コーエー『三國志』シリーズ、最新作まで5段階評価ーおすすめは?【UPDATE】|三国志
『信長の野望』シリーズとならぶ、コーエーの代表的シミュレーション作品『三國志』シリーズ。Steamで全作品が配信されたことで、過去の作品も入手しやすくなりました。
今回は初代『三國志』から最新作の『三國志14 with PK』まで、レビュー・感想とともに5段階評価。Steamで作品を買うときの参考にでも。
また各作品ごとのインストール容量も記載しています。Steam版を実際にダウンロードして調べたものです。
とくにありませんが、各作品がどれぐらいの容量なのか個人的に知りたかったので調べました(あくまでSteam版のインストール容量です)。
三國志
・三國志(評価1):1985年発売:インストール容量 17.3M
PC版の『三國志13』を買えばついてくるので、13を持ってれば買う必要もないでしょう。
またPC版はコマンドが数字に割り当てられており、どの数字がどのコマンドに対応するかを覚えておかないといけません。
評価が1なのは、昔は面白かったけど、いま遊ぶにはちょっときついということです。
ちなみに筆者的は小学生のころに、本作のファミコン版をかなりやり込んでいました。攻略本も買って、全登場武将の能力値をすべて暗記するぐらいの勢いでした。
いまでこそシリーズ作品を重ねてきてあるていど武将の評価が固まっていますが、初代ということもあって、当時は疑問に思うような能力値が多かったです。
とくに郭図の武力が90、知力が43だったり、ホウ徳の武力が44、知力が87だったりと、逆になっているのもありました。
知力がほぼ役に立たない武力至上主義の戦場なので、武力90の郭図が第一線で重宝されることになりました。
筆者的には、遊ぶならファミコン版をおすすめします。PC版はコレクターズアイテムとして持っておくのもいいでしょう。
ポイント:昔は面白かったが、いま遊ぶのはきつい。コレクターズアイテムとしてはいいかも。
三國志2
・三國志2(評価2):1989年発売:インストール容量 30.1M
全体的に暗いトーンだった1に対し、2作目はグラフィックやBGMも明るめのものが多くてポップな感じになりました。
ゲーム展開のテンポの良さが売りですが、これも数字でコマンド入力なので、いま遊ぶとやっぱりきついです。
ちなみに筆者は本作もファミコン版でやり込んでいました。1で武力44だったホウ徳が、2では武力94まで跳ね上がっていたのが印象的でした。
PCでしたらSteamにある『三國志ツクール』が2をベースにしてるので、これを遊んだほうがいいかもしれません。『三國志ツクール』は、プレイ自体は無料です。
ポイント:重苦しい1から一気にポップでライトな雰囲気に。ゲーム自体は面白いが、操作性からいま遊ぶのはきつい。プレイするなら『三國志ツクール』がおすすめ。
三國志3
・三國志3(評価4):1992年:インストール容量 555M
文官・武官の区別、グラフィックの強化、城攻めや外交シーンが挿入されるなど、1,2から大幅な革新がおこなわれました。
コマンドも数字入力ではなく、マウス操作でクリックをおこなうことができるようになったので、いま遊んでもそれほど問題はないでしょう。初心者でも遊びやすいつくりです。
筆者が昔遊んだのはスーパーファミコン版ですが、発売日が待ちきれなくて仕方がなかった記憶があります。画像のような謁見のシーンがありますし、城攻めや文官・武官まであるのですから期待しないわけにはいきません。
購入後もかなりやり込んで、「戦場では全ユニット委任プレイ」などといった縛りプレイまでしていました。基本的に武将たちにいちいち細かい指示をするより、大雑把な命令をあたえて「あとはそれぞれの采配でやってくれ」というほうが、筆者的には君主プレイらしくていいかと思います。
個人的にはかなり思い入れがある作品なので点数は多めです。
ポイント:文官・武官の区別、城攻めや外交の強化など、2から大幅に進化した作品。委任プレイのしやすさも特徴。
三國志4 with PK
・三國志4 with PK(評価3):1994年(無印):インストール容量 590M
