『AOE4』と過去の「AOE」シリーズとの違いを比較|Age of Empires IV
「Age of Empires」シリーズの最新作『Age of Empires IV』。
Xbox Game Studiosによって、2021年10月28日にSteamで配信されました。

リリース当初はいろいろと問題も多かったのですが、現在はバランスもそこそこ取れてきており、セールでもそこそこ安くなるので、プレイ環境はよくなっているとは思います。
すでに『AOE2』など過去作を持っている方が、『AOE4』をわざわざ買う必要があるかどうかについて、今回は本作と過去作の違いについて比較していきます。
過去シリーズとの違いを比較
『AOE2』を引き継いだ時代設定
「AOE」シリーズは、『AOE』が古代、『AOE2』が中世、『AOE3』が近代を舞台としています。
本作は『AOE2』を引き継ぐ形で中世が舞台になっています。

「AOE」シリーズでの一番人気はやはり『AOE2』なので、それを引き継ぐ形になったのでしょう。時代も「暗黒」→「領主」→「城主」→「帝王」ですね。
キャンペーンだと実写ムービーによるストーリー(歴史)解説がおこなわれるので、歴史の勉強にもなるとは思います。
生産・建設が速い
『AOE2』など過去シリーズ作品(Definitive Edition含む)をプレイしたことがあると、本作をプレイしていてまず感じることが「生産・建設が速い」ということです。
村人の生産速度がまず速いですし、建設も速く、「もうできたの?」みたいな感じの速度でできあがります。
『AOE』や『AOE2』をプレイしたあとだと、この生産・建設の速さが際立ちますね。

それもあると思いますね。「信長の野望」シリーズや「三國志」シリーズも、ターン制からRTSへと変わっていきましたし、時代の流れでしょう。
「AOE」シリーズも『AOE3』から展開が速くなりましたので、本作はそれを引き継いだ形にはなっています。
『AOE3』の場合はデッキシステムによって序盤から軍隊を展開しやすくなっています。本作は『AOE3』ほどは速くないにしても、『AOE2』に比べれば速いです。『AOE3』と同等かそれよりも速いゲーム展開速度ですね。
それと家による人口上限の追加ですが、これも『AOE2』が+5人のところ、本作だと『AOE3』とおなじく+10人になっています。
『AOE2』に比べれば、家を建てまくる面倒くささは減りました。序盤の内政の手間はだいぶ省けますね。
動作のもっさり感
『AOE2』に比べて内政負荷が小さく、生産・建設速度も速いのですが、一方でユニットの動作などのもっさり感があります。
『AOE2』だとキビキビ動いてくれるのですが、本作だとクリックしてからワンテンポ遅れて動き出すみたいな印象があります。
これは本作のユニットアニメーションが多いことが原因であって、実際のゲームプレイだと先ほども述べたように生産・建設速度の速さや内政のコンパクトさによって、ゲーム時間的には本作のほうが速いです。

1ゲームが短い
『AOE2』だと1ゲームで30~40分かかったりしますが、本作は20~30分ぐらいで終わります。
『AOE2』の時間がかかる理由としては、序盤の内政に時間がかかるというのがあります。暗黒時代で10分以上かかりますしね。
本作は前述したように、内政面に関してはかなり時間短縮されています。
暗黒時代はさっさと終わって、軍隊がぶつかりあうまで時間が速いですね。
体感的には『AOE3』よりも速い感じがあります。
とくに序盤に強い文明だと、「もう攻めてきたの?」ぐらいの速度で攻め込んできます。
『AOE2』の1ゲームが長いと感じる方は、本作は1つの選択肢になるとは思います。
文明の特徴が顕著
本作と過去シリーズの大きな違いとしては、文明の差がかなり顕著になっていることです。
たとえば『AOE2』の場合、各文明でユニットや建設物の強さの違いはありますが、できることはだいたいおなじです。
しかし本作だと文明によってできることがまったく違うのですね。プレイスタイルががらっと変わってしまうわけです。4Xゲームでいうと『Endless Legend』みたいな感じです。
例えばモンゴルは建物自体を移動できますし、人口は最大値スタートなので家を建てる必要すらないですし、敵の建物を燃やすと資源になったりなど、文明ごとに別ゲーをやらされるわけです。

そのため、覚えることが多いので、一つの文明ができれば他の文明もすぐにできるという感じではありませんね。

逆にいえば、文明ごとにやることが決まっているともいえるので、むしろ初心者が「何やっていいのかわからない」という事態は避けられるとは思います。

それと本作だと、序盤・中盤・終盤での強さも文明ごとに顕著です。
序盤が強い文明、終盤が強い文明がはっきりわかれているのですね。
たとえばモンゴルは家不要なので木材の節約ができ、さらに敵の建物を燃やして資源も獲得できるので、序盤からラッシュをかけてしまえます。
基本的に野良チーム戦だとみんな引きこもってシムシティをはじめる(内政ばかりやる)ので、こういう状況をモンゴルが荒らしてくれるとゲームの展開が速くなってなかなか楽しくなります。
中国など終盤に強い文化を選ぶと、このラッシュに対応できなくてすぐに滅んだりする場合があります。とくにチーム戦だとこれがかなりネックになってきますね。

対人戦・チーム戦について
文明の顕著な違いから、本作は1vs1に特化したようなつくりになっています。
それでもバランスを取るのが難しいです。
文明ごとにメカニクスが違うのですから、過去シリーズみたいに「数字をちょっといじる」だけでは追いつかないのですね。
1vs1でも調整が難しい以上、チーム戦のバランスはもっと悪い状態になってしまいます。
おなじチームメンバーが終盤強い文化を選んで、序盤ラッシュで早々滅ぼされてしまうと、もはや負け試合は決まったようなものになります。
まあ、野良のチーム戦はパーティーゲームだと思って、気軽にプレイしたほうが精神衛生上は良いですね。

意思疎通のできるフレンドとやるとけっこう楽しいです。
日本文明はDLC購入必要
日本人の場合、日本文明でプレイしたい人も多いとは思いますが、本体に日本はありません。
DLC「The Sultans Ascend」を購入することで、日本をつかうことができます。

ただキャンペーンがないので、スカーミッシュか対人戦で使用することになります。
日本用の実績はありますので、それに挑戦してみるのもいいでしょう。
まとめ
本作は『AOE2』を引き継ぎながらも、『AOE3』のテンポを取り入れ、さらに文明の差を顕著にした作品になっています。
『AOE2』のプレイヤーが本作をやると、1ゲームの速さにとまどうかもしれません。
ユニットの動きはもっさり感がありますが、生産・建設が速いので、暗黒時代は『AOE2』の半分ぐらいの時間(5分前後)で終わってしまいます。
そこからモンゴルなどはラッシュしてきたりしますので、対策をとっておかないとあっさりゲームが終わってしまいます。

ゲームテンポを速くしたのは、eSPORTSを意識したというのもあるでしょう。1試合が短いほうが、こなせる試合数も多くなりますしね。
文化ごとにやることが違い過ぎるので、初心者には覚えることが多くて面倒(「わからん殺し」される)というのもあります。
このあたりの敷居の高さもありますので、しばらくは1文明にしぼって突き詰めていったほうがいいかなとは思います。