『ステラリス』のDLC、どれがおすすめ?全DLCを5段階評価【Stellaris】
『Stellaris』は2016年5月9日にSteamから配信されたSFストラテジーゲームです。
『Europa Universalis IV(EU4)』や『Crusader Kings II(CK2)』などの歴史ゲーム中心だったParadox社がSFを題材にしたゲームを出したため、配信当時は大きな話題になりました。
現在ではDLCも増えてきたため、一度まとめることにしました。基本的にEU4のような必須DLCというものはないので、おすすめ度という形で5段階評価します。
本作初プレイの人は、バニラ状態(DLCを入れない状態)で遊んで、物足りなくなってきたらDLCを追加するのがいいでしょう。本体自体の完成度が高い作品なので、最初からDLCを入れる必要はないかと思います。
拡張DLC以外に、ストーリーパックDLCや種族イラスト追加DLC、DLCパック購入時の注意点などについても言及します。
セット買いするときの注意点については、記事最後のほうの「DLCセット(まとめ買い)購入時の注意点」を参照してください。
拡張DLC
Utopia
Utopia(おすすめ度:4)
大きな特徴としては巨大構造物の建造が可能になります。
ダイソンスフィア、リングワールド、軌道上住居など、SFファンが好きそうな巨大構造物が登場。これらにピンときた方は導入すると楽しくなるでしょう。ただしかんたんに建造できるものではありませんが。
また条件を満たすことにより、アセンションパークというボーナス効果が追加されます。具体的には研究速度が10%上がるみたいなものですね。ただこれは、2.0アップデートによって本DLCなしでも使えるようになりました。
また種族を進化させるアセンションパスや、5年に1度異次元へアクセスできる「the Shroud」などの要素も追加されます。
統合形態に「集合意識」という、これもSFファンが好きそうなものが追加されます。原始文明を教化することや、奴隷に「戦闘奴隷」「家内奴隷」などを追加したりなどもあります。
国是には「機械主義」「混合進化」「狂信的な浄化主義」が追加されます。
普通にプレイするにはあまり使わない要素が多いので、あるていどバニラをやり込んでからのほうがいいかもしれません。
ポイント:巨大構造体を作りたい人向け。
Apocalypse
Apocalypse(おすすめ度:3)
タイタン級やコロッサス級の巨大戦艦を建造可能になります。
「SFといえばタイタン級」という方にはおすすめです。『EVE Online』というSFゲームでも、タイタン級が敵地にワープして大きな戦争につながったという事件がありましたね。
コロッサスは惑星攻撃用の戦略兵器です。スターウォーズのデススター的な存在ですね。対艦戦闘能力は皆無なので運用には気をつけましょう。
それから防衛プラットフォームでイオン砲が使用できます。
またモンゴルの騎馬民族を思わせるような「マローダ」が追加されます。入植をしない民族で、略奪をしてきたりします。傭兵として雇い入れることも可能です。
「ポスト・アポカリプス」「野蛮な略奪者」「生命の播種」など、世紀末的ヒャッハーな国是も追加されます。
ポイント:巨大戦艦を作りたい人向け。
MegaCorp
MegaCorp(おすすめ度:4)
経済プレイ強化DLC。企業帝国のCEOとしてプレイすることができ、影響力を他の星々へと広げることが可能です。貿易協定のある帝国の中に支社を置くこともできます。
「巨大芸術体験施設」「星間会議場」など、巨大構造物の建造も可能。銀河市場や奴隷市場も開催され、戦争一辺倒だったゲームプレイに変化をあたえてくれます。
異なる種族を交配する「異種族間交配」も可能に。『Stellaris』に飽きてきたころに本DLCを導入すると、いいテコ入れになるかと思います。
ポイント:企業のCEOとして、銀河を経済で征服したい人向け。
Federations
Federations(おすすめ度:4)
まだ配信されていませんが、事前情報としては外交機能強化DLCのようです。【追記】配信されました。「起源」システムで国家のバックグラウンドに肉付けできるなど、良DLCです。
「MegaCorp」が経済による支配だとすると、本DLCは外交による支配が可能になります。
銀河議会という国連のようなものがあり、そこでルールを設定したり、決議を可決したりといったことができます。
また帝国誕生までの歴史を設定して、開始状態を変更することが可能です。「起源」システムと呼ばれるもので、帝国がどのようにして現在の状態になったかを決めていくことができます。
さらに可動式巨大惑星基地「Juggernaut」や、生産速度の速い超巨大構造物「Mega Shipyard」など、巨大構造物の建造ができるようになります。
ポイント:外交で銀河を支配したい人向け。また「起源」システムで帝国の生い立ちを肉付けしてロールプレイしたい人向け。
