『三國志14』武将能力:王允の評価はいかに?【三国志武将評価シリーズ・その89】|三国志14

2020年6月29日三国志武将能力評価三国志, 三國志, 三國志14武将評価シリーズ

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『三國志14』三国志武将評価シリーズの第89回目は、呂布と謀って董卓を誅殺した漢王朝の司徒・王允(おういん)についてお届けします。前回の李儒は以下のリンクから。

人物について

「後漢書」陳王列伝によれば、王允の字は子師(しし)で、太原郡・祁県の人とされています。

王允の家は名門で、一族は代々州郡の重要な官職に就いていました。王允自身も優れた人物であり、同郡の儒学者である郭泰から「王佐の才」と評されています。

王佐の才といえば荀彧ニャ。

郡吏となった19歳のころ、趙津(ちょうしん)という者が横暴を働いており、これを捕らえて処刑しました。

すると趙津の兄弟が都の宦官を通じて、時の天子(皇帝)の桓帝に王允のことを讒言したのです。

桓帝は怒り、王允の上司である郡太守を捕らえて獄死させました。

王允じゃなくて上司のほうが殺されたのニャ。

王允は三年の喪に服したのちに復職。しかし新太守の王球が無名無才の者を登用したのを諫めたことで、処刑されそうになります。

一難去ってまた一難ニャ。

これを知った刺史の鄧盛は、王允を助けて部下にしました。以後、王允の名は世に知れ渡るようになります。

黄巾の乱が起こると、王允は荀彧のおじの荀爽(じゅんそう)や孔融とともに鎮圧に向かいます。

乱が集結したのち、王允は宦官の張譲が黄巾賊とつながっていたことを上奏しました。しかし逆に投獄されてしまいます。

なかなか正義のおこなえない世の中なのニャ。

のちに王允は許され、大将軍・何進から河南尹に任命されます。

何進の死後、董卓が都で権力を握ると、王允は司徒に任じられました。

しかし王允は董卓の横暴を許せず、黄琬士孫瑞とともに暗殺を計画します。

とにかく悪は許せない性格なのニャ。

王允は同郷の呂布から、董卓に不満を持っていることを打ち明けられ、暗殺計画の仲間に加えます。

「三国演義」においては、貂蝉の回でも述べたように、貂蝉を利用して董卓と呂布の仲を引き裂いていますね。

呂布が董卓を誅殺したのち、王允は呂布を奮武将軍に任じ、温侯の爵位をあたえました。

ここで呂布は温侯になったのニャ。

「後漢書」では、董卓に仕えていた蔡邕が、董卓の死を悼んだのを見て、王允が怒って処刑しようとしたという話があります。

この話は「三国演義」でも採用されているのですが、裴松之は、

「董卓の凶悪ぶりは知れ渡っており、悲しむ者がいるはずもない。たとえそうだったとしても、王允のいる席でわざわざそんなことをするだろうか。まったくもってつじつまのあわないデタラメである」

と述べています。

もっともな意見ニャ。

「漢紀」では、「王允が蔡邕を処刑しようとしたとき、多くの名士たちが弁明したので後悔した。処刑を中止しようとしたが間に合わなかった」とされています。

こっちのほうが事実っぽいニャ。ただ「三国演義」の物語的には「蔡邕が董卓の死を悲しんだ」としたほうが面白いのニャ。

董卓の死後、その配下の李傕らが長安に攻撃を仕掛けてきました。

呂布は敗北し、王允を誘って逃げようとしました。しかし王允は、

「幼い天子を残して逃げるわけにはいかぬ」

と呂布と別れ、長安に残ります。そして一族もろとも李傕らに処刑されてしまいました。

最期まで身の危険をかえりみず、正義を貫いた人なのニャ。

今回はそんな王允の能力を見ていきましょう。

 

基本ステータスについて

統率:26
武力:6
知力:67
政治:80
魅力:77
主義:名利
政策:地域振興(Lv5)(地域担当官による開発の上昇量が増加)
親愛武将:
黄琬、士孫瑞、孫資
嫌悪武将:董卓

武力ひと桁ニャ。戦闘には向かないニャ。

知力も70に届きませんね。政治も80と、正直文官としても微妙なところです。

主義が名利なのはなんでニャ?

蔡邕を処刑したことなどでしょうか。本作の列伝の、正史の記述部分に「董卓の死を嘆いた蔡邕を処刑するなど非情な面も見せている」と書かれています。

それは裴松之によってデタラメだと否定されている部分ニャ。なんでそこを取りだすのニャ。

「三国演義」でそこが取りだされていますしね。

ただ王允が若いころから悪を恐れずに戦ってきたことや、天子のために長安に残ったということから考えても、名利は違うような気もしますね。

ところで親愛武将の孫資は誰ニャ?

魏の臣で、同郡であった王允から高く評価されていました。ただじっさいに接点があったかどうかは不明です。

 

個性について

封殺:特定範囲内の敵ユニットが「足止」になったさい、その期間を延長。

名声:地域担当官に任命すると土地占領が拡大。捕虜になったときの身代金が増加。

小心:命令設定で、敵接近時「攻撃」、自主退却「不可」、追撃「許可」が選択不可。

消沈:特定範囲内の味方ユニットが壊滅すると、自ユニットの士気が低下。

「小心」があるけど、王允は小心者ではないと思うニャ。

「名利」になっているという点といい、なんだかフランス革命期に恐怖政治をおこなったロベスピエールに王允をあてはめたいという意図が見え隠れする気もします。じっさいにどうかは知りませんが。

ロベスピエールと王允は違うと思うニャ。

 

陣形と戦法

陣形

鶴翼

鶴翼のみニャ。

統率・武力が低いので、これで戦うのは厳しそうですね。

戦法

足止:「足止」付与。

混乱:「混乱」付与。対拠点可。

戦法も厳しいニャ。

時間稼ぎするぐらいでしょうか。「封殺」があるので「足止」の相乗効果がありますが、使い勝手はあまりよくないですね。

 

総評

王允は文官タイプの武将です。

統率・武力は低く、陣形も「鶴翼」のみで、戦法も「足止」「混乱」のみなので、戦闘ユニットとしては使いにくいものがあります。

「名声」があるので、地方担当官として働かせていくのがいいでしょう。

戦闘は厳しいから、内政で活躍させるのニャ。

次回は李傕を予定しています。

↓次回出来ました。