HoI4のDLC、どれがおすすめ?全DLCを5段階評価【Hearts of Iron IV】UPDATE
『Hearts of Iron IV(HoI4)』は第二次世界大戦を舞台にしたウォーストラテジーゲームです。Paradox社によって2016年6月6日にSteamで配信されました。
Paradoxゲームといえば、良い悪いはともかくとして、やたらと多いDLCでも有名です(DLCの不満点や問題点については記事最後の「DLCの不満点」を参照)。
これまでそれぞれのDLCのざっくりとした紹介記事やプレイレポートを書いてきましたが、そこそこ数がそろってきましたので、じっさいにやりこんだ感想などを踏まえて、全DLCの5段階評価をお届けします。
また新DLCがリリースされ次第、配信後に追加していきます。
本体はどれを買えばいい?
本体には「Cadet Edition」と「Colonel Edition」があります。
Cadet Edition:ノーマル版。
Colonel Edition:ノーマル版に加え、主要国の戦車や重巡洋艦のユニットモデルパック、フォーラムアイコン(たぶん使わない)が入っています。
ユニットモデルが欲しければ「Colonel Edition」、いらなければ「Cadet Edition」でいいでしょう。
「Cadet Edition」はあとで「Colonel Edition Upgrade Pack」を購入することで「Colonel Edition」にアップグレードすることができます。
それと以前まではDLCのシーズンパスがあったのですが、現在は配信終了しています。
代わりに本体と4つの拡張DLC(「Man the Guns」まで)のバンドル「MOBILIZATION PACK」が配信されているので、DLCも欲しければこちらを購入するのがいいでしょう。
Together for Victory
Together for Victory(重要度:4)
【追記】本体に追加(無料化)されました。
本DLCの目玉はやはり「スピアヘッド」です。
バニラ(DLC無し)のHoI4で攻撃線を描いて進軍させたばあい、面を塗りつぶすように占領をおこなっていきます。
しかしゲームシステムとしては首都など価値のあるプロヴィンスを占領することが重要なので、不要な土地をいくら塗りつぶしても意味がありません。無駄に時間を食うだけです。
そこで「スピアヘッド」を使えば、軍は目的地までほぼ一直線に向かってくれます。使い慣れると便利です。
また戦闘ログを見ることができるようになります。以前おこなった「チェコスロバキアでズデーテンラント要塞化」プレイレポートで重宝しました。
あとは傀儡国のマネジメントシステム。傀儡国に命令を出したり、併合したりするときに使えます。
それとカナダ・オーストラリア・ニュージーランド・インド・南アフリカに新しい国家方針ツリーが追加されます。
それとユニットをクリックしたときに、各国の言葉で「準備よし!」などといってくれます。某AoE3のような「スパイか?」と思うようなものではなく、しっかりとした発音です。
他の詳細については以下のリンクを参照してください。
ポイント:スピアヘッドが使いたい、傀儡国に命令したり併合したい人向け。
Death or Dishonor
Death or Dishonor(重要度:2)
【追記】本体に追加(無料化)されました。
チェコスロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ユーゴスラビアに新しい国家方針が追加されます。「チェコスロバキアでズデーテンラント要塞化」プレイレポートは、このチェコスロバキアの新国家方針ツリーでズデーテンラントを要塞化しました。
それと旧装備を新装備にコンバートするシステムも追加。ただ1型を2型にするといった程度のものです。
それとBGMや兵士の掛け声(チェコスロバキア、ハンガリー、ルーマニア)も追加されます。
また技術不足のばあいに、他国からライセンスをもらって兵器などを生産することもできます。ただ思ったより使いどころがなかったりします。
小型のDLCといったところでしょう。他の詳細は以下のリンクを参照してください。
ポイント:チェコスロバキアプレイがしたい人(筆者です)、新装備へのコンバート、他国のライセンスを使って生産がしたい人向け。
Waking the Tiger
Waking the Tiger(重要度:3)
【追記】本体に追加(無料化)されました。
筆者的には待ち望んでいた中国プレイ強化DLC。中国共産党や中華民国、満州国、その他の軍閥に新しい国家方針ツリーが追加されます。
さらには日本とドイツにも国家方針ツリーの追加があります。日本を共産化したり、ドイツを民主化したりできます。
それから指揮官に特性などが追加されます。ちょっとシミュレーションRPGっぽくなるので気に入っています。やはり指揮官に特徴があったほうがいいですしね。指揮官として有能だった毛沢東の能力が低いのが気になりますが。
駐在武官を派遣したり、ドイツなどにアイコンの追加があったり、補給を空輸できたり、兵士が気候によって衣替えをしたり、戦闘終了時で鹵獲物が手に入ったりといった細々なものも追加。
便利機能としては師団をまとめることができるようになります。時間がないときに弱い師団をまとめて完全な師団にしたほうが戦闘も有利になるでしょう。むしろこれはパッチで入れるべきものなのではとも思います。
他の詳細については下のリンクから。