Nemesis
Nemesis(おすすめ度:2)
「スパイシステム」が追加されるDLC。敵陣営にスパイを送り込み、諜報活動をしたり、技術を盗んだり、サボタージュしたりなどができるようになります。
また帝国が強力になると、「銀河の脅威」あつかいされるかわりに、ボーナスをアンロックしていくことができます。逆に、危機に立ち向かう守護者として戦うことも可能。
新たな艦船セットも追加されますが、DLC全体のボリュームは小さめです。値段が高い(2050円)のがネックでしょうか。正直、1000円前後が適正価格のような気がします。
ポイント:スパイ工作をしたい人向け。銀河の脅威になったり、銀河の危機に立ち向かったりといったプレイも可能。ボリュームに対して値段が高いのが難点。
Overlord
Overlord(おすすめ度:2)
帝国プレイ強化DLC。「家臣システム」が導入され、従属国に専門の特性を持たせることができます。
また新起源が5つ、巨大構造物が3つ、中立機構が3つ、新BGMが4曲追加されます。
正直、値段に見合うかと言われれば「うーん」とうなってしまうのですが、大国家で多数の国を管理したい方には適しているDLCとは思います。
ポイント:大帝国でプレイしたい人向け。従属国に専門の役割をあたえられる。新起源や構造物、中立機構、新BGMも追加されるが、内容からすると定価は高めか。セールのときにでも。
Galactic Paragons
Galactic Paragons(おすすめ度:3)
リーダー特性強化DLC。大量の新たなリーダー特性が追加されます。理事会メカニクスとして、政治体制にもとづいた役職が設定されており、そこにリーダーを配置することが可能。
またパラゴン(逸材)を仲間にすることができ、「レジェンダリーパラゴン」という4人の特別なパラゴンも用意されています。
8つの新たな国是、12種の新しいベテランクラス、2種の新たな伝統ツリー、新しい艦船・アート・ストーリーコンテンツなども。帝国に個性を付けたい人にはよいDLCとは思います。
ポイント:リーダーを個性的にしたい人や、ロールプレイを重視したい人向け。
Astral Planes
Astral Planes(おすすめ度:1)
宇宙に登場する裂け目から「Astral Planes」に関するストーリーが展開していきます。
新たな起源、8つのレリック、4つの国是、10 個のアストラル アクション(DLC「Overlord」があればさらに4つ追加)、3つのサウンドトラック、70以上のイベント画像が追加されます。
正直なところ、拡張というよりはストーリーパック的な内容なので、あってもなくてもいいような感じですね。
これまでのDLCをすべてプレイしていて、さらに新しい要素が欲しいという方にはどうぞといったところです。
ポイント:宇宙の裂け目から展開される新たなイベントをプレイしたい人向け。拡張というよりストーリーパック的な内容。
The Machine Age
The Machine Age(おすすめ度:4)
人工生命体をテーマにしたDLC。
肉体とサイバネティクスの融合や、人口生命体の勢力拡大など、3つの新たな起源が追加されます。
また6つの新たな国是、2つの船のセット(サイバネティックと機械)、2つの新たな超構造物(溶融アーク炉と強力なダイソンスウォーム)、新たなPop特性、シンセティックな7つの新曲も追加。シーズンパス「Season 08」に含まれています。
ポイント:人工生命体関連の起源や国是の追加。サイバネティックなどメカメカしいものに興味のある人向け。
ストーリーパックDLC
ストーリーパックDLCは、ゲーム内にイベントやBGM、ポートレートなどを追加します。ゲームプレイに変化が欲しくなったときに導入するといいでしょう。
ただ導入によってゲームの難度が上がるため、あるていどゲームに慣れてからのほうがいいかもしれません。またストーリーは意識してイベントを追っていかないと発生しないので注意が必要です。
Leviathans
Leviathans(おすすめ度:2)
某有名RPGの召喚獣でもおなじみのリバイアサン。超強力な宇宙生物(ガーディアン)が多数登場し、プレイヤーを苦しめてきます。
倒すと影響力や特性などにボーナスが得られます。専用のイベントも発生し、RPG的な展開になります。
リヴァイアサンの脅威にどう対抗するかなど、ゴジラ映画が好きな人には刺さるのではないかと思います。
ただ本作はバニラ状態でも難度の高いゲームなので、厳しい戦いになるでしょう。
ポイント:巨大怪獣の脅威に立ち向かいたい人向け。
Synthetic Dawn
Synthetic Dawn(おすすめ度:2)
機械帝国DLC。統治形態に「機械知性」が追加されます。
また機械が反乱を起こすというSFおなじみの展開も、ランダムイベントとして追加されます。惑星を乗っ取られて独立されることもあります。
機械種族のイラストやBGMも追加されます。
