『信長の野望・新生』(PK含む)は難しすぎてつまらない?その理由と対処法
2022年7月21日にリリースされた『信長の野望・新生』。一年後の2023年7月20日には「パワーアップキット(PK)」も発売されました。
それで多く聞かれるのが「難しすぎてつまらない」という意見です。
コーエー(過去作も含めた話をするので、あえて「コーエー」で統一します)もそのあたりは把握しているようで、1.0.5アップデートで難易度「超初級」が加わりましたが、それでも難しいとの声が多いです。
今回は本作が難しい理由と対処法について述べていきます。
『信長の野望・新生』(PK含む)が難しい理由
『信長の野望・新生』(PK含む)が難しい理由について述べていきます。
大勢力有利すぎ・小勢力不利すぎ問題
『信長の野望』だけでなく『三國志』のほうもそうですが、近年のコーエーシミュレーションゲームは大勢力がかなり有利なつくりになっています。
いわば「武将の能力より、数で相手を押しつぶす」という戦い方ですね。
過去の『信長の野望』『三國志』は、武将の能力がかなり重視されていました。
たとえば初期の『三國志』は、関羽や趙雲などの猛将がいれば、相手が数か国を有する大勢力であろうと、武将が弱ければ一国ずつ潰していくことができました。まさに無双プレイが可能だったのです。
逆に袁紹は大勢力でもろくな武将がいなかったので、小国の劉備勢力相手でもあっさり潰されてしまいます。
初期のころのコーエー作品は、国力よりも武将に焦点があたっていたのですね。
ところがだんだんと国力が重要になっていき、大局の中での武将の影響は小さくなっていきました。
関羽や趙雲も、過去作のように無双することはむずかしくなっています。「大勢の中の一人」みたいな感じになっていったのですね。
そうしてどんどんと、大国が兵力にものをいわせて相手を押しつぶすパワーゲームに変わっていきました。
このシステムの上では、小勢力はゲーム開始直後から「いかに早く大勢力になるか」をやらなければなりません。大国化しなければ生き残れないのです。
逆に大国は小国を食ってさらに大国になっていき、もはや止めようがない状態になります。
「強きはさらに強くなり、食われる弱者はさらに弱くなる」のような、ひたすら一方向にベクトルの向くバランスになってしまっているのです。
お気に入りの武将がいる小勢力でやりたくても、システムの構造上難しい。スタートダッシュで無理やり領土拡大するみたいな変なプレイを押し付けられることになるので、遊んでてもあまり面白みを感じたい。
そういう忙しいことをしたいわけではなく、過去作のようなまったりプレイがしたいというプレイヤーには、近年のコーエーシステムがうまくマッチしないという問題があります。
CPUの拡大速度速すぎ問題
これも近年の『信長の野望』にかぎらず『三國志』のほうでも問題になってしまっています。
先程もいったように大勢力は小勢力を食ってさらに有利になっていくため、結果的にどんどん領土を広げていってしまいます。
これはプログラム上、「近隣に弱い国家があれば攻撃しろ」みたいなAIで動いているので、大勢力はどんどん拡大するような動きになってしまうわけです。
そうすると、(『三國志』も含め)初期作のように「まったりプレイ」ができなくなるわけです。初期作は、CPUはそれほど速いペースで領土拡大しませんでしたしね。
拡大速度の速さは『三國志13』とかがかなり顕著で、武将プレイでまったりあれこれしたいのに、地図上では曹操などの大勢力がガンガン領土をひろげていき、いつのまにかゲームが終わっているみたいな状況です。
本作では「超初級」が入れられましたが、それでも大勢力CPUの拡大速度は速いです。小勢力はどんどん食われていきます。
「大が小を食う」プログラム上、拡大速度を遅くしても大して変わらないので、間口を広げるという意味合いから、いっそのことそういう極端な形にしてもいいとは思いますね。正直、本作は、ストラテジーゲーム初心者にはきびしいとは思います。
封建制度のシミュレートが中途半端
封建制度をうまくゲームに落とし込んだ作品に、パラドックス社の『Crusader kings』シリーズがあります。
これは各領主が自分の領土を持っていて、それを上位である王や公が束ねているという形になっています。
王といえど直轄地はかぎられており、残りの領土は封臣たちにあたえなければなりません。また領土をとりあげようとすると忠誠心は下がり、独立戦争をしかけてきたりします。
『信長の野望・新生』は武将プレイではないので、このあたりで中途半端な封建制度シミュレートになっています。
たとえば武将を城主にしたあと、制度レベルを上げれば他の地方に移し替えができます。しかしそれができないうちは、ずっと同じ領土に武将が固定されてしまいます。
すると「武将固定がただたんに不便でしかない」や「ころころ領主を移し替えられるってどうなの」みたいな、どっちつかずの状態になってしまいます。
これだったらいっそのこと過去作のように自由に移動させることができたり、逆に『Crusader kings』シリーズのように武将プレイにして、しっかり封建制度をシミュレートしたりするなど、整合性のとれる方向にしたほうがいいんじゃないかとは思います。
『信長の野望・新生』(PK含む)を楽しむためには
さて、大勢力有利すぎ問題や、CPUの拡大速すぎ問題などのある本作ですが、楽しみ方というか攻略法的なものを述べていきます。
難易度を下げまくる
とにかく難易度を下げてプレイしましょう。超初級にしたうえで、さらにリソース関係をカスタムして徹底的に難易度を下げてプレイしてみてください。
また能力値の高い新武将の大量投入や、PKなら編集モードも駆使しまくってひたすら有利にしてください。
ゲームは楽しむためにあるものです。自分にとってここちよいレベルでプレイするのがいいとは思います。
また難易度を下げたほうがまったりプレイできますし、ゲームシステムもあせらずゆっくり理解できるでしょう。
スタートダッシュ
低難易度であるていどゲームに慣れたら、今度はスタートダッシュの練習をしてみてください。
ゲーム開始時から積極的に領土拡大をするプレイです。
「大が小を食う」システムである以上、とにかくはやく大勢力にならなければなりません。
小勢力は生き残れないという現実を把握し、いかにさっさと領土拡大をするかを考えてプレイするといいでしょう。
まとめ
そんなわけで本作が難しくてつまらない理由と、その対処法でした。
難しいと思う方は、とにかく編集や新武将を駆使しまくって、難易度下げまくってください。クリアできる気のしないゲームをプレイさせられるほど苦痛なことはありませんので。
慣れてきたら、今度は開幕と同時にいかに領土拡大できるかに頭をつかってください。この作品のシステム上、ほぼスタートダッシュで決まるといっていいでしょう。小勢力がちんたら内政している時間はほぼありません。
個人的には武将プレイが好きなので、新作はぜひ『Crusader kings』シリーズのようなシステムでの武将プレイを入れてほしいですね。