『三國志14』武将能力:審配の評価はいかに?【三国志武将評価シリーズ・その103】|三国志14
『三國志14』三国志武将評価シリーズの第103回目は、最後まで敵に屈しなかった袁紹陣営の烈士・審配(しんぱい)についてお届けします。前回の郭図は以下のリンクから。
人物について
審配、字は正南(せいなん)。魏郡・陰安県の人です。
若いころから苛烈な心を持ち、節操正しい人物でした。
田豊とともに韓馥に仕え、韓馥が冀州を袁紹に譲ったのちは、袁紹に仕えました。
袁紹は旧臣の逢紀が聡明だったので重用していたのですが、審配が配下になったのちは、審配を重用するようになりました。審配に策略を任せ、治中別賀に任じたのです。
ところが、です。
袁紹が「官渡の戦い」に敗れたのち、審配の子らが曹操に捕らえられたことで、審配は警戒されてしまいました。
そこで袁紹は、「審配を辞めさせるべきかどうか」を逢紀に相談しました。すると逢紀は、
「審配は古武将のような、激烈にしてまっすぐな心を持っています。疑うべきではありません」
とかばったのです。
袁紹が「おまえはやつを恨んでいたのではないか?」と聞くと、逢紀は、
「以前、審配と争ったのは、個人的な感情の問題からです。いま話しているのは国家の問題です」
と答えました。これによって審配は辞めさせられませんでした。以降、審配は逢紀と親しくなりました。
そういう言い方ではないとは思いますが、田豊と逢紀は、審配とは比にならないぐらい仲が悪かったのでしょう。
袁紹の死後、郭図・辛評は長男の袁譚を跡継ぎに推し、審配は逢紀ととも三男の袁尚を推しました。
以降、袁譚と袁尚の対立が激化。袁譚が郭図の後押しで攻め込んできたものの、袁尚はこれを撃退。
袁尚は鄴の守りを審配と蘇由にまかせ、袁譚を追撃しました。
一方の袁譚は、郭図の策で曹操と同盟を結び、曹操に鄴を襲わせます。
このとき曹操は蘇由を寝返らせており、内応する予定でした。ところが計画が露見し、蘇由は審配に討ち破られて曹操のもとへ逃げ込みます。
曹操はそのまま前進し、鄴の城を襲いました。地下道を掘って侵入しようとしたのですが、審配はすぐに塹壕を掘ってこれに対抗しました。
さらに審配配下の馮礼が曹操に内応し、敵兵三百人を城内へ入れましたが、審配はこれを察知。城壁の上から大きな石を落として通路をふさぎ、曹操の兵士を全滅させました。
そこで曹操は城を包囲し、周囲四十里にわたって堀を作りました。ただし堀はわざと浅く掘り、簡単に乗りこえられるように見せかけたのです。
城壁の上からこれを見ていた審配は、意味のない堀だと思って笑い、あえて妨害をしませんでした。
ところが曹操はその夜のうちに、堀を一気に深くまで掘ります。そして近くの漳水を決壊させ、堀に水を流しこみました。これによって城内が水没してしまいます。
曹操の包囲は5月から8月に渡って続いたため、城内は食糧不足になり、半数が餓死してしまいました。
袁尚はこの危機を知ると、一万の兵を率いて救援にもどってきました。のろしを使ってたがいに連絡を取り合い、内と外から曹操を挟み撃ちしようとしたのです。
しかし曹操軍は強く、審配は敗れて城内へと逃げ帰ります。
また袁尚のほうも打ち負かされて退却。その後曹操の追撃にあって軍は壊滅し、袁尚は中山郡へ逃亡してしまいました。
袁尚の印綬などを手に入れた曹操は、それを鄴の城にいる者たちに示すと、将兵の士気は一気に低下。
東門を守備していた審配の兄の子・審栄が裏切り、城門を開いて曹操軍を入れてしまいます。
審配は城内で曹操軍を迎え撃ち、最後の抵抗をこころみます。その気迫と声は壮烈で、敵に屈することなく、最後まで戦いました。
これを見た者たちで、感嘆しなかった者はいなかったといいます。
けっきょく、審配は生け捕りされました。
曹操陣営にいた辛毗(辛毘)は、鄴にいる兄・辛評の家族を救い出そうとしました。
ところが辛評の家族は、辛評が袁譚側についていたことから「袁家衰退の元凶」として、審配に皆殺しにされていたのです。
それを知った辛毗は怒り、曹操のもとへと引き出される審配に対し、鞭で頭を打ちながら「今日こそきさまの命はないぞ!」とののしりました。
一方の審配も、
「きさまら一族のために、我が冀州は負けたのだ! ここできさまを殺せないのが残念だ!」
とののしり返します。
審配が曹操の前に引き出されると、曹操が聞きました。
「城門を開けたのが誰か知っておるのか?」
「知らぬ」と審配は答えました。
「おまえの兄の子の審栄だ」と曹操がいいました。
審配は怒り、「あの役立たずが!」とののしります。
曹操は審配を配下に加えたいと思っていました。
しかし審配は弱音を吐かず、いっさいなびく様子がありません。
しかもそのそばでは、審配に兄の家族を殺された辛毗が号泣しつづけています。
曹操は仕方なしに、審配を処刑することにしました。
さらには、張子謙という者が先だって降伏していたのですが、審配と仲が悪かったことから、審配を見て嘲笑し、
「おまえとわたしの違いはなんだと思う?」
と聞きました。すると審配は、
「おまえは降人、わたしは忠臣だ! 死んだとしても、おまえとは違うのだ!」
とののしりました。
それから処刑をする兵士に、
「わたしを北を向かせろ! わが主は北にいるのだ!」
とどなりつけたといいます。
今回はそんな審配の能力を見ていきましょう。
基本ステータスについて
統率:82
武力:60
知力:83
政治:73
魅力:70
主義:我道
政策:墨守研究(Lv4)(都市があたえる反撃ダメージが増加)
親愛武将:袁尚、審栄、逢紀
嫌悪武将:郭図、許攸、辛評、田豊
統率・知力ともに80以上ありますし、ほかも悪くはありませんね。バランス型の武将といえます。
ちなみに1のころは武力66・知力32と、かなり低く評価されていました。
個性について
不屈:兵站切れしたさい、自ユニットの士気が低下しにくい。
封殺:特定範囲内の敵ユニットが「足止」になったさい、その期間を延長。
堅牢:所属都市に所在していると、都市が攻められたさい、反撃ダメージが上昇。
強欲:自身の俸禄が増加。
都市の反撃ダメージがアップする個性ですね。城の守りが上手い武将はだいたいこれを持っていますね。
原作どおり、都市の守備をまかせるのがいいとは思います。
陣形と戦法
魚鱗、方円、投石
統率が高いですし、野戦でもそこそこ戦えますね。状況に応じて使い分けるといいでしょう。
鉄壁:味方の防御アップ。
鯨波:味方の破城+敵の攻軍ダウン。対拠点可。
罵声:敵の士気+攻軍ダウン。対拠点可。
投石:耐久ダメージ+ダメージ。対拠点可。
ただ全体的に決定力には欠けますね。都市攻めは「投石」運用でもいいかと思います。袁紹陣営は「衝車」が多めですしね。
総評
審配はバランスのよいステータスを持った武将です。
統率・知力は80以上あり、政治・魅力も70以上あるので、なんでもそこそここなせます。
都市の反撃ダメージをアップさせる「堅牢」もあるので、前線の都市に配置しておくのもいいでしょう。
次回は続けて袁紹陣営の逢紀を予定しています。
↓次回と「孫子の兵法書」第4回出来ました。