Steam『Death and Taxes』評価は「非常に好評」:生死を判断する死神版『Papers, Please』【新作レビュー】

2020年5月25日ゲーム評価アドベンチャー, レビュー

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死神となって、送られてきた資料の人たちの生死を判定するアドベンチャーゲーム『Death and Taxes』。Placeholder Gameworksによって、2020年2月21日にSteamで配信されました。

死神版の『Papers, Please』ともいわれる本作。レビューと感想、評価をお届けします。前回のレビュー記事は以下のリンクから。

 

どんなゲーム?

Death_and_Taxes

本作は死神となって、送られてくる資料の人物に対して、「生かすか(Live)」「殺すか(DIE)」の判定をします。

全員の資料に生死のどちらにしたかのマークを付けて、FAXで一括送信すればその日の仕事は終了になります。マークの付け方ですが、まず机の上のペンを手に取ってから、マーク欄をクリックします。

それだけかニャ?

スマホをいじったり、机の上のものをいじったりもできますが、基本的には生死の判断がメインですね。

プレイヤーは資料をよく読んで、その人を生かすか殺すかの判断をしなければなりません。仮に生かしたとしたら、それが原因となって現世で事件が引き起こされる可能性があります。

また机の上に「殺すべき人(人数)」の指示の書かれた手紙があるので、これに従うかどうかも判断する必要があります。

ストーリーが進むにつれて、「人生とはなにか」という哲学的なことまで考えるようになるでしょう。

いろいろと考えさせられる作品です。

 

ユーザーの評価

本作のSteamでの評価ですが、「非常に好評(92%、428人中)」です。

良作ニャ。

良かった点を以下にまとめます。

良かった点

・『Papers, Please』が好きならプレイすべし。人生について深く考えるようになる。

・あなたが生死を判断すべき人はあなたの前にはいない。あくまでお役所仕事。この状況に本作のブラックなユーモアがある。

・非常に哲学的なゲーム。

・静かでニヒリズムとユーモアのある物語。

・単純なようで複雑な結果が用意されている。

・ルール(手紙の指示内容)に従うか、それとも自分の判断を貫くか、この判断が面白い。

ゲームのストーリーやシチュエーションの面白さやユニークさ、哲学的な問いなどが本作の良かった点として多く挙げられていました。

悪かった点としては以下のものが挙げられています。

悪かった点

・生死を選ぶだけなので、私の思っていたゲームとは違った。

・『Papers, Please』に比べれば、ゲームとしての完成度は低い。

・判断すべき人物も、引き起こされる結果も、どこか遠くで起こっていることなので感情移入しづらい。

悪かった点についてですが、『Papers, Please』との比較で語られるものが多いですね。

また『Papers, Please』と違って、生か死かの判断をすべき人物が目の前にいないことから感情移入できないという意見も見られました。

たしかに『Papers, Please』のばあいは、目の前に人物がいるから、その人の運命を握る自分の判断を慎重にせざるを得ないというところがありますね。

 

総評

本作は死神となって人びとのプロフィールを読み、その生死を判定するゲームです。

しかしそのことにより、現世においてさまざまな結果が引き起こされます。殺すべき人物を殺さなかったことで、現世でさらに多くの人たちが死ぬこともあるでしょう。

『Papers, Please』との違いは、やはり目の前に該当人物がいるかいないかです。

送られてきた資料だけで判断するというお役所仕事なので、人物に対して感情移入がしづらいというのはたしかにあります。これは逆に、お役所仕事に対する風刺なのかもしれません。

ストーリー自体はなかなか興味深いものなのですが、現時点では英語しかありません。テキストを読むゲームなので、英語が苦手だとプレイは厳しいとは思います。

Steamストアページにデモ版がありますので、興味のある方は試してみるのがいいでしょう。