ポイント:機械帝国プレイや、機械に反乱を起こされたい人向け。
Distant Stars
Distant Stars(おすすめ度:1)
Lゲート発生のイベントが追加。研究して起動するとLクラスターという星団に入ることができるようになります。
Lゲートは銀河内のあちこちに存在し、ワープホールとして使うことができます。運良く敵領内にゲートがあれば、一気に大軍を送り込むことも可能。
それ以外にもアノマリーやイベントが追加されます。
ポイント:Lゲートが使いたい人向け。
Ancient Relics
Ancient Relics(おすすめ度:2)
遺産発掘強化DLC。遺跡発掘のためのストーリーイベントが展開されます。
また太古の遺産が追加されたり、出土品でボーナスを得たりすることができます。Lゲート関係の出土品もあるので、「Distant Stars」と組み合わせるといいかと。
遺産が増えるので、ゲームプレイがちょっとリッチになります。
ポイント:遺跡発掘などがしたい人向け。
First Contact Story Pack
First Contact Story Pack(おすすめ度:2)
起源強化DLC。新たな起源として「破られた桎梏」「報復」「暗闇の恐怖」を追加。
また前FTL交流オプションや、秘密裏に監視を行ったり、気付かれずに敵を捕らえたりできるクローキング技術などが追加されます。
他のDLCに比べるとゲームへの影響は小さいので、雰囲気作りぐらいの意味での導入になります。ふところに余裕があればといったところで、積極的に導入する必要はないかと。
ポイント:新たな起源や前FTL交流オプション・クローキング技術の追加。フレーバー的な小型DLCといった感じの内容。クローキングが使いたい人向け。
種族イラスト追加DLC
種族のイラストを追加します。「おなじ顔に飽きた」という人はどうぞ。SteamワークショップにもイラストMODはけっこうあるので、自分の気に入るものを探してみてください。
Plantoids Species Pack:パックンフラワーみたいな植物系や、あまり人っぽくない種族イラストを追加。
Humanoids Species Pack:人型の種族イラストを追加。
Lithoids Species Pack:岩石でできた種族を追加。長寿であり、ほぼすべての環境でコロニーが作れるのが特徴。
Aquatics Species Pack:水性種族と海洋文明を追加。水の惑星をつくることができる。筆者的にはオススメDLC。詳細は以下の記事を参照。
Toxoids Species Pack:毒性種族を追加。惑星の荒廃など気にせず、リスクを取って目先の利益を最大にしていきます。面白いプレイ感覚から人気が出ていますね。詳細は以下の記事を参照。
Rick The Cube Species Portrait:謎の種族キューブのポートレートを追加。シーズンパス「Season 08」に含まれています。
ポイント:種族イラストをリッチにしたい人向け。Steamワークショップもチェックするといいかも。
DLCセット(まとめ買い)購入時の注意点
まとめ買いできるDLCには、以下の2種類があります。DLCのかぶりがあります。
STARTER PACK:本体+「Utopia」+「Apocalypse」
ASCENSION PACK:「Utopia」+「Apocalypse」+「MegaCorp」+ストーリーパック3本(「LEVIATHANS」「SYNTHETIC DAWN」「DISTANT STARS 」)+種族イラスト追加DLC2本(「PLANTOIDS SPECIES PACK」「Humanoids Species Pack」)
筆者おすすめの買い方としては、まず本体だけ買ってプレイするのがいいでしょう。
ゲームが合わなかったらそれで撤退すればいいですし、さらに遊びたくなれば「ASCENSION PACK」を購入するのがいいかと。
「Utopia」「Apocalypse」は「ASCENSION PACK」に入っていますので、「STARTER PACK」を買う必要はないかと思います。
ポイント:本体だけを買う。→やり込んでから「ASCENSION PACK」を買う。
まとめ
やはりというかなんというか、現状、おすすめ度5のDLCはありませんでした。ある意味、DLC商法としては良心的といえるでしょう。
『Stellaris』は本体自体が作り込まれているので、正直なところDLC無しでもとくに大きな不満がありません。他のParadoxゲームと比べると完成度の高い作品といえます。
『Stellaris』自身の難度が高いこともあり、DLCによって難度をさらに引き上げてしまうと、「やってられない」とゲーム自体を投げ出してしまう可能性もあります。
最初のうちはDLC無しでのプレイをおすすめします。慣れてきてプレイ展開に飽きてきたときに導入するのがいいかと思います。
ほかのParadoxゲームの5段階評価はこちらを参照してください。