『Voice of Cards ドラゴンの島』レビューと評価・感想ーデジタルで遊べるTRPG
GM(ゲームマスター)がフルボイスでしゃべりつづけるテーブルトーク型RPG『Voice of Cards ドラゴンの島』。
スクウェア・エニックスによって、2021年10月29日にSteamで配信されました。PS4/ニンテンドースイッチ版も配信されています。
体験版と製品版は内容が違い、体験版のほうは製品版の「前日譚」になっていますね。そのため、また体験版と同じ内容を遊ばされるわけではありません。
今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。
どんなゲーム?
本作はキャラクターやエネミー、アイテム、呪文、さらにはマップなどすべてをカードで表現したRPGです。
『ニーア』シリーズや、『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズで知られるヨコオタロウ氏や齊藤陽介氏が本作の開発をおこなっています。
またミュージックディレクターには岡部啓一氏、キャラクターデザイナーには藤坂公彦氏が起用されていますね。
本作の特徴ともなるのが、GMがフルボイスでナレーションをしてくれることです。
声優は安元洋貴氏で、『ニーア オートマタ』のポッド042の声の人ですね。アニメでは『鬼灯の冷徹』の鬼灯役や、『BLEACH』のチャド役を務めています。
そうですね。最初から最後までずっと安元洋貴氏がしゃべりっぱなしです。
もはや「Voice of 安元洋貴氏」といった様相の作品といえるでしょう。
ゲーム自体は普通のRPGとあまり変わらず、コマンドを入力するかわりにカードを出すといったところですね。
正直なところ、カードゲーム感はあまりありません。
またカードを出すためのコストとして「ジェム」がありますが、キャラのターンがまわってくるたびに1つ追加されるので、低コストカードの多い序盤はケチらずに使っていくのがいいでしょう。
戦闘のテンポは、ゲームとしてはテンポが悪いのですが、まったりTRPGをプレイする感じで遊べばいいかなとは思います。
それとゲームはマルチエンディング方式で、4つのエンディングがあります。ただ、最初からやり直す必要はなく、最後の戦いの前でセーブを取っておけば、4つのエンディングをすべて回収できます。
特定のカードを10枚集めるとたどり着けるエンディングも、カード自体はあとからでも回収可能なので問題ないかと。
ちなみに筆者はすべてのエンディングをクリアしました。ラスボスを4回倒すのがちょっと面倒でしたね。
ゲーム自体はあまり長くありませんが、分量的にはちょうどいいかなという感じでした。
ユーザーの評価
本作のSteamでの評価ですが、「やや好評(78%、257人中)」になっています。
ゲームテンポと、ユーザーの求めるところに食い違いが出てるというのもあるかと思います。
本作の良かった点・悪かった点については以下のとおりです。
・GMがフルボイスなので、自宅でTRPGをプレイしている感覚になる。
・キャラデザインが良い。
・ストーリーが後半に行くにつれて、なかなかダークな感じになっていく。
・ゲームの難度がちょうどよい。
・ゲームのテンポが悪い。戦闘が遅い。
・キャラビルドがほとんどできない。
・最終的に強いキャラと弱いキャラで差が出てしまう。
・カードゲーム要素が薄い。
・キャラクターごとのボイスも欲しかった。
アップデートで倍速機能をつけたらいいかなとは思います。筆者はクリアしたのでもう遊ぶことはないかもしれませんが。
「キャラクターごとのボイス」ですが、「GM一人で語る」というコンセプトなので、ここはどうにもならないかなとは思いました。
総評
基本的には「GMのフルボイスのナレーションがある、ボードゲームっぽくつくったRPG」といったところです。
基本システム自体は一般的なRPGなので、『Slay the Spire』のような手札のカードをこねくり回して戦うゲームとは一線を画しますね。
「TRPGを気軽に自宅で楽しめる」という需要にはこたえていると思いますので、TRPG好きな方や体験してみたい方は本作をプレイしてみてください。まずは無料の体験版から始めるのがよいでしょう。