3のマイナーチェンジといった印象の作品です。PKが発売されるようになったのもここからですね。
武将の特技や異民族の登場など、武将のキャラクター性を前面に出し、最新シリーズにある要素の基礎がつくられました。また攻城兵器なども登場します。
それにしても、筆者的にいま一つ影が薄い感じがするのはなぜなのでしょうか。
面白くないわけではないのですが、尖ったところが少ない気がします。ある意味無難に作られた作品で、可もなく不可もなくといったところです。
ポイント:3の進化バージョン。武将に特技があったり、攻城兵器が登場する。初PK作品。
三國志5 with PK
・三國志5 with PK(評価4):1995年発売(無印):インストール容量 691M
戦闘が面白く、戦場で部隊の陣形を変えてたたかうのが売りのゲーム。錐行や鶴翼など、陣形を切り替えることによって移動力や攻撃力が変化します。
それと名声でコマンドの実行回数が決まり、プレイヤーの取った行動によって名声が上下することから「名声ゲー」とも呼ばれていました(筆者のまわりでは)。
個人的にはやりこんでいたので高評価になります。
ポイント:戦闘が面白い。陣形を切り替えて敵と戦う。名声が高まるほどゲーム的に有利になる「名声ゲー」。
三國志6 with PK
・三國志6 with PK(評価5):1998年(無印):インストール容量 643M
人に焦点を当て、人付き合いの難しさを前面に押し出した異色作。
金をあげれば忠誠度があがるという生ぬるいシステムはなく、武将にあった仕事をあたえたりして機嫌をとっていかなければいけません。
また武将と面会して悩みを聞いてあげるなど、管理職の苦しさを味わうことができます。
戦闘に関しても指示をあたえるとそれに従って動き出す半委任方式。コマを一つ一つ動かすのでなく、あくまで監督業に務めます。他のシリーズが「ウイイレ」なら、これは「サカつく」といったところでしょう。
やはり君主プレイはこのようなスタイルが正しい気がします。本作のシステムを進化させて新作をつくってほしいです。
それと本作において、他のシリーズにない大きな点としては、一騎討ちの個人戦やトーナメント戦ができるところです。CPUに操作させてそれをただ観戦しているだけでもいいですし、自分で操作してもOKです。この一騎討ちモードも、新シリーズに導入してほしい要素です。
ポイント:人間関係重視の作品。監督プレイができる。
三國志7 with PK
・三國志7 with PK(評価3):2000年(無印):インストール容量 635M
シリーズ初の「どの武将でもプレイ可能」システムを採用した作品です。ある意味、三国志ユーザーの夢をかなえてくれたような作品です。これまでは劉備や曹操などの君主だけでしたが、本作からは夏侯惇や郭嘉、趙雲など、自分の好きな武将でプレイすることができるようになったのです。本作の発売が決まったときは、筆者はけっこう興奮しましたね。
本作では武将に焦点を当てただけあって、育成要素もあり、無印のばあいは雑魚でも鍛えれば関羽に勝つことができます。ただPKでは廃止されており、上限は元の数値+10になりました。さすがに文官が鍛えて関羽に勝つとか、無理がありますしね。
正直なところ、ある程度プレイすると作業になってしまいます。ゲーム性の深みはありませんが、妄想を膨らませながらだらだらプレイするのには適しています。
筆者はそこそこやり込んでいましたが、可もなく不可もなくといったところです。武将プレイはこののちも、『三國志8』『三國志10』『三國志13』で引き継がれます。
ポイント:シリーズ初の全武将プレイ。難度は低めで、まったりプレイするのに適している。
三國志8 with PK
・三國志8 with PK(評価4):2001年(無印):インストール容量 788M
『三國志7』をマイナーチェンジした全武将プレイの作品です。
特筆すべきなのは黄巾の乱から一年ごとにシナリオがあること。全部で51で、当時は「よくぞここまで」と驚きました。本当の意味で好きな年代からプレイできます。
このシナリオの多さは後続するシリーズ作品でひきついでほしかったのですが、さすがに作業量が多すぎるのでしょうか。
