『VICTORIA3』超初心者向け講座ー日本で基本を一気に学ぶ【ver1.6以降】
産業革命以降の植民地時代を舞台にした歴史シミュレーション『VICTORIA3』。
購入したのはいいけれど、遊び方がなんかよくわからなくてそのまま放置してしまった人も多いのではないかと思います。
またパッチが入って、だいぶいろいろ変わってしまったことから、ひさびさに復帰すると「あれ、こんな要素あったっけ?」「建設局のインフラコスト、こんなに高かったっけ」「税金上げまくる戦略使えないんだけど」みたいになるとは思います。
そんなわけで今回は、「こんだけ覚えておけばまあ遊べるんじゃね?」みたいな部分を日本プレイで解説していきます。そのまま従えば、超初心者でも内政・外交・軍事・植民地化がなんとなくわかるとは思います。
日本で基本を学ぼう
インフラ大国日本
まずプレイ国家は日本です。
なぜ日本かというと、とっつきやすいからです。スタート時の「派遣国家」から「日本幕府」を選んでプレイしましょう。
それ以外にも、資金が豊富ですし、開始直後からインフラが充実しているのもありますね。
インフラは「その地域にどれだけ施設を建てられるか」の数字だと思ってください。
日本だとインフラが高い上に、施設が大してないので、施設を建てる余地がかなりあります。そのため初心者プレイ向きともいえます。
よくスウェーデンが初心者向きと言われていますが、インフラがけっこうカツカツ(建設の余地が少ない)なので、個人的にはあまり初心者向きとは思っていません。
まず状況を確認しよう
ゲームスタート後にまずやることですが、画面上部中央を確認してください。ここに国家の問題点とか、やらなければならないことが出てきます。電球は「技術ツリー」ですね。これはあとで解説します。
日本の場合はとくに大きな問題もなく、しいて言えば「快速帆船」の値段が高いというぐらいです(実際は各地の課税キャパシティが低くて未回収の税金が多いというのもありますが、これは後述します)。
値段が高いということは、供給を増やしてやればいいので、「快速帆船」を生産できる「造船所」を増やしてやればいいというのがわかります。
基本的にこのゲームは、ここに出てくる問題点をどんどん解決していけばゲームをした感じになります。
「高価な~」なら、その商品を生産するか輸入するかで供給を増やす。供給が増えれば値段が下がる。
日本の場合、開始直後は孤立主義で輸出入ができないので生産するしかないですね。
ただいきなり造船所をつくる必要はなく、後述の建設局をつくるのがいいでしょう。
というのも、快速帆船自体の需要が少なければ、ちょっと高いぐらいにしておいたほうが職員の給料が上がります。
それから市場のデータ一覧の「収支」をソートして、足りないもの(-が大きい商品)をつくっていく習慣づけていけばいいでしょう。最初は木材とか鉄とかが足りなくなります。こちらが本当の需要ですね。
-100以上のものは積極的につくっていくという感じですね。ここだと工具・家具・酒類・食肉が-100を超えているのでかなり足りないです。これらをつくっていくということになります。
逆に高価になっている快速帆船ですが、需要(収支)を見るとプラマイ0なので無理に作る必要もないといったところです。
ぶっちゃけこのゲームは「少ないものをつくる」だけです。これをひたすら繰り返すのです。
基本的にはちょっとマイナス状態にしておいたほうが、需要がある状態になります。
基本的にこのゲームは一覧表の収支とにらめっこして、「足りない」→「作る」→「足りない」→「作る」をひたすら繰り返す地味なゲームです。
この作業に耐えられないと、たぶんこのゲームを遊んでも面白くないとは思います。
さらに慣れたら、ゲームスタート時に何からつくるかのテンプレートを自分で考えるといいでしょう。初手建設局というのは基本的なテンプレートですね。
日本市場価格と現地価格
あとパッチでややこしくなったのが、日本市場価格と現地価格が分かれたことです。
どういうことかというと、たとえば造船場のある九州だと「高速帆船」は日本市場価格より-27%安いのに対して、他の地域は日本市場価格より+5%高い状況になっています。輸送コストと考えたほうがいいですね。
そのため、以前までの一か所に何かを建てまくる戦略は、ゲーム前半はあまりよい手とはいえなくなりました(ゲーム後半はそんなに気にしなくてよくなりますが)。
最初のうちは分散して建てて、その地域で使ってもらったほうがいいのですね。
