『三国志漢末覇業』レビューと感想・評価ー中国のつくった三国志の戦略ゲーム
三国志のゲームといえばコーエーが有名ですが、Steamに中国のディベロッパーがつくった『三国志漢末覇業』という戦略ゲームがあります。
本作はLongYou Game Studioが開発し、2017年5月27日にLongYou Tech LtdによってSteamで配信されました。
まだ早期アクセス版ですが、日本語にも対応していて、だいたい形がととのってきたようです。
とりあえず新規ゲームをスタート。プレイしながら内容を見ていきます。
ゲームシステムについて
シナリオは現時点で6つ用意されています。史実シナリオが5つと、英雄集結的な架空シナリオが1つです。
アーリーアクセスなので今後増える可能性はあります。またシナリオを自分で作成することも可能。
孔明の登場する207年シナリオでやってみます。
全体マップはこんな感じ。使用キャラには劉備を選びました。勢力の強さは5段階中最低の1です。
劉備の国力は弱いですが、配下の武将は最初から20人もいます。孔明の奥さんもいますね。あと夏侯蘭《かこうらん》や、張飛の妻の夏侯氏もいます。
この手のゲームは人材の質や量のほうが重要ですから、強い武将が最初からいるのは有利です。
シナリオ開始時に、ゲーム背景の説明が入ります。このあたりはコーエーシリーズっぽいですね。
メインのゲーム画面もコーエーライクな感じです。
画面左上にならぶ丸型アイコンは処理すべきイベントです。このあたりは『Europa Universalis IV』などを思い浮かべます。
関羽のパラメータを見てみました。攻城やら算学やら、パラメータがかなり細かく設定されています。
列伝もありますが、ここは中国語のままです。そのうち日本語に翻訳されるかもしれません。
面白いと思ったのは、継承システムです。
君主が死んだあと、だれがあとを継ぐかの順番が決められます。それによって部下の忠誠度や勢力の安定性に変化が起こります。
こういうシステムは『Crusader Kings II』っぽいですね。現時点では劉封が第一継承者になっていました。
各種コマンドについて
内政では各種目に担当者をつけ、毎月いくら投資するかを決めます。自動配置できるので、自動配置で配置してみました。
技術ツリーもあります。武将を2人配置することで、技術研究をおこないます。コーエー三国志12のシステムに似ていますね。算学の能力が高ければ研究コストが減ります。
初手でなにがいいのかよくわからないので、とりあえず劉備と趙雲に狩猟研究をさせてみました。
探索コマンドでは人材や宝を見つけてきてくれます。とりあえず孫乾を送っておきましょう。
徴兵コマンド。現在は軽歩兵、軽騎兵、軽弓兵の三種類から選べます。
現在兵科ごとに9000ずつ兵力を持っているので、関平に徴兵をさせます。
武将の能力に応じて徴兵数が決まります。
太学システム。人材を割り当てることによって子弟を持ったりすることができるらしいのですが、ヘルプ機能が作動しないためよくわかりません。まだ開発中でしょうか。
偵察コマンド。人材を割り当て、他国を偵察します。いわゆるスパイコマンドですね。
謀略をするためには相手国の状況がわからないといけないので、割り当てておきましょう。
離間コマンド。謀略には離間、流言、籠絡の3種類あります。これも人を割り当てておこないます。
流言と籠絡は前もって偵察をしないと実行できません。
出征コマンド。兵を出して敵国を攻めます。それぞれの部隊には副将を置くことができます。
自動編成があるので、とりあえず使ってみたら上のように並びました。ためしに戦争でもしてみましょう。
戦闘について
ターン制ですので、命令がすべて終わったらターンを進めるボタンを押します。
すると部隊などが動き出します。ここは三国志9っぽいです。
部隊どうしがぶつかると戦場画面に。相手は曹操配下の猛将・夏侯惇です。
ターン制ですのであせらずゆっくり考えることができます。
戦場には天気があり、霧がかかると敵部隊が見えなくなります。
伏兵で待ち構えていると、敵に火矢を撃たれました。敵が接近してきて、火もひろがって、敵味方かかわらずぐだぐだな展開に。
張飛の部隊が火を受けつづけて消滅。知力が低いと厳しいですね。
ぐだぐだと戦いながら、どうにか夏侯惇軍に勝利しました。
進軍をつづけ、攻城戦に突入します。
守るは曹操陣営の要、曹仁です。
兵力は守備側が有利。しかも相手には投石機もあります。
いっぽう、劉備勢は攻城兵器いっさいなし。
普通はたたかうべきではないのですが、なぜか城門の前に総大将・曹仁の姿がありました。
と思ったら、曹仁が単騎で突っ込んできました。
え、いいの?
総大将倒したら終わりのはずでは。
兵力で負けているにもかかわらず、曹仁を囲んで倒して攻城戦に勝ってしまいました。
攻城はいっさいしてませんが。
さきほどの夏侯惇戦も弓兵が突っ込んできてましたし、AIがちょっと残念な感じです。
まだ早期アクセスなので今後の改良はあると思います。
曹仁の兵5000だけを倒して勝利です。
城内に18000の兵を残しているにもかかわらず、城を占領できました。うーん、どうなんだろう。
占領後は城の方針を決めます。
このような感じで天下統一をめざしていきます。
まとめ
まだ早期アクセスということもあって不備な点もありますが、内容は正史寄りで、かなりマイナーな武将も多数登場します。
登場武将は千人以上だそうです。
また武将のパラメータも細かいので、それらを見ているだけでも楽しめるかと思います。
やはり未完成感は否めないので、完成品を求める人は早期アクセスが終わるのを待ってからのほうがいいかもしれません。