シナリオをながめてるだけでも楽しいです。それ以外においては、基本的な部分は『三國志7』とおなじような感じです。ただ「どちらを買ったほうがいい?」という話であれば、本作をおすすめします。
ポイント:7をバージョンアップさせた全武将プレイ作品。1年ごとのシナリオはさすがに「すごい」のひとこと。資料目的で購入してもよいぐらい。
三國志9 with PK
・三國志9 with PK(評価5):2003年(無印):インストール容量 1.27G
シリーズでもっとも評価が高いといわれてる本作。人気があることから実況動画なども多数存在します。
一枚マップで半リアルタイムの戦闘。武将がうごきまわって勝手に戦闘をしてるのを見るだけでも楽しいです。また計略や一騎打ちもオートでおこなわれ、監督(君主)気分を味わえます。
ゲーム自体も奥が深く、さまざまなマスクデータが隠されています。武将の相性などで、編成した部隊の能力も上がります。
そして異民族が強くてうざいです。隠し要素で卑弥呼まで出てきます。
PC版はいま遊ぶと画面の解像度の低さがネックになるでしょう。HD版かリメイク版を出してほしい作品です。
あとデータ差し替え画像差し替えのできるツール(非公式)があって、これを使うことで新たな三国志世界を構築することができたのも、長く遊ぶことのできた要員になっています。とにかくテンポがよくて楽しい作品です。
ポイント:シリーズ初の一枚マップ。隠し要素も多く、プレイヤーは監督的な立場でプレイ可能。根強い人気のある作品。
三國志10 with PK
・三國志10 with PK(評価3):2004年(無印):インストール容量 961M
全武将プレイがまた復活しました。『信長の野望』シリーズと違い、『三國志』シリーズは全武将プレイへのこだわりがある気がします。
酒場で依頼を受けたりなどRPG的な要素があり、内容的はアドベンチャーゲームをやってるような感覚でした。やけにクリックが多いのがきつかったです。移動するにしろなんにしろ、クリックをしなければなりません。
それと結婚して二代目をつくることができますが、基本的には子供が育つ前にゲームが終わります。
『三國志7』同様、だらだらと遊ぶ分にはいい作品です。
ポイント:全武将プレイ可能。クリックが多いのが難点。まったり遊ぶ分には適した作品。
三國志11 with PK
・三國志11 with PK(評価5):2006年(無印):インストール容量 1.98G
タイル状の盤面の1枚マップで、部隊を一つひとつ動かしてプレイします。
武将をコマとして動かしてる感じがボードゲームっぽくて楽しいです。
舌戦や一騎打ちもビジュアル的に迫力があってよくできています。相手の行動を読んで、それに勝っていくという流れも、カードゲームっぽくていい感じです。
ただその分、1プレイに時間がかかるのが難点ですね。
キャラクター重視と「ゲームしてます」という感じのプレイ感覚が個人的には高評価です。
ポイント:タイル状の盤面の一枚マップ。ボードゲームのようにユニットを一つひとつ動かして戦うのが楽しい。
三國志12 with PK
・三國志12 with PK(評価4):2012年(無印):インストール容量 10.8G
WEBゲームのようなシンプルすぎるマップの作品です。
先祖返りしたターン制プレイや、がっつりと減った武将や地域など、出た当時は「手抜き?」と思いました。
8で1年1シナリオをやっていたときの、9でさまざまな隠し要素をいれていたときの、三国志が好きで作っている感じのあった開発はどこへ消えてしまったのかと不安になりました。
作品的に力を入れているのは、戦場でのリアルタイムバトルです。オンライン対戦でのカード集めもあり、どうもユーザーが求めているものと違う方向へ進んでいるような気がしてなりませんでした。
ただPK出たのちに、一周回って面白い気もしてきました。
さくっと遊べるので、ストラテジー苦手な人はこの作品からはじめるといいかと思います。
ポイント:リアルタイムの戦場やオンライン対戦に力を入れた作品。内政などはきわめてシンプル。PKになっても正直手抜き感は否めないが、遊びやすい作品ではある。
三國志13 with PK