そして現在、快速帆船の日本市場価格は、基本価格よりも+53%も高い状況です。つまり造船場のない地域というのは、ただでさえ高い日本市場価格よりもさらに高いのですね。
そんなわけで、最初は九州以外に造船場を建ててやるのがいいでしょう。快速帆船の消費量を見ると、九州のつぎに関東と関西が多いので、このあたりに造船所を建ててやりましょう。
ただ消費量自体が少なければ、無理に建てる必要はありません。値段を少し高いぐらいにしてやった方が、働いている人たちの給料が上がるからです。さっきも見たとおり、快速帆船の日本全体の需要は0に近いので、それよりもマイナスが多いものを優先したほうがいいです。
とにかく重要なのは値段ではなく消費量(収支)です。市場一覧の「支出」とにらめっこしてください。マイナスがでかいものをつくっていきます。
他のものも似たような感じで、サプライチェーンを地産地消でやってもらいます。
それとゲームをはじめたばかりのときは気にしなくていいですが、「サービス・輸送・電気」も地域ごとになりました。地域ごとの商品になったので日本市場価格とかはありません。地域ごとでなんとかしてもらう形です。
それと日本市場と地域の価格差ですが、日本の場合市場アクセスは「基本値+75%」がある一方、「伝統主義-15%」が足を引っ張るため、実質60%ということになっています。市場アクセスが高くなれば現地価格を気にせず、集中建築による規模の経済に移行することができます。
最初のうちはそんなに気にしなくてもいいでしょう。むしろ伝統主義のまま、侍の国で突っ走るのもいいかもしれません。そこは自分のプレイスタイルに合わせるといいでしょう。
建設とインフラ
建設には時間がかかりますが、まず「建設局」を建てることによって建設時間を短縮することができます。
そのため以前までは、とりあえず「建設局」を建てまくってから建設をするみたいな戦略だったのですが、現在のバージョンでは微妙になりました。
というのも、建設局のインフラコストが0.2から2と10倍になってしまったため、建設局を建てまくると、地域のインフラを圧迫してしまうことにもなります。日本はインフラに余裕があるのでいいのですが、スウェーデンとか他の国で建設局建てまくり戦略をやるとほかのものが建てられなくなって厳しいことになります。
とはいえ、建設局を建てることは重要なので、インフラと相談しながら建てていくといいでしょう。
建設局を一か所に集中して建ててもいいですが、建設局があるところはそれに応じて地域の建設効率も上がります。建設が多くなりそうな地域に建てておけばいいでしょう。
建設局が稼働すると「軟材」「生地」が必要になるので(鋳鉄施設にすると「鉄」「工具」も必要)、こちらも同じ地域に「伐採場」や「綿花農園」「家畜牧場」を建ててやるとよいでしょう。
このあたりも市場の「収支」を見て、マイナスが大きいものを建てていくのがいいとは思います。
POPについて
本作品を複雑化しているものとして、POPというのがあります。
国民にはそれぞれ階級と職業が用意されています。分けると以下のようになります。
上流階級:貴族・資本家
中流階級:学者・公務員・聖職者・技師・農家・仕官・商店主
下層階級:事務員・労働者・機械工・兵士・百姓・奴隷
国を富ませるというのは、できるだけ下層階級を少なくして、中流・上流を増やすということになります。
下層階級の中でもとくに給料が安いのが奴隷と百姓なので、これらをいかに減らすかが重要になります。とくに序盤は百姓を減らすことですね。
百姓を減らすには、工場を建てるなど働き口をつくることです。建てるのはもちろん需要の多い商品の工場ですね。これも結局は市場の「収支」とにらめっこします。
さらに給料の高い職業に就くには資格が必要になるので、識字率が高い方がこれを取得しやすくなります。
基本的には工場とかが増えていけば、自動的に百姓は労働者などに転職して減っていきますので、プレイヤーのやることは識字率を上げてさらに上の職業に転職しやすいようにするのがよいでしょう。
それぞれの工場には必要な人数の資格保持者が必要なので、上流・中流が少ないと工場自体が動かない(雇用が足りない)ということになったりもします。上流階級である資本家が少ないと、いろいろと厳しい状態になるのですね。
課税キャパシティ
日本はほとんどの地域で、徴収できる税金が課税キャパシティを大きく超えています。