ポイント:中国プレイをしたい、指揮官に特性をあたえたい、師団をまとめたい人向け。
Man the Guns
Man the Guns(重要度:3)
海軍プレイ、アメリカプレイの強化DLC。
アメリカ、イギリス、メキシコ、オランダに新しい国家ツリーが追加されます。
またアメリカに議会システムも追加。ロビー活動をして賛成を得たりなど、ゲーム前半は暇なアメリカプレイに変化をあたえてくれます。
船体のカスタマイズや提督の特性、水陸両用車の追加、海域への機雷の設置ができます。
便利機能として侵入不可海域の設定などができるようになります。「敵に勝手に突っ込んでいって死んだ」みたいなことは減るでしょう。
他の詳細は以下のリンクから。
ポイント:海軍プレイ、アメリカプレイを強化したい、船を自分でカスタマイズしたい人向け。
La Résistance
La Résistance(重要度:3)
タイトルどおり、レジスタンスやスパイプレイ強化DLCです。
レジスタンスといえばフランスです。フランス(自由フランス、ヴィシーフランス)に新たな国家方針が追加されます。フランスの王政復古を進めるものもあります。
またスペインの共和党・国民党の双方に対しては、新しい国家方針が追加。これまではイベントのような立ち位置でしかなかったスペイン内戦のゲームプレイが強化されました。
スパイ要素も追加されています。スパイを諜報機関で育成したり、諜報活動などをさせたりすることが可能です。どことなく「シヴィライゼーション」シリーズっぽさがありますね。
またレジスタンス活動への協力、暗号解読、偵察機ユニットなどの要素も追加。クーデターを起こしたり、敵政府の内通者を作ったりといったことも可能になりました。これを推し進めることによって協力政府を樹立させることもできます。敵国に協力者が多いほど、降伏させるのが容易になります。
これまでのDLCとは違って、プレイスタイルを大きく変える要素が含まれています。マンネリになってきたHoI4のプレイに新たな風を入れるにはよいDLCですが、ただどうしても必要というほどのものでもありません。変化が欲しい人向けといったところでしょう。
ポイント:スパイ育成やレジスタンスプレイ、フランスプレイ、スペイン内戦プレイがしたい人向け。
Battle for the Bosporus
Battle for the Bosporus(重要度:1)
ブルガリア、トルコ、ギリシャに独自の国家方針ツリーと新ボイスを追加。
さらに新BGMと、バルカン、トルコ軍の新しい3Dユニットモデルも追加されます。
これらの国でプレイする予定のない方には不要な小型DLCなので、そのあたりで購入するかどうかを決めるといいでしょう。基本、重要度は低いです。
ポイント:ブルガリア、トルコ、ギリシャでプレイしたい人向け。
No Step Back
No Step Back(重要度:4)
東部戦線プレイ強化DLC。ソ連、ポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニアに新たな国家方針が追加されます。
システムとしては、参謀部を構成できる「軍士官部隊」や、ユニットにボーナス付与する「軍隊精神」によって、部隊のカスタマイズ性が上がりました。
「戦車設計者」システムで、速度、火力、装甲など、機甲部隊のデザインも可能になっていますね。
兵站システムとしては、「焦土作戦」「浮遊式港」「特殊補給ユニット」が使用できるようになっています。
筆者的に一番の売りとしては、ロマン兵器の「列車砲」が使えることでしょうか。ただ作るのが大変なわりには、効果は範囲内の敵に攻防デバフ10%をかけるというぐらい。あくまでロマン兵器と割り切ったほうがいいでしょう。
「HOI4」のDLCとしてはめずらしく、Steamで「非常に好評」の評価になっています。
ポイント:ソ連、ポーランド、バルト三国でプレイしたい人向け。ユニットや戦車のカスタムもできるようになり、新たな兵站も追加された。「列車砲」にロマンを感じる人もどうぞ。
By Blood Alone
By Blood Alone(重要度:3)
イタリアプレイ強化DLC。イタリア・スイス・エチオピアに新たな方針ツリーが追加されます。
新たな講和オプションとして、敗戦国の非武装化、主力艦の入札、賠償として資源や工場を請求できるようになりました。
航空機の性能デザインをおこなったり、指揮官に勲章をさずけたり、敵国に禁輸措置をすることも可能。
またイタリア、エチオピア、スイスの新しいユニットモデル20点以上、新飛行機モデル67種類、新BGM12曲が追加されます。詳細は以下のリンクから。
ポイント:イタリア・スイス・エチオピアに新たな方針ツリーが追加。航空機デザイナー、新講和オプション、禁輸措置、勲章システムも追加。イタリアプレイ、航空機をデザインしたい方はどうぞ。
Arms Against Tyranny
Arms Against Tyranny(重要度:3)
北欧諸国プレイ強化DLC。フィンランド、ノルウェー、デンマーク、スウェーデンに新たな方針ツリーが追加されます。
目玉はやはり、フィンランドの「白い死神」ことシモ・ヘイヘの存在。シモ・ヘイヘの運命を決める歴史イベントも発生します。
それ以外にも、軍需産業を専門化させて生産ラインを合理化させたり、国際市場で中立国として武器を他国へ売ったりなどといったことも可能。
フィンランドやシモ・ヘイヘファンには良いDLCとは思います。