・三國志13 with PK(評価4):2016年(無印):インストール容量 13.9G
全武将プレイの作品です。マップ上でのユニットの行動は、リアルタイムで進行していきます。
無印のころは、倒しても倒しても敵がゾンビのごとく絶え間なくどんどん押し寄せてきたり、気を抜くとすぐに全国統一でゲームが終わってしまったり、活躍すればやりたくない都督に任命されてしまったり、シナリオスタート時のムービーが飛ばせなかったり、在野だとそもそもやれることがなかったり、移動が多くて面倒だったりなど、非難轟轟でした。
PKになって在野でもやれることが増えてましになりましたが、やはり移動が多くて面倒なのはあまり変わりませんでした。
あと内政で、部下の提案をいちいち承認するのも面倒。自動承認機能があればよかったのにと思います。ここさえちゃんとしていれば、何度も繰り返して遊べるゲームになっていたでしょう。
ポイント:全武将プレイ。包囲が強いので、弱い武将でも活躍できる。移動が多く、面倒なのが難点。
三國志14 with PK
・三國志14 with PK(評価5):2020年1月16日(無印):インストール容量 20G
本日(2020年1月16日)Steamで配信されました。いまプレイ中です。【追記】だいたい遊んでみた結果、『三國志9』と『三國志12』の良いところをうまく組み合わせ、さらに『三國志6』の委任的な要素もあるので、筆者好みの作品になっています。いまのところは高評価です。
本作のゲームシステムとしては、内政よりも戦争に重点を当てています。領土は城ではなく、「土地」の広さが重要になります。部隊を使って土地を塗りつぶし、その占有率で各地の収入などが決まります。
敵は城(都市)を占領していても、そのまわりの土地を塗りつぶされていたら、収入はどんどん減っていきます。そのため、ただ城を守っているだけではいけなくなりました。
また土地は「兵站」をも意味します。出陣させた部隊と自分の土地がつながっていないばあいは「兵站切れ」となります。その部隊はステータス異常を起こし、動けなくなってしまいます。
逆に内政は『三國志13』よりも簡素化されていて、基本的には人員を配置するぐらいになっています。内政好きの人には物足りませんが、戦争に集中できる形になっているともいえます。
ゲームシステムなどについては以下の記事を参照してください。
その他の情報については、『三國志14』のカテゴリーを設けましたので、こちらを参照してください。
評価はPKをやり込んでから出す予定です。ここまでは無印の評価なので、本当の評価はPKが出てからになるかと思います。しかし現状、『三國志13』のようにPKが必要という感じはなく、無印でもしっかり遊べるものに作られているのがいいですね。
(追記)PKをプレイしたので追記します。PK自体はPC版で6380円と値段の高さもあり、さらにシーズンパス2が5000円近くかかるなど、値段的には内容に対して割高感があります。
ただ無印がしっかり遊べるものになっているので、値段を考えなければ悪くはないでしょう。
またゲーム開始時の勢力の初期配置を変更する「国替」システムがあることで、リプレイ性が高まりました。
シリーズの9と11の良い部分を取り込んでいるので、いまから三國志シリーズをプレイするのであれば、本作をおすすめします。
PKについての詳細は以下のリンクを参照してください。
まとめ
というわけでおすすめは6、9、11ですが、いま6と9をやるのは操作系統やグラフィック的にきびしいかもしれません。
そうなると高画質やウインドウモードに対応している11が一番のおすすめかと。
11は一枚マップですがリアルタイムではないのでじっくり考えることもできますし、チュートリアルの劉備のやりとりも楽しいので、初心者でも安心してプレイができるかと思います。
【追記】現在のところ、『三國志14』は9と11のシステムに、6の委任要素的なものもあるので、おすすめとしておきます。最新作なので、いまからプレイするのにはいいかと思います。
今度もシリーズ新作が出るたびに記事をアップデートしていく予定です。
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