これを修正するには「行政府」を建てたり、-25%のデバフがある「伝統主義」をなんとかしたりなどで対応できます。
「行政府」を建てるのが一番簡単ですが、「紙」を消費しますので、「製紙工場」も合わせて建てておきたいところです。
布告を行う
それと「政治レンズ」→「布告タブ」ですが、日本は権力にけっこう余裕があるので、最初は全部の地域に「社会的流動性の促進」を布告しておくといいかと。
これは「教育機会+25%、資格取得+25%」と教育方面にブーストを入れられます。国民の頭がいいほうが国家運営には有利です。
インフラはしばらく足りなくなることはないとは思いますが、足りなければ「道路整備」をつかえばいいでしょう。
技術ツリー
技術ツリーですが、生産を上げたければ「機織り機」などを、軍事なら海軍が無いので「外輪船」、もしくは陸軍強化のために「ナポレオン戦争」まで取ってしまうなど、自分のプレイスタイルに合わせるといいでしょう。市場アクセスを上げたければ「証券取引所」などですね。
このあたりは、最初は適当にフィーリングでやればいいとは思います。
そもそもこのゲームに成功も失敗もないので、たとえ滅びたとしてもその過程を楽しんでいけばいいでしょう。
それと技術を取るときですが、ティアをすべて埋めてからでないと、次のティアに補正がかかります。
たとえばティアIの技術を全部埋めないと、ティアIIの技術取得は遅くなります。とくに目的がなければ、ティアを全部埋めてから次のティアに移行するといいでしょう。
それと分野ごとにティアは独立しているので、生産のティアIが埋まっていれば、他のティアIが埋まってなくても、生産のティアIIに補正はかかりません。
植民地と外交
内政はとりあえずこんなところで、つぎは「サハリンを植民地化する」ことをめざしていきます。これで植民地化の方法と外交を学んでいきます。
まずゲーム開始時から、日本は北海道北部のアイヌモシリに対して植民地化を進めています。
他の国で植民地化をするためには「植民地化」の技術を取らなければならないのですが、日本の場合は最初から持っています。ただ「辺境の植民地化」(陸続きの場所のみ)なので、アイヌモシリの植民地化が終わらないとサハリンとは陸続きになりません。アイヌモシリの植民地化が終わるまで待ちましょう。
あと植民地の対象国家は「分権型国家」である必要があります。さらにアフリカはマラニアがあるので「キニーネ」の技術が必要になりますが、これは技術でとらないといけないので先になります。
そのあたりの矛盾はありますね。
終わったら画面下の「外交レンズ」→「地方アクションタブ」→「植民地の創設」を選択し、サハリンを選択します。これでサハリンの植民地化がはじまります。
ここで問題になるのが、ロシアとの関係です。ロシアはサハリンに対して請求権を持っています。
植民地化を進めるとロシアとの関係が悪化するので、「外交レンズ」→「外交アクションタブ」→「関係改善」でロシアと関係改善をしつつ時間稼ぎしましょう。
ついでにイギリスとかオランダとか他の国と仲良くなっておいてもいいでしょう。外交っぽいことを練習しておいてください。
さらについでに「外交レンズ」→「地方アクションタブ」→「関心の宣言」でインドネシアあたりに関心を持っておくと、あとあとインドネシアの小国に戦争を仕掛けたりがやりやすくなります。このゲームでは、関心を持っている地域に対して外交戦を仕掛けることができます。
サハリンの植民地化が完成したら、港がないので、州に編入してから、とりあえず港をつくっておきます。港がないと孤立した植民地になります。
権力に余裕があれば「政治レンズ」→「布告タブ」で、「国家価値の促進」(同化100%、改宗100%)をしておくのもいいでしょう。
軍事について
軍事についてですが、画面左の軍事タブを押すと、現在陸軍がどこにどれだけいるかがわかります。
他のパラドゲーと違って、「軍隊を九州に配置」とかいうのはなくて、「日本」という地域に日本陸軍があるという形になっているのですね。
また兵士は日本各地にある「兵舎」の数で決まるので、兵士を新たに雇うということは、「兵舎を作る」ということになります。
海軍の場合は「海軍基地」です。このあたりが他のパラドゲーと違うのでわかりにくいですね。
あとさらにわかりづらいのに徴募大隊というのがあります。これは正規兵ではなく、普段は普通に働いて、戦争時だけ徴兵される兵士ですね。維持費もかからないので、労働POPを減らしたくないときに使います。
これは「徴兵事務所」を建設して増やす形になります。
