと総評
スタジオジブリ調のグラフィックや世界観、それにBGMは非常に良いです。
またゲームシステムも、尖ったところはないものの、無難に遊びやすく作られています。
戦闘に関しては、敵がそこそこ強いので、基本的にはヒット&アウェイ戦法のちまちましたものになってしまうかと。ちなみに筆者はロウランばかり使っていました。癖がなくて使いやすいキャラです。
キングダムモードは、王国づくりという部分自体は悪くないのですが、やはり待ち時間がネックです。ゲームを遊ぶ時間が制限されている人にはきつい縛りかと思います。
総評ですが、ゲームとしては可もなく不可もなくの無難なRPGです。買ってもとくに損したと思うことはないかと。ただ特徴がないともいえますので、目新しいゲームが遊びたいという人には合わない(途中で飽きる)かもしれません。
↓映画はアレでしたが、音楽は久石譲なので良いです。