『クライムサイト』レビューと評価・感想ー人狼のように見せかけた推理型チェス【CRIMESIGHT】|Steam
殺人を犯す側と、それを守る側で戦う対戦型ターン制ストラテジー『クライムサイト(CRIMESIGHT)』。
コナミデジタルエンタテインメントによって、2022年4月15日にSteamで配信されました。
ぱっと見た感じは、殺人犯が誰だかわからない中で、攻撃側と防御型で戦う人狼型のゲームだと思ったのですが、どちらかといえばチェスに近いプレイ感覚でした。
今回は本作のレビューと感想、評価をお届けします。
どんなゲーム?
本作は、殺人鬼側(モリアティ)と、探偵側(シャーロック)に分かれて戦うターン制の変則チェスです。
人狼との違いですが、プレイヤーは特定のキャラクターを演じるのではなくて、あくまで登場人物たちをコマとして扱います。
そうですね。
そしてモリアティ側は、誰がキラー(殺人鬼)で、誰をターゲット(被害者)かをあらかじめ知っています。
そして犯人と犠牲者を同じ部屋に配置することで、犯行を成しとげることができます。実行のための条件としては、おなじ部屋には、犯人と犠牲者以外の人物がいてはいけません。犯行を目撃されるからですね。
一方、シャーロック側は、誰が犠牲者なのか、誰が犯人なのかを推理して、その2人がおなじ部屋に留まらないように注意をします。
互いにコマを動かし合い、一定のターン、殺人をおこなうことができなければ、シャーロック側の勝ちになります。
コマを動かすときの条件として、シャーロック側はすべてのコマを動かせますが、モリアティ側はターゲットを動かすことができません。
そういうことになりますね。
それと3ターンに1度、シャーロックの推理能力により、「ターゲットの3マス以内にキラーがいるかどうか」を教えてくれます。これを利用して、キラーを推理するのがいいでしょう。
まあ、正直ちょっと複雑ですね。コマが多い状態だと、ごちゃごちゃして推理するのも面倒という状態になります。
プレイ感覚は「詰将棋」を遊んでいるような感じでしょうか。
モリアティ側は、いかにしてキラーとターゲットをおなじ部屋に配置するか、それを考えなければなりません。
コマたちは食料無しで一日を過ごすと、飢えで行動範囲が狭まります。
モリアティ側は食料を取るのを妨害する必要がありますが、キラーの食料は確保する必要があります。このあたりの駆け引きが難しいですね。
それと突発イベントなども発生して、事態をさらに混乱させてきます。
慣れないうちはかなり難しめの内容かなとは思いますね。人狼の気軽さはありません。
どちらかと言えば、チェスとか将棋とかが好きな人向けのゲームとは思います。
ユーザーの評価
本作のSteamでの評価ですが、「非常に好評(87%、376人中)」になっています。
本作の良かった点・悪かった点については以下のとおりです。
・キャラクターのビジュアルが良い。
・チュートリアルがしっかりしている。
・斬新なゲームプレイ。
・慣れれば読み合いが楽しい。
・ルールが煩雑で、取っつきにくい。
・ゲームテンポが悪く、繰り返し遊ぶ気になれない。
・そもそもオンラインでルールを把握していない人が多いので、運ゲーになる。
・1プレイが長いことからオンラインは過疎化気味。
やはり目新しいゲームということで、ルール把握が難しいというのはありますね。ちょっと凝ったボードゲームといった感じです。
またマルチ対戦主体のゲームなのに、テンポの悪さからオンラインが過疎気味というのもありますね。
総評
ゲームとしては、新しい試みをしようとしている点は評価できます。
これまでにあったゲームのリメイクやフォロワー作品でなく、独自のルールをつくったのは良い点でしょう。
しかし思ったよりもルールが煩雑で、推理できる余裕がプレイヤーにできるには、かなりのやり込みが必要になるとは思います。
またゲームテンポの悪さが、繰り返しプレイの意欲をそいでしまうというのもありますね。
プレイ時間が長いこともあり、野良でのオンラインプレイにはあまり向かないような気もします。
ただボードゲーム好きな人には刺さるゲームとは思いますので、ボードゲームが好きならトライしてみるのもいいとは思います。