戦時に徴募兵を正規軍に引き上げるのですが、そのときにごっそりPOPが減って予算が跳ね上がるので、状況の大きな変化にプレイヤーが対応しづらいというのがありますね。不足する商品もごっそり出てきます。これらに対応できるのであればかまわないかと思いますが。
それと陸軍モデルの「職業軍人」は正規軍運用にボーナス、「国民民兵」は徴募兵運用にボーナスが入ります。これらも自分のプレイスタイルに合わせて選べばいいでしょう。
軍事ユニットの種類と編成
軍隊は陸軍と海軍の2種類あります。
陸軍は『EU4』とおなじく「歩兵・砲兵・騎兵」の3種類があり、これらを技術でアップグレードしていく形になります。
それでルールなのですが、「歩兵の数>=砲兵(+騎兵)」となっています。
「歩兵10:砲兵10」「歩兵:砲兵5+騎兵5」はOKということですね。とにかく砲兵と騎兵の合計数が歩兵を超えないようにします。
海軍の場合は「軽巡洋艦・主力艦・補助艦」の3種類があって、これも「軽巡洋艦>=主力艦(+補助艦)」の関係になっています。
「軽巡洋艦10:主力艦10」「軽巡洋艦10:主力艦5+補助艦5」はOKということですね。
ただ日本では、最初は歩兵しかつくれませんので、逆に徐々にステップアップしていくため、初心者にはわかりやすいです。他のものを作りたければ、技術をとっていく必要がありますね。
それと歩兵は防御最強です。防御だけなら歩兵だけで編成したほうがいいでしょう。攻撃時は歩兵と砲兵を同数にするといい感じかと。騎兵は移動速度が速いというのはありますが、戦争しまくるゲームでもないのでお好みでといったところです。
海軍も似たようなもので、船団護衛なら軽巡洋艦のみで編成すればいいでしょう。
戦闘なら「軽巡洋艦10:主力艦10」「軽巡洋艦10:主力艦5+補助艦5(母艦)」や、通商破壊なら「軽巡洋艦(魚雷ボート)10:補助艦(潜水艦)10」みたいな感じで組めばいいかと。
「動員」にある軍の追加物資とかですが、採用するといろいろなボーナスが入りますが、そのぶんコストもかかります。このあたりもふところ具合と相談しながらやりましょう。「偵察」は効果が高いので、採用できるなら採用しましょう。ただこれらもだいぶあとの話になります。
ハワイに派兵
海軍が使えるようになったら、まずはハワイを攻めてみてください。兵力が少ないので確実に勝てます。海外にユニットを送る練習になるでしょう。
ハワイはメキシコから西へ向かったところにある島ですね。
本作の戦争ですが、まず戦争を仕掛けるにはその地域に関心がなければなりません。先ほども言ったように「外交レンズ」→「地方アクションタブ」→「関心の宣言」で、ハワイのあるオセアニアに関心を示しておきます。
それからハワイを右クリックして「州の征服」を選んで戦争を仕掛けます。
ここも『EU4』と違うところですが、すぐに戦争がはじまるわけではなく、まずは外交戦がはじまります。この外交戦では他国がどっちの味方につくとか、戦争はやめて要求を呑むとかの、戦争前の猶予時間ですね。
外交戦のあいだに、軍事タブから攻め込む部隊をさがして「動員」のボタンを押しておいて動員状態ください。そうでないと、戦争がはじまったときに兵を動かせません。あと司令官もセットしておいてください。
おとなしく領土差し出すならそもそも戦争しなくていいので、外交戦はそれで終わりになります。戦わずに勝った状態ですね。
そうでなければ、外交戦の時間切れとともに戦争がはじまります。
戦争がはじまったら、今度は部隊の「敵国の州に上陸作戦を計画する」ボタン(錨マークのもの)を押してください。ここで上陸したい州を選んだあと、海軍と陸軍をセットします。海軍のところに適当な艦隊を選択し、確認ボタンを押せば、あとは勝手に上陸してくれます。
ビジュアル的にユニットを動かしたりとかじゃないですから、直感的にわかりづらいのは否めませんね。戦争自体は勝手にやってくれるので、追いかけっこしなくていいのは楽とは思います。
まとめ
そんなわけで、この記事のことをやっておけば、内政・軍事・植民地・外交の基本的なことはなんとなくわかるかと思います。ゲーム開始からすぐにできることばかりなので、ぜひ手を動かしてやってみてください。
サハリンを植民地化すれば、将来的にはロシアと揉めることになるとは思いますので、どうやって戦っていくかを考えるのも面白いでしょう。
今後も『VICTORIA3』に関する講座記事を書いていきたいと思います。