ポイント:フィンランド、ノルウェー、デンマーク、スウェーデンに新たな方針ツリー追加。軍需産業の専門家や、国際市場を利用した他国への武器販売も可能。シモ・ヘイヘファンの人にはおすすめ。
Trial of Allegiance
Trial of Allegiance(重要度:1)
南米国家プレイ強化DLC。アルゼンチン、ブラジル、チリ、パラグアイ、ウルグアイといった、普段あまりプレイすることのない南米国家でプレイしたい人向きの、ちょっとマニアックなDLCです。
いつものごとくこれら国家の方針ツリーの刷新や、ブラジル陸軍の新スプライト、アルゼンチン・ブラジル・チリの新BGM(6曲)、新ボイスなどが追加されます。
システム変更などはなく、基本的に南米国家の国家方針ツリー改善メインなので、これらの国でプレイすることがなければ不要かと。かなり人を選ぶDLCとは思います。
ポイント:アルゼンチン、ブラジル、チリに新たな方針ツリー追加。それらの国の新BGMや新スプライトも。システム変更はないので南米国家をプレイしないなら不要かと。
その他のDLC
音楽DLC
Paradoxが推しているスウェーデンのメタルバンドSabatonの曲が入ったDLC「Sabaton Soundtrack」「Sabaton Soundtrack Vol. 2」が配信されています。
単独で聞く分にはいいのですが、ゲーム中に流れると合わないので、筆者はDLCをオフにしています。
BGM追加なら35曲を3陣営に追加するDLC「Radio Pack」がゲームの雰囲気に合っていておすすめです。
【追記】DLC「Allied Speeches Music Pack」が2020年6月4日に配信されました。マッカーサーやチャーチルなどのスピーチが入ったマニアックな音楽DLCです。ゲーム中に特定条件を満たすとスピーチが流れるので、ゲームのフレーバーとしてはいいとは思います。
Eastern Front Music Pack:ソビエト(4曲)、ドイツ(4曲)、ルーマニア(3曲)、ポーランド(2曲)を追加します。
ユニットモデルDLC
Axis Armor Pack:ドイツ、日本、イタリアに装甲車両のユニットモデルを多数追加します。雰囲気を出したければといったところでしょう。
Allied Armor Pack:イギリス、アメリカ、フランス、ソビエトに装甲車両のユニットモデルを追加します。「Axis Armor Pack」を買ってしまった人は、対として買っておかないとなんかもやもやする感じになっています。本体を「Colonel Edition」で購入したユーザーは、自動的に所持状態になります。詳細は上の「Allied Speeches Music Pack」の詳細リンクから。
Eastern Front Planes Pack:以下の国家に飛行機モデルを追加します。ドイツ(20種類)、ソ連(13種類)、ポーランド(8種類)、ルーマニア(4種類)、ハンガリー(5種類)、ユーゴスラビア(4種類)。
ちなみにこれらはいずれ、EU4やCK2のように「BGMパック」や「ユニットモデルパック」のようなまとめ買いパックが発売されると思いますので、すぐに必要でなければそれまで待つのもありかと思います。値段も安くはありませんので。
DLCの不満点
「Man the Guns」までのDLCはどうも小ぶりなものが多く、値段に見合ってないと感じます。Steamストアでも批判が多く見られます。
「国家方針ツリー追加」+「こまごまとした何か」みたいなパターンが続いてしまっているのも問題かと。EU4やCK2のDLCと違ってゲームプレイを大きく変えるようなものがなく、なんだか数合わせで作られているような気がします。
ちなみに現時点での評価を見てみると、
Together for Victory:ストア好評率48%(賛否両論)
Death or Dishonor:ストア好評率56%(賛否両論)
Waking the Tiger:ストア好評率77%(ほぼ好評)
Man the Guns:ストア好評率56%(賛否両論)
と芳しいとはいえず、満足度は低いものになっています。「Waking the Tiger」は筆者も推していますが、いわゆる中国票というやつも少なからず入っているでしょう。
DLCが小ぶりな理由として考えられるのは、本体配信時にシーズンパスを出してしまったことかもしれません。
DLCの出るペースが遅かったため、シーズンパス購入者からせっつかれていたことから、無理やり値段を合わせるために出した感がどうしても否めません。そのため価格と内容が釣り合わなくなっているのかと思われます。
ただ今後はシーズンパスの頸木から解かれますので、DLCの質が上がる可能性があるかもしれません。新DLC「La Résistance」には期待しています。
【追記】新DLC「La Résistance」ですが、「賛否両論(64%、374人中)」でした。
まとめ
現在までのところ、絶対に必要というほどのDLCはまだありません。
強いていえば「Together for Victory」のスピアヘッドがあると、進軍時には便利かなと思います。重要度的には、いまのところはこのDLCが一番かと思います。
日本やイギリスなど海軍メインの島国、アメリカ使いなら「Man the Guns」を入れておくのもいいでしょう。
筆者的にはやはり中国プレイを強化する「Waking the Tiger」をおすすめしておきます。
ほかのParadoxゲームの5段階評価はこちらを参照してください。