『三國志14』武将能力:黄月英の評価はいかに?【三国志武将評価シリーズ・その95】|三国志14
『三國志14』三国志武将評価シリーズの第95回目は、諸葛亮の妻である黄月英(こうげつえい)についてお届けします。前回の諸葛瞻は以下のリンクから。
人物について
黄月英は諸葛亮の妻で、沔南(べんなん)の名士である黄承彦(こうしょうげん)の娘です。「三国演義」においては、前回の諸葛瞻(しょかつせん)の母となっています。
正史や「三国演義」では、諸葛亮の妻の名前は出てきません。あえて書くなら「黄氏」「黄夫人」になりますね。
黄月英や黄婉貞(こうえんてい)などの名は後世の創作でつけられたものです。本記事では便宜上、表記を「黄月英」に統一します。
黄承彦は、気さくで愉快な人物だったといいます。諸葛亮に対して、
「おぬしは嫁をさがしているそうだが、わたしには醜い娘がいる。赤毛で色黒だが、才知のほうはおぬしとお似合いだ」
と娘をすすめました。
諸葛亮はこれを聞いて承諾すると、黄承彦はすぐに娘を車に乗せて送りとどけました。
じっさいに黄承彦の娘は醜かったようで、当時は物笑いの種になったそうです。
「孔明の嫁選びを真似するなかれ。醜い娘をもらうことになるぞ」
とまでいわれました。
まあ、なんといいますか、商業的にはそのほうがいいのでしょう。
後世では、
「じつは世間の目をあざむくために醜く化粧をしていただけで、じつは美人だった」説
が民間伝承で出てきますが、正直なところなんの根拠もありません。正史に従えば、すなおに醜かったと考えるべきでしょう。
「じつは美人だった」説は、逆説的には「美人じゃないと価値が無い」という世間の考えが見え隠れしてどうかなという気はします。「諸葛亮ほどの大人物が醜い嫁をもらうわけがない」という世間の願望のあらわれですね。
諸葛亮はそれがわかっていたのでしょう。「シュレック」は名作だと思います。
「じつは外国人だから髪が赤かった」説(外国美人説)もありますが、「どうしても美人にしないと気が済まない人たち」が世間にいたことはたしかでしょう。
「シュレック」は名作ですね。二度目ですね。
話をもどしまして、黄承彦は蔡瑁の父・蔡諷の長女を妻にしていました。
荊州の劉表もおなじく蔡諷の長女を妻にしているため、二人は義理の兄弟ということにもなります。
つまるところ、諸葛亮は劉表の義理の甥にもなり、その子ら(劉琦・劉琮)や蔡瑁とも親族になります。
『三國志13』であった、武将どうしのつながりシステムは、発展させたら面白いとは思いますね。中国は人的ネットワークが重要な社会ですしね。
あのシステムで「三國志」や「信長の野望」を作ったら楽しそうですね。いちおうDLC「Rajas of India」を利用した日本の戦国時代MODはありますが。
ところで黄月英についての民間伝承ですが、本シリーズでもたびたび紹介した「三国志外伝―民間説話にみる素顔の英雄たち(Amazonリンク)」(立間祥介/岡崎由美・訳|徳間書店)にもいくつか話が載っています。「じつは美人だった」説もありますね。
その中に湖北省の民間伝承で、「木牛流馬」の話があります。
諸葛亮は黄月英と結婚することになったのですが、婚礼の日のひと月前に黄承彦がやってきて、
「娘は、嫁入りの場には輿にも馬にも船にも乗らず、歩いても行かない。この条件で式を挙げられなければ、婚姻はなかったことにしてほしい」
といいました。
諸葛亮はどうすればいいのかわからず、ずっと考え続けました。そのあいだにも、婚礼の日は一日いちにちとせまってきます。
ある日のこと、臼の台を引きずる暴れ牛を目にして、諸葛亮ははっと思いつきました。
諸葛亮はすぐに家に戻り、「頭が馬で胴体が牛」という乗り物の図面を描きました。下には臼のような一輪の車輪を付け、人が座れるようにしたのです。
こうして、山道でも難なく走行できる手押しの一輪車「木牛流馬」が完成しました。輿でも馬でも船でもない乗り物です。
木牛流馬の噂はすぐに広まり、婚礼の日には大勢の人がひと目見ようと詰めかけました。黄月英もこの話を父から聞き、大喜びで木牛流馬に乗って諸葛亮のもとへと嫁いだといいます。
逆に黄月英が木牛流馬を発明したという民間伝承もありますね。
また黄月英が兵法に通じていて、諸葛亮にそれを教えたという話もあります。
今回はそんな黄月英の能力を見ていきましょう。
基本ステータスについて
統率:37
武力:28
知力:88
政治:77
魅力:70
主義:王道
政策:兵器強化(Lv4)(井闌・衝車・投石陣形の効果が増加)
配偶者:諸葛亮
親愛武将:諸葛喬、諸葛瞻、諸葛亮
女性武将では知力ランキング1位ですね。
2位が辛憲英の知力84、3位が王異の知力82、4位が貂蝉の知力81、5位が王元姫の知力80です。
まあ、架空の人物なので、そのあたりを論じてもあまり意味がないとは思います。上位の面子は全員「真・三國無双」シリーズにも登場していますね。
ちなみに黄月英のシリーズ初登場は『三國志9』からです。そのときは知力94ありました。
それから考えると、現在の知力はむしろ落ちているほうですね。統率も60ありましたが、37に落とされています。
といっても、本作でも兵器が使えるから強いのですけどね。
諸葛亮の養子でしたしね。ちなみに本作での諸葛喬の両親は、諸葛亮と黄月英になっています。
個性について
才媛:特定範囲内の敵ユニット(男)が状態異常になったとき、その期間を延長。
石兵:石兵八陣が建設可能。
発明:自ユニットが兵器のばあい、攻城と破城が上昇。
消火:自ユニットの移動先の土地の火を消す。
アップデート1.0.4で追加された新規個性ですね。移動先の火を消すことができます。火に巻き込まれなくなるのでけっこう便利です。
特筆すべきなのは、やはり兵器の能力を上げる「発明」ですね。全兵器の陣形と戦法が使えるので、それをさらにブーストしてくれます。
また「才媛」も異常状態を延長させるので地味に強いです。
陣形と戦法
雁行、井闌、衝車、投石
状況に応じて兵器を使い分けられるのは便利ですね。しかも戦法もすべて持っていますしね。
連弩:ダメージ+「足止」付与。対拠点可。
治療:負傷兵回復。対拠点可。
井闌:ダメージ。対拠点可。
衝車:耐久ダメージ。対拠点可。
投石:耐久ダメージ+ダメージ。対拠点可。
拠点への攻撃もできるので便利です。
また兵器戦法である「井闌」「衝車」「投石」もすべて使えます。戦況に合わせて陣形を選んでいくといいでしょう。
総評
黄月英は、兵器のエキスパートともいうべき武将です。
「井闌」「衝車」「投石」のすべての陣形を使うことができ、それぞれの戦法も持っています。さらに「発明」の個性で攻城・破城がアップします。
異常状態延長の「才媛」や火を消す「消火」もあり、サポートユニットとしては申し分ないでしょう。
統率・武力は低いので、しっかり守りつつ、拠点攻略のお供として連れていきたいユニットです。
次回は司馬懿の妻である張春華を予定しています。
↓次回出来ました。